第11回全国てんかんセンター協議会総会 徳島大会2024

大会長挨拶

第11回全国てんかんセンター協議会総会 徳島大会2024
大会長:森 健治
(徳島大学大学院医歯薬学研究部 保健学科長 子どもの保健・看護学分野 教授 / 徳島大学病院 てんかんセンター長)
 第11回全国てんかんセンター協議会(JEPICA)総会は、令和6年3月2日(土)から、3月3日(日)の会期で、徳島県徳島市あわぎんホールにて開催いたします。第11回総会は徳島大学病院てんかんセンターが担当させていただくこととなりました。徳島大学てんかんセンターを代表してご挨拶申し上げます。今回のテーマは、「多職種連携で築くてんかん支援の輪」です。JEPICAは、全国のてんかん診療に従事されている多職種の方々がてんかん医療やケアの質の向上を目指して設立されております。総会として年に一度てんかん診療に携わっている皆様が一堂に会し、皆様の日ごろの研究のご成果や情報を交換し交流を深めていただく大変重要な機会となっております。このような重要な総会の運営をお任せいただけますことを、大変光栄に存じております。

 てんかん医療の質向上に向けて2015年、厚生労働省により「てんかん地域診療連携体制整備事業」が始められ、各都道府県に「てんかん支援拠点病院」を設置することを目指してまいりました。日本てんかん学会は、「包括的てんかん専門医療施設」の認定を行うなど、中核となる診療拠点の整備が進められてきました。これらのてんかん診療拠点施設には、てんかん診療支援コーディネーターの配置が義務付けられており、医療側と患者側の調整を行っています。JEPICAはその認定研修会の一つであり、患者さんやそのご家族に寄り添った議論を行い、てんかん診療が円滑に行われ、質的に向上するための課題解決の場となりえると思います。徳島大学病院てんかんセンターは、2016年12月1日に設立され、2018年11月に徳島県より「てんかん支援拠点病院」の指定をうけ、さらに2021年4月には日本てんかん学会より「包括的てんかん専門医療施設」に認定されています。当センターは脳神経外科、脳神経内科、精神科、小児科などの各診療科が連携しててんかんの最新治療を行うとともに、患者支援センターの協力のもと、相談支援体制の構築と向上を目指しております。てんかん患者さんが安心した社会生活を営むためには、診断や治療のみならず、多くの視点から長期的でかつ多元的な支援が必要であります。個人がその生活の中で主体的に回復することを支えるような地域を含めた包括的支援体制を構築することを目指していきたいと考えております。

 この3年間あまり、様々な行動制限を生じさせた新型コロナウイルス感染症も5類に移行され、自由な暮らしが戻りつつあります。徳島は、春のこの時期、世界三大潮流の一つである鳴門の渦潮が見ごろとなる時期でございます。大塚国際美術館では世界の名画に触れることができ、阿波踊り会館では「毎日踊る阿波踊り」も体験できます。徳島を楽しみながら、活発なご議論を交わしていただき、てんかん診療の明日を形作っていくことができればと思っております。てんかん診療にかかわる皆様が、日常診療の中から生まれた知恵や、研究の成果をご発表いただき、徳島大会が皆様にとって、実り多きJEPICA総会となりますよう、ご協力ご支援賜りたく存じます。是非とも春の徳島へお越しくださることを心よりお待ち申し上げております。