第17回日本移植・再生医療看護学会学術集会

大会長挨拶

第17回日本移植・再生医療看護学会学術集会
大会長:山本 真弓(山陽学園大学 看護学部 教授)
 時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素、私どもの活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。この度、2022年10月29日(土)に山陽学園大学(岡山)において、第17回日本移植・再生医療看護学会を開催させていただく運びとなりました。
 貴重な機会をいただき心より感謝申し上げますと同時に、Covid-19感染拡大、地震、ウクライナ戦禍等、激動する社会情勢の中にあって、欠くことのできない医療に従事する皆様とともに、世界の平和と人々の安寧を切に願ってやみません。
 当初、岡山へお越し頂く案で進めておりましたが、日本のコロナ感染状況からWEB開催に切り替えた会期で、みなさまのご理解を頂きながら進めて参りたいと存じます。是非、WEB上でご参集ならびに皆さまの学際的知見をご発信いただきますようお願い申し上げます。
 第16回学術集会では医療の機能分化が進む中、生活を支える専門家である我々看護職が連携し、移植前の保存期、救命から社会復帰、 移植後のセルフマネジメントという“人生をどう生きるか”をともに考え支援していく重要な役割を担っていることを再認識いたしました。第17回では、With コロナの時代における人々の価値観、生き方、信念の変化を捉えつつ、多職種協働で意思決定を支援し、臓器移植、造血幹細胞移植、再生医療などの先端医療が世界水準で提供される未来をめざすという課題を念頭に、「患者・家族、生活者の視点から移植・再生医療の未来を考える-医療と教育のパラダイムシフトを目指して-」をテーマに掲げました。
 基調講演では、移植が盛んな欧州ドイツの看護哲学、看護教育に精通しておられる国際医療福祉大学大学院只浦寛子教授に「看護における命、事象の捉え方(感覚運動や発生学、数学や物理)、研究者としての探求の在り方」などをご講演いただく予定です。教育講演では、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 血液・腫瘍・呼吸器・アレルギー内科 教授 病院長 前田嘉信先生に「造血幹細胞移植がなぜ必要なのか」、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 救命救急・災害医学講座 教授 高度救命救急センター長 中尾篤典先生より「今求められる日本流のドナーアクションとは?」、岡山県臓器移植コーディネーター安田和弘氏にいのちの授業についてなどのご講演を頂きます。また教育セミナーでは、元NHKエンタープライズの五十嵐享平氏に、移植・再生医療との関連が深い「遺伝子医療」について映像を交えご講演いただきます。さらに特別講演として、日本大学医学部形態機能学系 細胞再生・移植医学客員教授 医療法人社団博衛会浮間中央病院長 福田昇先生に「細胞移植再生医療と保存的再生医療」についてご講演いただく予定です。再生医療看護に携わる会員の皆様に有益な知識となれば幸いです。
 スペシャリストであるRTCや看護職だけではなく、基礎教育に携わる教員や研究者、国民が意識の志向性を誰の何に向け、何を行うことができるのか。シンポジウムの中で皆様とともに考える機会と致したく存じます。会員の皆様はもちろん、当学会の会員ではない方々にもお声がけいただき、日本の移植・再生医療看護を考える機会となれば幸甚でございます。皆様、是非、演題登録ならびに学会へご参加くださいますようよろしくお願いいたします。

 末筆ではございますが、皆様のご健康とご発展を心よりお祈り申し上げます。

令和4年4月吉日