ご挨拶
第32回日本胎盤学会学術集会 第42回日本絨毛性疾患研究会 会長 増山 寿 岡山大学学術研究院医歯薬学域 産科・婦人科学 教授 |
第32回日本胎盤学会学術集会
第42回日本絨毛性疾患研究会
会長 増山 寿
岡山大学学術研究院医歯薬学域 産科・婦人科学 教授
伝統ある第32回日本胎盤学会学術集会ならびに第42回日本絨毛性疾患研究会を、2024年10月18日(金)から19日(土)に岡山駅近くの岡山国際交流センターにて開催させていただくこととなりました。私共の教室で本学会・研究会を担当させていただくのは初めてであり、大変光栄なことと身の引き締まる思いです。
今回の学会のメインテーマは、「胎盤のマクロとミクロにせまる」としました。基礎から臨床研究まで、絨毛細胞から胎盤臓器まで、さまざま角度、視点でアプローチし、胎盤学の神髄に少しでも切り込んでいきたいと担当者一同意気込んで準備を進めてきました。第32回日本胎盤学会学術集会では、特別講演として、東北大学東北メディカル・メガバンク機構 荻島創一教授、ならびに熊本大学発生医学研究所研究所 岡江寛明教授のご講演を予定しています。また、特別企画としてワークショップを2セッション、基礎的な分野から最新の研究を新進気鋭の研究者にご紹介いただく「ミクロから考える胎盤研究」、臨床的な分野から癒着胎盤の病因、診断、治療に関する「マクロから迫る胎盤研究」を企画しました。それぞれ5演題の非常にレベルの高いご発表がございます。第42回日本絨毛性疾患研究会では、特別企画として、現在改訂作業が進んでおります絨毛性疾患取扱い規約についてのシンポジウムを予定しています。また、有難いことに一般演題も胎盤学会41演題、絨毛性疾患研究会6演題と多数ご応募いただきました。絨毛・胎盤の基礎研究から胎盤関連産科合併症や産科救急疾患の管理・治療、最先端の画像診断などの臨床研究、そして絨毛性疾患の基礎から臨床研究まで、幅広く興味深い演題が揃っております。
私にとって胎盤は大学院での学位研究から現在に至るまで常にリサーチマインドを揺さぶられる研究対象であり、多くの先生方に学会・研究会を通じてご指導いただいたことが今に繋がっていると感じております。胎盤は、妊娠高血圧症候群をはじめ様々な産科合併症の病態に深く関与していることが知られるようになりましたがメカニズムの解明はまだ端緒についたばかりです。臨床的にも、増加する癒着胎盤など胎盤関連の分娩時出血への対応などまだまだ解決しなければならない課題が山積しています。今回の学会が基礎研究者や周産期領域の若い先生にもっと胎盤・絨毛研究に興味を持って頂く機会となればと願っております。
地方開催ではございますが、交通の便の良いJR岡山駅に近い会場で開催します。是非、学会の合間には、後楽園、岡山城や倉敷美観地区など秋の吉備路をお楽しみいただければ幸いです。皆様の岡山へのお越しをお待ちしております。どうか宜しくお願い致します。