第37回日本分娩研究会

会長挨拶

第37回日本分娩研究会
会 長:三宅 貴仁
(三宅医院 院長・医療法人緑風会 理事長)
 この度、第37回日本分娩研究会を開催させて頂く事となりました。
 昨年から続くCOVID-19感染拡大により、周産期医療に関わる皆様は本当に大変な日々をお過ごしと拝察いたします。この様な中で多くの方にご参加頂き本研究会が開催できることに感謝申し上げます。

 開催様式については理事の先生方とも協議を重ねた結果、オンライン開催とさせて頂く事となりました。本来であれば岡山までお越し頂き、瀬戸内の海の幸を是非ご賞味頂きたいと考えていたのですが、昨今の感染拡大状況からこの様な決断となった事をご了承頂ければと思います。

 以前から我が国の出生数は年々減少の一途を辿ってきました。そこに追い打ちをかけるようなCOVID-19感染拡大による行動制限や経済への打撃は計り知れず、この影響として妊娠届の減少が報道されています。経済不安や先行き不安から妊娠を途中で諦めざるを得ない方も多く見られ、妊娠数の減少と相まって出生数のさらなる減少が予測されています。社会構造の変化など我が国の少子化の原因は多岐にわたりますが、不安に包まれた世の中だからこそ妊娠を考える世代や妊娠中の方々、その周囲の方々の不安や心配事を解消し、出産や育児に希望を持てる世の中となるべく、周産期医療に携わる我々が力を合わせる必要があると考えます。本研究会のテーマは「これからの時代に求められる分娩管理」とさせて頂きました。これから社会のあり方が大きく変わっていく中で、患者や家族が求める事柄、必要とされる医療やサービスは大きく変化していきます。私は地方の開業医で研究会会長としては甚だ力不足ではありますが、日々患者や家族と接する中で感じるサポートの重要性について皆様と共有して新たな道筋を考えていく会とさせて頂ければ幸いです。

 今回の教育講演は「産前産後のメンタルヘルスケア」として、金山尚裕理事長ならびに鈴木利人先生からご講演を頂きます。現在の不透明な社会状況の中で出産、育児をする女性へのメンタルヘルスケアはこれまで以上に重要となっています。また、ワークショップとして「フリースタイル分娩の現状と課題」「無痛分娩時のケアの質の向上と分娩時の救急対応」について各分野の専門家からお話しを頂く事とさせて頂きました。

 初のオンライン開催ということで、不慣れな点が多々予想されますが、オンラインならではの特徴も活かして、皆様に参加していただき易い会となるように準備を進めました。WHC研修として認定されるべく準備を進めておりますので、是非多くの方にご参加頂けることを願っております。

 最後になりましたが、開催にあたり多大なご支援を頂きました医療機関、関連企業の皆様並びにご協力頂きました先生方に心から御礼申し上げます。