第48回日本膵切研究会

当番会長挨拶

第48回日本膵切研究会
当番会長:田島 義証
(島根大学医学部 消化器・総合外科)
 この度、第48回日本膵切研究会を2021年8月27日(金)・28日(土)の2日間にわたり、島根県松江市の「くにびきメッセ」で開催させて頂くことになりました。歴史と伝統ある本会を主宰させて頂くことを大変光栄に感じるとともに、あらためてその喜びと重責を痛感しているところです。
 本研究会は、膵切除の手技ならびに膵生理機能に関する研究とその進歩を図ることを目的に1984年6月にPD懇話会として発足しました。第10回から現在の日本膵切研究会に改名され、発足以来40年近い歴史と全国175加入施設を誇る研究会に発展してきました。その間、膵臓手術に情熱を燃やす多くの膵臓外科医が集い、熱い討論が繰り広げられてきました。この膵臓外科プロ集団による歯に衣着せぬ納得いくまでの本音の討論は、他の学術集会とは一線を画し、多くの貴重な知見と人材を育んできました。近年、膵臓手術には腹腔鏡が導入され、また膵癌に対しては術前治療が行われるようになるなど膵疾患の外科治療も時々刻々と変化し、術後合併症管理や膵機能評価にも大きな進展がみられています。今回の研究会が、これらの成果や治療成績を評価・検証し、次の時代につながる方向性をみいだすことのできる場になれば本望です。
 8月末の新型コロナウイルス感染状況が“with コロナ”なのか“after コロナ”なのか予想もつきませんが、感染拡大防止を念頭に置きながら準備を進めてまいりたいと思います。島根の地は、交通アクセスや宿泊等々で何かとご不便をおかけすることかと存じますが、是非とも多くの会員の皆様にご参加いただき、活発なご討議を通じて実りある会にしていただけることを期待しています。“城下町松江”のシンボルである松江城が、2015年7月に国宝に指定されました。松江城は、千鳥が翼を広げたように見える入母屋破風の屋根が見事なことから「千鳥城」とも呼ばれています。学術集会は勿論のこと、島根の自然や文化にも触れていただき、記憶に残る研究会となれば幸いです。