総会長挨拶
歴史と伝統のある日本輸血・細胞治療学会の第71回学術総会を開催させていただく栄誉を賜り、このような機会をいただきました理事長 松下 正先生をはじめ学会員の皆様方に厚く御礼申し上げます。
第71回学術総会は、2023年5月10日(水曜)~13日(土曜)の日程で、千葉市 幕張メッセで開催させていただきます。海岸に近接し、風光明媚な場所であるとともに、近隣には、ディズニーランド、千葉マリンスタジアムなどがあり、5月上旬の快い季節をお楽しみいただける場所となっています。
事務局長として、東京大学輸血部 岡崎仁先生にご助力をいただき、また、各種委員会、評議員や皆様方のご意見をいただきながら、有意義なプログラムとなるよう検討中でございます。ぜひ会員の皆様の積極的な演題応募をお願い申し上げます。
3年前にお引き受けさせていただいたころには、さすがに新型コロナ感染症はその頃には収束を迎え、従来通りの学会形式(face-to-face)で開催可能かと思っておりました。しかし、残念ながら2022年8月の現時点で、未だ、収束が見通せず、コロナ禍の中で、医療機関では、患者救命のための懸命な努力が続けられており、血液事業でもドナーリクルートの方策をはじめ、この未曾有の危機を乗り越えるべく、様々な検討、対策が講じられています。皆様のご尽力に心から御礼申し上げます。
第71回学術総会のメインテーマを、「患者を救う!適切な輸血・細胞治療 (Appropriate transfusion and cell therapies for better patient outcomes!)」と設定させていただきました。私自身は、国立循環器病研究センターに長年在職し、主に心臓血管外科手術領域での輸血療法について、臨床、研究を続けてきました。また、「大量出血症例に対するエビデンスに基づいた輸血療法」について、様々な関連学会の先生方にご尽力をいただき、ガイドラインを策定させていただくことができました。これらの活動の中で、輸血・細胞治療は、適応患者における未だ唯一無二の治療法として、大きなポテンシャルを持ち、患者予後改善に貢献する重要な医療であることを身に沁みて実感いたしました。また、この領域での海外を含めた進歩には目覚ましいものがあります。第71回学術総会では、これらの視点から、今後、さらに患者予後改善を図るために、どのような取り組みが必要か、皆様と改めて議論、検討させていただく場とさせていただければと考え、企画を進めております。
特に海外で進歩の著しい、また、様々な新規製剤が開発されつつある大量出血症例に対する最適な輸血療法について、海外から演者をお招きし、International Sessionsとして企画しております。
未だ新型コロナ感染症の収束を見通せない中で、近年のweb開催で得られた知見を基にvirtual meetingの利点を生かしつつ、ポストコロナを見据えて、できる限り会場にご参集いただくことに考慮した企画を検討しています。しばらく開催できなかった会員懇親会の企画も含めて、学会員皆様の笑顔と共に、素晴らしいポテンシャルを持つ輸血・細胞治療のさらなる発展について、貴重な討論、意見交換ができる場として活用していただけるよう、開催準備を進めています。
5月の連休明けの心地よい季節を、ご一緒に楽しめるよう、皆様の奮っての御参加をお待ちしております。
第71回日本輸血・細胞治療学会学術総会 総会長
宮田 茂樹
日本赤十字社血液事業本部中央血液研究所