総会長挨拶
このたび、第75回日本輸血・細胞治療学会学術総会を、2027年5月に古都・奈良で開催させていただくことになりました。奈良での開催は2014年以来13年ぶりであり、近畿地方での開催としても久しぶりとなります。このような機会をいただきましたことを、大変光栄に存じます。奈良は、歴史と文化に恵まれた地であるとともに、近年は宿泊施設や観光環境も少しずつ整備され、国内外から多くの方をお迎えできる街へと発展してきました。また、飛鳥・藤原地域の世界遺産登録に向けた機運も高まっており、奈良県全体として新たな魅力を発信する時期を迎えています。
今回の学術総会のテーマは、「奈良から世界へ」といたしました。これは、私自身が長年大切にしてきた思いでもあります。地方にあっても世界レベルの仕事を目指し、奈良から日本へ、そして世界へと発信していきたいという願いを込めています。輸血医療や細胞治療を取り巻く環境は、国や地域によって大きく異なります。一方で、海外の優れた取り組みから学び、日本の医療や研究の成果を世界へ発信し、国際的に評価していただくことは、今後ますます重要になると考えています。さらに、2028年には国際輸血学会(ISBT)が横浜で開催されます。本学術総会が、その大きな国際学会へとつながる一歩となることも期待しています。
学術総会の大きな目的は、日頃の研究成果や臨床での取り組みを発表し、参加者同士が活発に議論する場を提供することです。奈良大会では、より多くの演題について十分な討論が行えるよう、一般演題はポスター発表を中心に構成する予定です。また、海外からの演者にもご講演いただき、国際的な視点から輸血・細胞治療の未来を考える機会にしたいと思います。さらに、海外演者の発表については、AIによるリアルタイム字幕翻訳を積極的に活用し、英語講演をより身近に感じていただける環境を整えたいと考えています。この取り組みは2026年総会でも導入されていますが、奈良大会ではさらに発展させ、2028年のISBT Yokohamaにおいても、日本人参加者がより参加しやすい環境づくりにつながることを期待しています。
古都奈良ならではのおもてなしと、活発な学術交流の場をご用意し、多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。本学術総会が、新たな知識や技術を共有するだけでなく、多職種が互いに学び合い、日本の輸血・細胞治療学を世界へ発信する新たな一歩となることを願っています。
第75回日本輸血・細胞治療学会学術総会
総会長 松本 雅則
奈良県立医科大学 血液内科・輸血部
