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第36回臨床微生物迅速診断研究会総会

総会長挨拶

 第36回臨床微生物迅速診断研究会総会(The 36th Annual Meeting of Association for the Rapid Method and Automation in Microbiology)担当を拝命いたしました愛知医科大学の三鴨廣繁です。まず初めに、本総会担当としてご推挙いただきました前会長で現副会長の飯沼由嗣先生、現会長の金光敬二先生、現副会長の栁原克紀先生に衷心より感謝の意を表したいと存じます。本研究会は、小職の恩師の一人である故上野一惠先生が創設された研究会で、岐阜大学に事務局があった時代に私も微力ながら事務局のお手伝いをさせていただいていた研究会です。故上野先生は、1990年頃から、マイクロビオータと微生物の代謝物研究(現在のマイクロビオータ研究に当たると推測される)がこれから注目されることに加えて、感染症診断、特に迅速診断の重要性(現在の Diagnostic stewardship に当たると推測される)を説いてこられました。当時から浅学非才の私にはそれらの重要性が十分に理解できていなかったと思いますが、今となっては上野先生が予言者のようにも感じています。このような背景から、研究会のテーマは、「原点回帰 〜Diagnostic stewardship の重要性を考える〜」とさせていただきました。
 私事になりますが、私自身は上野先生、上野先生の弟子であられる渡邉邦友先生、岡田淳先生にご指導を仰ぎながら、1990年から感染症研究の世界に入門しました。私が初めて英語論文を発表したのが臨床微生物迅速診断研究会誌 JARMAM であり、その論文は、Mikamo H, Sato Y, Hayasaki Y, Hua YX, Tamaya T. The effects of the extension of transit times on qualitative and quantitative bacterial culture after clinical sampling. Rinsho Biseibutsu Jinsoku Shinadan Kennkyukai Shi(JARMAM); 1999; 10(1): 21-25.でした。
 私自身、日本感染症学会、日本化学療法学会、日本臨床微生物学会、日本環境感染学会、日本外科感染症学会、日本医真菌学会、日本性感染症学会など数多くの感染症関連の学会を主催させていただきましたが、個人的に思い入れが強い ARMAM を故郷であり、私を育てていただいた岐阜の地で開催させていただく機会を与えていただいたことを大変光栄に存じております。なお、研究会の会期は、2025年6月27日(金曜日)午後 〜 28日(土曜日)終日、会場は、JR岐阜駅に隣接するじゅうろくプラザ(岐阜市文化産業交流センター)を予定しております。年齢的に私が主催させていただく最後の学会になると思います。昨今の経済状況から十分な準備とおもてなしはできないかと思いますが、皆様と岐阜の地でお会いできることを楽しみにしております。どうぞよろしくお願いいたします。
第36回臨床微生物迅速診断研究会総会
総会長 三鴨 廣繁
愛知医科大学医学部 臨床感染症学講座/
愛知医科大学大学院医学研究科 臨床感染症学  教授
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