第7回クリニカルバイオバンク学会シンポジウム

ご挨拶

「人々に役立つバイオバンクのあり方を一緒に考える」

第7回クリニカルバイオバンク学会シンポジウム 大会長
平沢 晃
(岡山大学学術研究院医歯薬学域 臨床遺伝子医療学 教授)
第7回クリニカルバイオバンク学会シンポジウムを、令和4(2022)年7月8日(金)から10日(日)に岡山で開催いたします。
私は留学先でバイオバンク法の制定から執行の過程を間近に見る機会に恵まれ、帰国後にはバイオバンクの普及を通して日本の国益と国民の健康・福祉に役立ちたいと考えておりました。しかしながら帰国した2015年の日本で「バイオバンク」はあまり注目されておりませんでした。そんな中、webで「第1回クリニカルバイオバンク学会シンポジウム」をヒットした時は感激し、研究室の大学院生を連れて岡山へ向かいました。当講座の前任、豊岡伸一教授が大会長であった第1回シンポジウム参加時の高揚感を、つい先日のことのように思い出します。このたび本学会を私が開催し、皆様にお集まりいただくことになるとは、夢のようです。
第1回シンポジウムの抄録集を見返しますと、がんクリニカルシーケンスの臨床導入、バイオバンクの品質管理、ELSIなどが課題となっており、本学会がこれまでわが国のゲノム医療やバイオバンク普及に果たした役割は大きいと改めて考えております。
そして7年後の現在、全ゲノム解析は国策として診療に導入されることが決定しております。難病もがんもゲノム医療が実装されるにつれ、遺伝情報やヒト試料は人類全体の財産として益々期待されております。ゲノム情報を医療や生活の向上に十分に利活用するには、医療者、患者、企業だけでなく、社会全体で解決していかなければならない課題が多数あります。そこで本シンポジウムのテーマを「バイオリソースを橋渡しとして人々の健康・福祉に貢献する」としました。臨床現場ですぐに実用できるよう、10日(日)にはがんゲノム医療にかかる検査精度向上を目的とした「がんゲノム研究会 ハンズオンセミナー」も開催いたします。
歴史と美しく豊かな自然に囲まれた岡山で、バイオバンクがつくる未来の姿を一緒に考えて参りましょう。