第3回せとうち臨床遺伝研究会

ご挨拶

 この度、第3回せとうち臨床遺伝研究会を「地域の遺伝医療をつなぐ」をテーマに、川崎医療福祉大学を会場として開催させていただくことになりました。川崎学園で遺伝医療、遺伝学研究、臨床遺伝専門医と遺伝カウンセラー養成に携わるスタッフで当番世話人を務めさせていただきます。
【講演 3演題】
  1. 症状を複数持っていても診断名がつかない患者さんがいらっしゃいます。小児に限らず成人も対象にIRUD研究が展開され、成果を上げています(未診断疾患イニシアチブ(Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases(IRUD)):希少未診断疾患に対する診断プログラムの開発に関する研究)。川崎医科大学附属病院はIRUD拠点病院として、患者さんご家族の研究参加への紹介窓口となっています。要先生には、IRUDの成果と現状についてお話いただきます。
  2. 脳神経内科領域の遺伝性疾患における研究・診療が急速に進展しています。発症前診断においては、中四国地域での受け入れ施設は限られているようです。石浦先生には、クライエントからの問い合わせや診療に対する最新のお話をいただきます。
  3. 今回、「せとうち」として中四国地方および兵庫県と大阪府を想定して企画しました。県内だけではすべての遺伝性疾患に対応できなくても、「せとうち」でみれば、様々な領域を専門とする遺伝医療が実施されています。遺伝カウンセリングでは、クライエントのために複数の医療機関の連携も行われます。社会資源へつなぐことも求められます。佐藤先生には、地域における遺伝カウンセリングに求められることを、医師とともに遺伝カウンセリングを行っている認定遺伝カウンセラーⓇの立場から、つなぐ遺伝医療のためのご経験も含めてお願いしています。

【ポスターセッション せとうち地域の遺伝診療部門の紹介】
 地域の遺伝医療をつなぐには、遺伝診療部門がどこにあるのか・何を得意とするのかを知っていることが必要です。せとうち地域の遺伝診療部門の紹介の場を設けました。遺伝医療の専門家だけでなく、地域医療の先生方や医療関係者にお知らせしたいと思いました。さらに、遺伝情報を用いた医療が進展していることを、学生のみなさんや医療福祉をはじめとする広く関係する方々にご紹介する機会になることを願っております。
 遺伝医療や研究に携わっている先生方、興味をもつ若手の先生方をはじめとする様々な方々にご参加いただき、有意義な討議の機会となれば幸いです。

2023年2月

第3回当番世話人
 升野 光雄(川崎医科大学附属病院 遺伝診療センター 副部長)《世話人代表》
 大友 孝信(川崎医科大学 分子遺伝医学 教授)
 山内 泰子(川崎医療福祉大学 医療福祉学部 教授)