第39回日本クラミジア研究会学術集会

大会長挨拶

第39回日本クラミジア研究会学術集会
大会長:宮下 修行
(関西医科大学 内科学第一講座 呼吸器感染症・アレルギー科 教授)
こたび、第39回日本クラミジア研究会学術集会会長を拝命いたしました関西医科大学内科学第一講座 呼吸器感染症・アレルギー科の宮下修行です。日本クラミジア研究会は、1983年に第1回学術集会が開催され、歴史のある学術集会です。その研究会を主催させていただきますこと、大変光栄に存じます。

私は川崎医科大学微生物学教室 松本明教授のご指導の下、クラミジア研究に従事しました。松本先生は酒席とクラミジアが大好きで、酔ってはクラミジアについて楽しそうに語っていました。1961年のTangらによる分離とPLT群病原体(オウム病、鼠径リンパ肉芽腫、トラコーマの頭文字)の提唱、1966年のPageらによるクラミジアの命名、1973年の新分類(1科1属2種)の設定など、歴史の1場面を再現しておられました。Pageによる種の分類基準は封入体の形状、封入体内のグリコーゲンや脂質の蓄積の有無、サルファ剤による卵黄囊内増殖阻害の可否の3点であり、ひとつひとつを目の前で実証して頂いたことを覚えています。

2020年以降は、COVID-19が世界的なパンデミックとして、医療現場のみならず社会経済にも甚大な被害をもたらしました。COVID-19は呼吸器系の感染症であるため、その対応は呼吸器・感染症内科が中心的な役割を担っています。さらに感染制御部の仕事も拝命しているため、病院での新型コロナ対策委員会を任されています。このため、この2年間は患者や職員の安全確保を最優先に考え、全ての研究をストップし、コロナ対策に従事してまいりました。歴史あるクラミジア研究会を開催させて頂くにも関わらず、クラミジアの最新知見を報告できず心苦しく思っております。かわりにクラミジア研究会の歴史について話しをさせて頂ければと考えております。

会員の皆様には、コロナ禍で意義のある研究会にできればと企画しておりますので、ご協力の程どうぞよろしくお願い申し上げます。皆様と大阪でお会いできることを楽しみにしております。