第44回日本エンドメトリオーシス学会学術講演会

会長挨拶

第44回日本エンドメトリオーシス学会学術講演会
会 長:前田 長正(高知大学医学部 産科婦人科学講座)
 この度、第44回日本エンドメトリオーシス学会学術講演会を担当させていただきます。新型コロナウイルス感染症拡大や、オミクロン変異株による大規模な6波の襲来で、第42、43回の本学会はWebやハイブリッドとなり、大変ご苦労なさったことと存じます。本会も何卒よろしくお願い致します。
 さて、高知では前任の深谷孝夫会長が第29回エンドメトリオーシス研究会を開催いたしました。最後の研究会でしたが、それ以来15年振りの高知開催となります。15年の間に学会員は約2倍となり、演題数も一気に増加いたしました。子宮内膜症の臨床も多岐にわたり、まさに症候群のような病態が見えてきました。また、たゆまぬ基礎研究により、mysterious disease、enigmatic diseaseといわれた子宮内膜症の病態も徐々に詳らかとなり、15年前と比較し隔世の感があります。
 日々の臨床においても子宮内膜症の症例は増加しており、10人に1人といわれた時期よりももっと増えた感があります。この学会を通して、子宮内膜症への新しい臨床的アプローチ、基礎研究のアプローチが加速しているように感じます。
 本学術講演会では、この症候群とも言うべき子宮内膜症の臨床とPathogenesisに注目した基礎を中心に構成しました。コンパクトではありますが内容の濃い学会になれば幸いでございます。
 今回のポスターには、最近有名になりつつある仁淀川の仁淀ブルーを取り上げましたが、子宮内膜という源流から、中流、下流を流れ、腹腔内という大海原へ逆流する逆流経血に想いを馳せながらイメージしました。どうぞその意図を感じつつ、熱いディスカッションいただければと存じます。
 まだまだ新型コロナウイルスの動向を見ながらの開催になると思いますが、ご理解の程どうぞよろしくお願いいたします。2日間活発なご議論をお願いしたいと存じます。