プログラム・日程表
2025年1月20日現在
理事長講演
第1会場(広島国際会議場 B2 ヒマワリ)
2025年2月23日(日)09:20-09:50
2025年2月23日(日)09:20-09:50
司会:伊藤 公訓(広島大学病院総合内科・総合診療科)
講演:田妻 進(日本病院総合診療医学会理事長/JR広島病院・理事長/病院長)
大会長講演
第1会場(広島国際会議場 B2 ヒマワリ)
2025年2月22日(土)08:30-09:00
2025年2月22日(土)08:30-09:00
「消化器内科医がみた総合診療 若い総合診療医に伝えたい3つのこと」
司会:田妻 進(日本病院総合診療医学会理事長/JR広島病院・理事長/病院長)
演者:伊藤 公訓(広島大学病院総合内科・総合診療科)第30回大会記念シンポジウム
第1会場(広島国際会議場 B2 ヒマワリ)
2025年2月22日(土)14:40-16:40
2025年2月22日(土)14:40-16:40
「日本における病院総合診療の現状と今後の展望(仮題)」
総合司会:田妻 進(日本病院総合診療医学会理事長/JR広島病院・理事長/病院長)
司会:生坂 政臣(医療法人生坂医院副院長)
内藤 俊夫(順天堂大学医学部附属順天堂医院総合診療科)
ディスカッサント:Flora Kisuule(Johns Hopkins School of Medicine Faculty)
「日本病院総合診療医学会からの提言(仮題)」
基調講演:田妻 進(日本病院総合診療医学会理事長/JR広島病院・理事長/病院長)
「病院における総合診療医への期待(仮題)」
招待講演:迫井 正深(厚生労働省医務技監)
「病院総合診療医(ホスピタリスト)の現状と今後への期待(仮題)」
招待講演:加藤 良太朗(医療法人社団明芳会板橋中央総合病院病院長)
「病院総合診療医としての挑戦」
宿題報告:中川 麗(JR札幌病院プライマル科)
「米国におけるホスピタリスト増加の背景と教育的要素」
宿題報告:野木 真将(亀田総合病院総合内科部長)
「佐賀大学における病院総合診療医の育成(指導医の立場から)」
宿題報告:香月 尚子(佐賀大学医学部附属病院総合診療部)
「病院総合診療専門医の専攻医の立場から」
宿題報告:青木 のぞみ(順天堂大学総合診療科学講座)
JSHGM-SHM合同セッション
第1会場(広島国際会議場 B2 ヒマワリ)
2025年2月23日(日)10:00-11:30
2025年2月23日(日)10:00-11:30
司会:内藤 俊夫(日本病院総合診療医学会副理事長)
Flora Kisuule(Johns Hopkins School of Medicine Faculty)
田妻 進(日本病院総合診療医学会理事長)
「Hospital Medicine in the United States: Improving Value in Healthcare」
演者:Flora Kisuule(Johns Hopkins School of Medicine Faculty)
「Leadership in Hospital Medicine—the person’s role in driving value」
演者:Kris Rehm(Vanderbilt University Medical Center, Professorof Pediatrics)
JSHGM-JPCA合同企画 両学会参加可能
第1会場(広島国際会議場 B2 ヒマワリ)
2025年2月23日(日)14:40-15:40
2025年2月23日(日)14:40-15:40
「これからの総合診療を担う我々世代が考える夢・キャリア」
主催:水杉 真理子(第20回若手医師のための家庭医療学冬期セミナー代表)
宮上 泰樹(病院総合診療医学会若手部会代表)
小野 雅敬(日本プライマリケア連合学会病院総合医チーム代表)
詳 細
<目的>
未来の総合診療を担う若手医師を中心に今後の総合診療の発展を考え、交流し、両学会の協働の促進に繋げること。
<内容>
本企画では、「これからの総合診療を担う我々世代が考える夢・キャリア」をテーマとし、共に語り合う場を提供いたします。
事前に募集したご意見の中から当方で発表者を選ばせていただき、プレゼンテーションを行っていただきます。
このご意見に対し、メンター役として会場の皆様から応援等のお言葉をいただき、議論します。両学会で夢を語り、育てる企画です。
また、参加した皆さまには、発表者の中から「最も応援したいと思ったで賞」を選んでご投票いただき、最優秀賞を発表いたします。
発表者プレゼンテーションでは、各個人が描く夢や理想、悩み、疑問点など、多様なご意見を発表いただきます。
発表時間は4分、発表形式は特に問わないこととしています。
若手医師と指導医を繋ぎ、互いに夢やキャリアの実現に向けて前進できるような意見交換の場となるようにいたします。
JSHGM-JPCA合同学生企画セッション 両学会参加可能
第1会場(広島国際会議場 B2 ヒマワリ)
2025年2月24日(月祝)10:10-11:50
2025年2月24日(月祝)10:10-11:50
「医学生・若手医師が抱く総合診療領域への志向と将来像-所属や地域を超えた相互連携とサポート体制の拡充のために-」
企画・運営:漆葉 美佳(産業医科大学医学部医学科5年)
齋藤 光莉(岡山大学医学部医学科3年)
一原 愛心(鹿児島大学医学部医学科3年)
浦野 あおい(長崎大学医学部医学科5年)
孫 正康(東北大学医学部医学科5年)
髙橋 志歩(東京女子医科大学医学部医学科5年)
津村 佳生(順天堂大学医学部医学科5年)
中田 優紀(大阪医科薬科大学医学部4年)
中村 魁(聖マリアンナ医科大学医学部5年)
沼口 護(福島県立医科大学医学部医学科4年)
古幡 保之(名古屋市立大学医学部医学科4年)
町田 宗丈(琉球大学医学部医学科4年)
村重 百合子(山口大学医学部医学科3年)
山田 愛実(国際医療福祉大学医学部医学科5年)
山本 司(筑波大学医学群医学類5年)
企画責任:大塚 勇輝(岡山大学病院総合内科・総合診療科)
勝倉 真一(獨協医科大学総合診療科)
安本 有佑(板橋中央総合病院救急総合診療科)
伏江 真彩(富山県立中央病院初期臨床研修医)
貝田 航(神戸市立医療センター中央市民病院総合内科)
志水 太郎(獨協医科大学総合診療科)
詳 細
本企画は日本病院総合診療医学会学術総会で恒例となりました学生企画のセッションです。医学生の視点から、主に病院総合診療に関連する様々なトピックについて問題提起を行い、ご来場下さる皆様と共にアイディアを練り上げ、学生を中心とした未来への提言を通じてその実践を目指します。今回の学術総会では、全体テーマである「共に進もう、総診はひとつ」を踏まえ、所属や地域を超えた相互連携に向けてできることを医学生の視点から模索し提案したいという思いから「医学生が総合診療領域に抱く志向・将来像の多様性」や、「関係学会に対して持つ認識の違い」に着目しました。特定の学術団体を母体としない総合診療領域に学生が抱くイメージや、総合診療を志望する学生自身の志向性・将来像は多様性があり、他の専門領域よりも可視化しにくいとも考えられます。そこで本企画では、①まず事前に行ったアンケート調査で明らかとなった学生が学会や総合診療に抱くイメージや志向を提示します。②次に、本学会、及び、日本プライマリ・ケア連合学会、日本地域医療学会に所属し、それぞれ異なったキャリア像を有する全国の学生・研修医や専攻医の先生方から、それぞれの視点や関心のある活動・テーマについてご発表いただきます。③それらを踏まえ登壇者や皆さまとのパネルディスカッションを通して理解を深めたいと考えています。本セッションを通じて、総合診療領域に興味がある学生にとってどの様な所属や地域の枠組みを超えたサポートが求められているか提言を目指したいと考えています。また医学生をはじめとする若手医療従事者にとって、総合診療領域への理解を深めるだけでなく、将来的なキャリア選択や学術的なネットワーク形成の一助となることを目指します。第30回の節目として両学会のご高配のもと、本企画も両学会合同企画とさせていただいています。ぜひ多くの皆さまにご来臨賜り、総合診療領域のさらなる発展にご尽力を賜りますと幸甚です。
ジョイントプログラム1 オンデマンド配信 指定講演
第2会場(広島国際会議場 B2 ダリア1)
2025年2月22日(土)14:40‐16:10
共催:日本東洋医学会
2025年2月22日(土)14:40‐16:10
共催:日本東洋医学会
「総合診療医が知っておきたい便秘」
企画者:河原 章浩(広島大学病院漢方診療センター)
詳 細
厚生労働省がによる国民生活基礎調査では加齢とともに便秘の有訴者数は増加傾向にあることが報告されており、先進諸国の中でもとりわけ高齢化が進んでいる本邦では重要な課題である。また便秘については、テレビやインターネットでも取り上げられ、原因や解消法、さらに腸内細菌、サプリメントなど様々な情報が溢れており、国民の関心が高い分野でもある。便秘が続くと、消化器系だけでなく全身に悪影響を与え、頭痛、疲労、食欲不振など、ADLの低下を招くことが知られている。原因は多岐にわたり、原因に応じた対応が適切な治療が求められる。診断に関してもさまざまな学会が提唱しているが、共通する点もあるが統一したものがないことが知られている。
病院総合医は便秘症の原因、食事、生活習慣の見直し、投薬の使い分けを学ぶ必要がある。各分野の専門家を交え、西洋医学、漢方医学それぞれの利点を活かし、より良い医療を提供できるよう皆で熱く語り合えることを期待したい。
病院総合医は便秘症の原因、食事、生活習慣の見直し、投薬の使い分けを学ぶ必要がある。各分野の専門家を交え、西洋医学、漢方医学それぞれの利点を活かし、より良い医療を提供できるよう皆で熱く語り合えることを期待したい。
ジョイントプログラム2 オンデマンド配信 指定講演
第2会場(広島国際会議場 B2 ダリア1)
2025年2月23日(日)15:45-17:15
共催:日本臨床疫学会
2025年2月23日(日)15:45-17:15
共催:日本臨床疫学会
「間違いから学ぶ臨床研究の本質:リサーチ・クエスチョンと研究デザインを極める」
企画者:福原 俊一(京都大学名誉教授 /日本臨床疫学会代表理事)
詳 細
臨床研究を行う上で最も重要なことは何でしょうか?多くの人は統計解析、英語論文の作成能力などと答えるかもしれません。しかし、我々の見解は異なります。私が強く信じているのは、「臨床研究の本質はリサーチ・クエスチョンにある」ということです。つまり、自分がその研究を通して何を明らかにしたいのか、これこそが最も重要な要素だと私は考えています。本講演では、優れたリサーチ・クエスチョンに求められる要素を具体的なパターンに分けてお伝えします。
リサーチ・クエスチョンの次に大切なのが、そのリサーチ・クエスチョンに科学的に答える研究デザインです。さらに、研究デザインの基本として、要因やアウトカムの測定における要点、多変量解析に投入する因子の選定方法、そしてサンプルサイズ設計について解説します。また、演者の過去の具体的な研究例を基に、研究デザインにおいて陥りやすい間違いや注意すべきポイントについても概説します。
本講演を通して、リサーチ・クエスチョンや研究デザインが臨床研究の本質であることが伝わり、皆様ご自身のリサーチ・クエスチョンを考案し、それにこたえる研究を科学的にデザインできるようになることを期待します。
ジョイントプログラム3(ワークショップ1)
第2会場(広島国際会議場 B2 ダリア1)
2025年2月22日(土)10:20-11:50
共催:日本漢方医学教育振興財団
2025年2月22日(土)10:20-11:50
共催:日本漢方医学教育振興財団
「腹診」
企画者:河原 章浩(広島大学病院漢方診療センター)
詳 細
ホスピタリストを対象とした、漢方の簡単な基礎理論、ならびに腹診の指導を通し、実臨床で漢方を使用し、患者の利益につながる機会を増やすことを目的とする。広島県・富山県の家庭医・ホスピタリスト計13名(卒後3-18年)に漢方に対するニーズを聴取したところ、「症状処方をしているだけで、処方選択の決め手がない」、「処方につながる所見が知りたい」、「漢方医学の診察の方法を学習する機会がない」などの意見が得られた。
上記背景を踏まえ、病棟業務で遭遇する頻度の高い下痢・便秘に使用する漢方を題材とし、漢方医学での身体診察において比較的習得が容易である、腹部所見のとり方の実技体験してもらい、腹診を参考に基本的な方剤選択が可能となることを目指す。
上記背景を踏まえ、病棟業務で遭遇する頻度の高い下痢・便秘に使用する漢方を題材とし、漢方医学での身体診察において比較的習得が容易である、腹部所見のとり方の実技体験してもらい、腹診を参考に基本的な方剤選択が可能となることを目指す。
JPCA冬期セミナー主催 全体講演 オンデマンド配信 両学会参加可能
第1会場(広島国際会議場 B2 ヒマワリ)
2025年2月23日(日)15:50-18:20
2025年2月23日(日)15:50-18:20
「不確実性の中でどう生きていくか?」
司会:毛利 公亮(藤田医科大学総合診療プログラム)
詳 細
全体講演は冬セミの中核を担う企画です。例年、医療業界に関わらず様々な分野の先生方をお招きし、ご講演とシンポジウム形式のディスカッションの機会を頂いております。その狙いとして、①これからの医療・社会を照らしていくような「問い」について、参加者それぞれが学び、講演が終わった後も考え続ける機会とすること、②医師と多職種、業界内外を互いに結びつけて新しい価値を生む場にすること、の2つを掲げています。
今年度のテーマは、『不確実性の中でどう生きていくか?』です。昨年度の全体講演では、私たち医療者自身のウェルビーイングについて考える機会となリました。今年度は病院総合診療医学会との初めての合同開催にあたり総合診療について考えた時、他の臓器別専門科と比較すると不確実性に相対する場面が多いと思います。診断の場面、治療方針を決定する場面、患者関係を構築する場面などで不確実性を感じ、診断困難症例や超高齢症例ではさらにその不確実性は増します。不確実性の高い症例では単純な症例と比較してストレスが生じ、燃え尽き症候群に繋がるリスクも生じます。そんな不確実性について総合診療を学ぶものとして全員で考え、今後の向き合い方について考える場にできればと考えております。
登壇者には、天野雅之先生(南奈良総合医療センター 総合診療科医長)、嵯峨山 よしこ先生(臨床心理学博士・臨床心理士)、田渕 直也先生(ミリタス・フィナンシャル・コンサルティング代表取締役、シグマインベストメントスクール学長)、藤沼康樹先生(医療福祉生協連家庭医療学開発センター)をお招きします。前半では登壇者の各先生方からご講演を賜り、後半では私たち専攻医と参加者の皆様を交えてシンポジウム形式のディスカッションを予定しています。皆さまのご参加を心よりお待ちしております。この全体講演では、医師以外の医療関係者、医療業界外の皆さまのご参加も大変歓迎致します。
若手部会企画1 オンデマンド配信 指定講演
第2会場(広島国際会議場 B2 ダリア1)
2025年2月22日(土)09:10-10:10
2025年2月22日(土)09:10-10:10
「深読み病院総合診療医が読みたい最新論文」
企画者:官澤 洋平(明石医療センター総合内科)
詳 細
病院総合診療医がカバーする領域は広く日々アップデートされるエビデンスをキャッチアップしていくことが大切です。しかし、一人で全てを読み込む時間をとることはなかなかできないのが現状だと思います。本セッションでは病院総合診療医が読みたい最新論文について3本の論文をとりあげ、3つのテーマについて深めたいと思います。論文を日常診療でどのように活かしていくか、どのように楽しんで読みこんでいくか解説したいと思います。
今回取り上げる論文は次の3つになります。ぜひ一緒にアップデートしましょう。
①Antibiotic Treatment for 7 versus 14 Days in Patients with Bloodstream Infections. (DOI: 10.1056/NEJMoa2404991)
②Tirzepatide for Heart Failure with Preserved Ejection Fraction and Obesity. (DOI: 10.1056/NEJMoa2410027)
③Finerenone in Heart Failure with Mildly Reduced or Preserved Ejection Fraction. (DOI: 10.1056/NEJMoa2407107)
若手部会企画2
第3会場(広島国際会議場 B2 ダリア2)
2025年2月22日(土)16:20-17:50
2025年2月22日(土)16:20-17:50
「病院総合診療医の働き方~現在地と理想をウェルビーイングとバーンアウトの側面から”さらに”深める~」
企画者:原田 愛子(飯南町立飯南病院総合診療科)
詳 細
若手部会女性医師部門では第28回学術総会で「病院総合医の働き方~現在地と理想を考える~」というセッションを行いました。医学生や臨床研修医を含む幅広い世代の方にご参加頂き、セッションで得られた理想の働き方のキーワードは、「罪悪感なく働ける」、「人員が十分である」、「有給休暇が全て取得できる」、「様々な雇用形態が認められている」でした。現在地は、理想の働き方として挙がったキーワードが達成されていない状況があると考えられました。今回のセッションでは、なぜこれらのキーワードが理想の働き方として挙がったのか、我々病院総合診療医はどう働きたいのか、ディスカッションを通して、働き方に対する根底の思いを皆さんで考えていきます。さらに理想の働き方を達成するための具体的な方法も考えていきます。また、現在地は、多少なりともストレスのかかる働き方であることが想定されます。近年、医療の質向上や患者安全の点から、長時間労働やバーンアウトが問題視され、医師のウェルビーイングが注目されるようになりました。バーンアウトとは、過度なストレスによる情緒的な消耗が原因となって起こる労働意欲の喪失と定義されます。医師のバーンアウトは診療エラーや医師個人の健康など様々な悪影響を与えます。その有病率は約30%であると報告され、中でも、総合診療医、女性医師、若手医師はバーンアウトの有病率が高いことが知られています。ウェルビーイングは、個人の権利や自己実現が保証され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念とされています。バーンアウトとウェルビーイングは対極の関係性にあり、ウェルビーイングが向上することで、個人の生産性の向上だけでなくバーンアウトのリスクが低減します。病院総合診療医として働く上で、ウェルビーイングが向上し、バーンアウトを防ぐための具体的な対策と障壁について議論していきます。本セッションを通して、病院総合診療医のレジリエンスを高め、少しでも理想の働き方に近づく機会にできればと思います。
若手部会企画3 オンデマンド配信 指定講演
第1会場(広島国際会議場 B2 ヒマワリ)
2025年2月23日(日)12:40-14:10
2025年2月23日(日)12:40-14:10
「若手部会企画: 症例検討から学ぶバイオサイコソーシャルアプローチ」
企画者:石塚 晃介(横浜市立大学医学部総合診療医学/横浜市立大学附属市民総合医療センター総合診療科)
詳 細
総合診療医には患者を全人的に診療する能力が必要です。つまり、器質疾患(バイオ)のみならず、心因・精神疾患(サイコ)や社会的問題(ソーシャル)をも適切に評価して治療に繋げる必要があります。身体症状を愁訴に受診する精神疾患患者は、内科外来の約30%を占め、医学的に説明困難な症状(medically unexplained symptoms: MUS)の有病率は30〜50%と言われています。患者の愁訴が聞きなれない、または複雑である場合は、安易にMUSとせず、サイコ・ソーシャルの関与を検討すべきです。一方、“バイオでは説明できないのでサイコ・ソーシャルの問題である”とする思考プロセスは、全てのバイオに精通していることが前提であるため誤診のリスクがあります。逆に言うと、サイコ・ソーシャルを適切に評価できる能力があれば、サイコ・ソーシャルで説明できない症状はバイオと言えるので、見聞きしたことのない稀な器質疾患でも、検査リソースの投入により、診断することができます。また、サイコ・ソーシャルが主因の患者に対する、器質疾患の見逃しを恐れた過剰な検査は、医療費の無駄使いのみならず、患者の症状を固定化させてしまうリスクがあります。以上から、バイオ・サイコ・ソーシャルを適切に評価する能力は、総合診療医にとって重要と言えます。本セッションは、複数名の専攻医/若手指導医にご登壇いただき、バイオ・サイコ・ソーシャルが複雑に絡んだ症例を、それぞれが関与する割合を考察しながら診断推論を行います。会場参加型の診断カンファレンス形式で、その道のプロフェッショナルである生坂先生にもディスカッサントとしてご登壇いただきますので、一緒に診断プロセスを楽しく学んでいただければと思います。
若手部会企画4 オンデマンド配信 指定講演
第2会場(広島国際会議場 B2 ダリア1)
2025年2月23日(日)17:20-18:20
共催:日本臨床疫学会
2025年2月23日(日)17:20-18:20
共催:日本臨床疫学会
「リサーチ・クエスチョンと研究デザインを極める」
企画者:大塚 勇輝(岡山大学病院総合内科・総合診療科)
詳 細
若手部会では、本邦の若手総合診療医の研究・論文執筆へのハードルを下げるべく様々な活動を行っており、前回第29回の学術総会より日本臨床疫学会と共同での研究デザインのセッションを企画しております。前回のセッションでは、研究の成否と研究の質を左右するのは、臨床医のリサーチ・クエスチョンと研究デザインであることを皆様と共有しました。
今回は、所定のテーマをもとに若手研究者が作成した研究計画の骨子を発表し、参加者が臨床研究のエキスパートとともに研究計画の改善点を議論することで、臨床研究デザインの要点を学んでいただきたく考えております。そこで、若手部会や学会員の皆様からリサーチ・クエスチョンを募集することにいたしました。こちらから事前に漠然としたテーマをシナリオの形で提示し、発案者にはそのシナリオにそって「研究の基本設計図」を作成していただきます。そしてこちらが提供するテンプレート(構造化された疑問, 研究の型、概念モデル、主要な因子の測定方法、等)に記載していただきます。当日は投稿いただいた中から2題を選び、ご発案者にご発表いただきます。発表後、フロアも交えて議論をし、最後に日本臨床疫学会の講師から解説します。
なお、このセッションの直前に、病院総合診療医学会と日本臨床疫学会のジョイント企画による講演会を開催します。このセッションでは、良いリサーチ・クエスチョンの作り方、測定の質や比較の質を高めるためのデザイン、必要なサンプルサイズの設計、等についてダイダクティックなレクチャーを予定しています。
臨床研究を始めようとしている若手医師に主眼を置いた内容を目指しますが、研究をしたことがなくとも、「研究を始めてみたい」、「研究がどんなものか知りたい」と思うマインドがあれば楽しく学ぶことができるものとなっておりますので、学生からベテランの先生まで奮ってご参加ください。一緒にacademic generalist を目指しましょう!
若手部会企画5 オンデマンド配信 指定講演
第2会場(広島国際会議場 B2 ダリア1)
2025年2月23日(日)14:45-15:15
2025年2月23日(日)14:45-15:15
「JAMEP×若手部会企画:現役研修医と指導医で語り合おう! 臨床研修医にとって適切な一般外来研修とは?!」
企画者:石塚 晃介(横浜市立大学医学部総合診療医学/横浜市立大学附属市民総合医療センター総合診療科)
詳 細
第28回大会では, 令和の働き方改革において, 臨床研修医(以下, 研修医)が最も成長しやすい「勤務時間」, 第29回大会では「至適な内科ローテーション期間」について現役研修医と指導医でパネルディスカッションを行いました. 会を追うごとに参加者が増加し, 前回(第29回大会)には、200名を超える参加者が研修医教育に際し, 活発に議論を交わすことができました. 第30回大会では引き続き, 研修医が最も成長しやすい「一般外来研修」についてパネルディスカッションを行います. 臨床研修における一般外来研修は2020年度より必須化され, ブロック研修または並行研修により, 4週以上の研修を行うこととされています. 一般外来研修では, 特定の症候や疾病に偏ることなく, 症候・病態について適切な臨床推論プロセスを経て解決に導くことに加えて, 頻度の高い慢性疾患の継続診療を行うためのスキルを学ぶため, 研修医にとって重要な研修期間であることは言うまでもありません. しかし, 研修医にとって適切な一般外来研修期間はどれくらいの期間か? 研修医が1日に診る外来初診/再診患者数はどのくらいが望ましいか? ブロック研修と並行研修のどちらが望ましいか? 一般外来研修で研修医とどのように振り返りを行うべきか? など研修医の臨床能力が向上しやすい最適な一般外来研修に関する疑問は尽きることがありません. これらの疑問に対して多くのエビデンスを発信している, NPO法人日本医療教育プログラム推進機構(JAMEP)のメンバーを招き, 最新のエビデンスを紹介いただきます. その結果を基に, 現役研修医や指導医の間でエビデンスの妥当性と, 研修医の適切な一般外来研修について議論していきます. 聴衆の皆様にも積極的に議論に参加して頂き, インタラクティブに研修医の効率的かつ最大の教育効果を発揮する一般外来研修について話し合えましたら幸いです. 是非皆様, 積極的にご参加ください.
若手部会企画6
第1会場(広島国際会議場 B2 ヒマワリ)
2025年2月24日(月祝)09:00-10:00
2025年2月24日(月祝)09:00-10:00
「救急医と病院総合診療医の協働を促進するコミュニケーション戦略」
企画者:宮上 泰樹(順天堂大学総合診療科学講座)
詳 細
本企画は若手部会の人気企画の1つであるFaculty Development(病院総合診療医の教育能力を向上させるための方略を偉大なる指導医から学ぶ)企画です。今回は我々病院総合診療医にとって、重要なスキルの1つであるケア移行(引継ぎをする/される)の場面でのコミュニケーション能力をテーマにしています。実際に米国の病院総合診療医では患者の受け渡し/ケア移行はコアコンピテンシーの1つとして挙げられており重要視されています。そして、実務の中で救急医とのコミュニケーションを行う場面は非常に多く、関係が良好である事に越したことはありません。現場レベルで、病院総合診療医と救急医との間で、コンフリクトが生じた経験が皆さんあるのではないでしょうか?例えば病院総合診療医からしたら「もう少し詰めてから病棟にあげて欲しい、病状説明はどちらがするべきか」、一方で救急医からしたら「早く救急外来に来て欲しい、退院したことも知らされないままフィードバックがない」などが問題として挙げられます。また、病院総合診療医も救急医も共に様々な科にコンサルトする必要がある点は共通しています。今回は、日本の救急領域をリードし、ジェネラルマインドを持ち合わせる旭中央病院救命救急センター医長の坂本壮先生をお招きして、①実際に他科とのコミュニケーションをする際に大切にしていること、②若手医師にどのように他科とのコミュニケーションの指導をしているか、についてご講演いただき後半では、我々病院総合診療医と救急医が良好な関係を築くためのコミュニケーションのTipsについて議論します。本セッションにご参加いただくことで、明日からの救急医?病院総合診療医の良好な関係を築きより良い日常診療の一助となることを期待します!
専門医・専攻医部会企画 オンデマンド配信 指定講演
第1会場(広島国際会議場 B2 ヒマワリ)
2025年2月22日(土)09:10-10:40
2025年2月22日(土)09:10-10:40
「病院総合診療専門研修と試験のTips (Vol. 2)」
企画者:多胡 雅毅(佐賀大学医学部附属病院 総合診療部)
詳 細
日本病院総合診療医学会が発足して以降、これまでに多数の学会認定医および指導医が誕生した。また2018年の総合診療専門医制度の開始を受け、本学会は2021年7月に日本プライマリ・ケア連合学会と共に総合診療専門医取得後のキャリアに関する2学会合同声明を発表し、病院総合診療専門医制度を整備した。去る2023年11月には、ついに第1回病院総合診療専門医試験を実施し、我が国初の病院総合診療専門医 (Fellow of Hospital General Medicine, FHGM)が誕生した。
本企画は日本病院総合診療医学会が新設した専門医・専攻医部会による企画である。前述のように第一期のFHGMが誕生したものの、その数はまだ少数にとどまっており、専門研修や専門医試験に関する情報が不足している。またFHGMの魅力についても十分な周知ができておらず、それらが専攻医の専門研修のモチベーションの低下と研修ドロップアウトにつながる可能性がある。このようなリスクを軽減するためにも、実際に専門医資格を取得した医師の経験は非常に貴重である。本企画では専門医および専攻医の間で合格の経験と制度に関する情報を共有し、次世代のFHGMを目指す若手医師をサポートすることを目的とする。企画内ではFHGMが実際に登壇し、研修・試験に関する情報を提供し、また専攻医からの質問にも回答する。さらに専門医制度の運営委員を担当する医師も登壇し、適宜制度についての補足を行う予定である。本企画がFHGM取得を目指す若手医師の一助となれば幸いである。
本企画は日本病院総合診療医学会が新設した専門医・専攻医部会による企画である。前述のように第一期のFHGMが誕生したものの、その数はまだ少数にとどまっており、専門研修や専門医試験に関する情報が不足している。またFHGMの魅力についても十分な周知ができておらず、それらが専攻医の専門研修のモチベーションの低下と研修ドロップアウトにつながる可能性がある。このようなリスクを軽減するためにも、実際に専門医資格を取得した医師の経験は非常に貴重である。本企画では専門医および専攻医の間で合格の経験と制度に関する情報を共有し、次世代のFHGMを目指す若手医師をサポートすることを目的とする。企画内ではFHGMが実際に登壇し、研修・試験に関する情報を提供し、また専攻医からの質問にも回答する。さらに専門医制度の運営委員を担当する医師も登壇し、適宜制度についての補足を行う予定である。本企画がFHGM取得を目指す若手医師の一助となれば幸いである。
質の高い病棟診療ワーキンググループ
第1会場(広島国際会議場 B2 ヒマワリ)
2025年2月22日(土)10:50-11:50
2025年2月22日(土)10:50-11:50
「病院総合診療医が悩む問題のPros and Cons – 内科病棟におけるDVT予防」
企画者:長崎 一哉(筑波大学水戸地域医療教育センター/水戸協同病院総合診療科)
詳 細
本セッションは「質の高い病棟診療ワーキンググループ」がお送りいたします。今回は病院総合診療医にとって悩ましい問題である、内科病棟における深部静脈血栓症(DVT)の予防をテーマとします。
DVT予防において、アジア人では血栓症が少なく、出血合併症が多いというEast Asian Paradoxという現象が知られており、国外で実施された研究やそのエビデンスから導き出される診療方針が必ずしも国内の患者に適応できないと考えられています。よって、DVT予防における国内の医師の診療は施設差や医師ごとの差が大きいことが予想されます。
・内科病棟におけるDVTおよび肺塞栓症の頻度は?
・DVTにおけるリスクスコアおよびそのカットオフはアジア人において妥当か?
・抗凝固薬による予防ではその種類や量はどのようにすれば良いか?
本セッションはワークショップ形式で開催します。まず、入院患者のDVT予防について症例ベースに考えていき、お互いの考え方や悩みを共有していきます。そして、当メンバーよりDVT予防に関連した既存のエビデンスや考え方を共有します。最後に、国内においてDVT予防に関する医療の質を向上させるために必要な研究について検討していきます。
入院患者の「DVT予防」に悩む、多くの皆さまのご参加をお待ちしています。このセッションを通じて、皆さまの診療の質の向上に役立ち、新たな研究が生まれることになれば大変嬉しく思います。専攻医、研修医、医学生の参加も大歓迎です。
良質な診断ワーキンググループ
第3会場(広島国際会議場 B2 ダリア2)
2025年2月22日(土)13:00-14:30
2025年2月22日(土)13:00-14:30
「診断を向上させる多職種間協働を学ぶ」
企画者:原田 侑典(獨協医科大学病院総合診療科)
詳 細
2024年世界患者安全の日のテーマに「診断の向上」が取り上げられたように、診断の安全性に対する社会からの関心が高まっています。これまでの調査で、プライマリ・ケアや救急の領域で診断エラーの発生頻度が高いことや、一般内科病棟では頻度の高い疾患で診断エラーが多く認められることが分かっています。よって、これらの現場で活躍する総合診療医にとって、診断の向上は身近な問題であり、最新の知識を取り入れることが必要です。
診断に関する近年の大きな変化としては、診断は医師個人ではなくチームで行うべきものであるという認識が強調されていることが挙げられます。この診断のチームの中には患者・家族および医師以外の職種も含まれており、各自が自身の専門性を十分に発揮し、互いに情報を共有しながら推論を進め、患者・家族の意向に沿いながら適切な診断プロセスを歩んでいくことが求められています。
しかしながら、日常診療を振り返った際に、チームで診断を進めるということについて難しさを感じている方も多いと思われます。それは、患者・家族や医師以外の職種がどのように診断に関わるのかを想像することができないことや、チームで診断を進めたいと思っても連携が上手くいかないことが主な理由を占めると考えられ、ワークショップなどの学習方法によってイメージを具体化させることが課題解決に有効と考えられます。
本ワークショップでは、①多職種がどのように診断に関わることができるのかについての知見、②多職種間協働が診断に良い影響を与える具体的な事例、③診断における多職種間協働を阻む要因と対処方法について、医師以外の職種(看護師、薬剤師、診療放射線技師、理学療法士、社会福祉士、事務)の方とディスカッションを行う中で学んで頂き、参加者が抱える上記の課題を解消することを目指します。ディスカッションでは、参加者が他職種との協働の中で得られた良い/悪い経験や想いも共有頂くことで、ファシリテーターから各職種特有の観点からフィードバックも行う機会も設けます。
診断に関する近年の大きな変化としては、診断は医師個人ではなくチームで行うべきものであるという認識が強調されていることが挙げられます。この診断のチームの中には患者・家族および医師以外の職種も含まれており、各自が自身の専門性を十分に発揮し、互いに情報を共有しながら推論を進め、患者・家族の意向に沿いながら適切な診断プロセスを歩んでいくことが求められています。
しかしながら、日常診療を振り返った際に、チームで診断を進めるということについて難しさを感じている方も多いと思われます。それは、患者・家族や医師以外の職種がどのように診断に関わるのかを想像することができないことや、チームで診断を進めたいと思っても連携が上手くいかないことが主な理由を占めると考えられ、ワークショップなどの学習方法によってイメージを具体化させることが課題解決に有効と考えられます。
本ワークショップでは、①多職種がどのように診断に関わることができるのかについての知見、②多職種間協働が診断に良い影響を与える具体的な事例、③診断における多職種間協働を阻む要因と対処方法について、医師以外の職種(看護師、薬剤師、診療放射線技師、理学療法士、社会福祉士、事務)の方とディスカッションを行う中で学んで頂き、参加者が抱える上記の課題を解消することを目指します。ディスカッションでは、参加者が他職種との協働の中で得られた良い/悪い経験や想いも共有頂くことで、ファシリテーターから各職種特有の観点からフィードバックも行う機会も設けます。
JUGLER オンデマンド配信 指定講演
第2会場(広島国際会議場 B2 ダリア1)
2025年2月22日(土)16:20-17:50
共催:JUGLER
2025年2月22日(土)16:20-17:50
共催:JUGLER
「症例検討から学ぶ診断推論戦略 by JUGLER (Vol.11)」
企画者:多胡 雅毅(佐賀大学医学部附属病院 総合診療部)
詳 細
日本病院総合診療医学会学術総会でお馴染みの「症例検討から学ぶ診断推論戦略」、Vol.11として登場します。
現代の病院総合診療医には、あらゆる症候・疾患に対する最新の医学知識に基づいた思考力と行動力が求められます。さらには、診断困難な症例では戦略的思考を駆使して最適解を追求し、弾力性の高い医療を提供できる必要があります。
病院総合診療医が身につけるべき診断推論戦略には、Dual process theory(DPT:二重プロセス理論)、Semantic Qualifier(SQ:セマンティッククオリファイアー)、ラテラル・アプローチ、Pivot and Cluster Strategy(PCS:ピボットアンドクラスター)、解剖学的アプローチ、病態生理学的アプローチなど、様々なアプローチがあります。これらの診断推論戦略を、日々の臨床現場で実践できるスキルへと昇華するための場として、症例検討会は絶好の機会となります。
本セッションでは、大学での診療・教育実践をベースとした診断推論戦略の経験に長けたJUGLER(Japan University General Medicine Leadership and Education Roundtable)が担当します。セッションでは若手病院総合診療医によるケースプレゼンテーションと、JUGLERメンバーがそのケースに対峙した時にどのように診断推論戦略を駆使して診断に迫るのかをリアルタイムディスカッション形式で進行します。プレゼンテーションでは、主訴、病歴、身体診察と、実際の診療に即した形式での情報収集とそれに基づく臨床推論を展開します。また、参加者からの視点での思考プロセスも適宜募集し、双方向な学びの場を目指します。
エキスパート達のリアルタイムでの診断推論のプロセスにおける着眼点と戦略を、そのスピード感とともに共有し、インタラクティブな学びの場になれば幸いです。若手医師から熟練医まで奮ってご参加ください。
現代の病院総合診療医には、あらゆる症候・疾患に対する最新の医学知識に基づいた思考力と行動力が求められます。さらには、診断困難な症例では戦略的思考を駆使して最適解を追求し、弾力性の高い医療を提供できる必要があります。
病院総合診療医が身につけるべき診断推論戦略には、Dual process theory(DPT:二重プロセス理論)、Semantic Qualifier(SQ:セマンティッククオリファイアー)、ラテラル・アプローチ、Pivot and Cluster Strategy(PCS:ピボットアンドクラスター)、解剖学的アプローチ、病態生理学的アプローチなど、様々なアプローチがあります。これらの診断推論戦略を、日々の臨床現場で実践できるスキルへと昇華するための場として、症例検討会は絶好の機会となります。
本セッションでは、大学での診療・教育実践をベースとした診断推論戦略の経験に長けたJUGLER(Japan University General Medicine Leadership and Education Roundtable)が担当します。セッションでは若手病院総合診療医によるケースプレゼンテーションと、JUGLERメンバーがそのケースに対峙した時にどのように診断推論戦略を駆使して診断に迫るのかをリアルタイムディスカッション形式で進行します。プレゼンテーションでは、主訴、病歴、身体診察と、実際の診療に即した形式での情報収集とそれに基づく臨床推論を展開します。また、参加者からの視点での思考プロセスも適宜募集し、双方向な学びの場を目指します。
エキスパート達のリアルタイムでの診断推論のプロセスにおける着眼点と戦略を、そのスピード感とともに共有し、インタラクティブな学びの場になれば幸いです。若手医師から熟練医まで奮ってご参加ください。
パネルディスカッション1 オンデマンド配信 指定講演
第3会場(広島国際会議場 B2 ダリア2)
2025年2月22日(土)09:10-10:40
2025年2月22日(土)09:10-10:40
「病院総合診療における研究活性化を目指して 〜若手医師が取り組む研究実践〜」
企画者:濵田 航一郎(長崎大学病院 総合診療科)
詳 細
病院総合診療の現場における研究活動は、医療の質の向上やエビデンスに基づく医療の実践に不可欠である。第29回日本病院総合診療医学会学術総会で開催したシンポジウムでは、指導的立場の大学教員から自大学で取り組んでいる研究の実践事例について報告してもらい、研究の重要性や必要性についての議論が深まった。しかしながら、忙しい診療業務の中で研究活動に時間やリソースを割くことが難しく、特に若手医師が研究活動に取り組むことは容易ではない。2022年度に文部科学省が発表した「大学病院における医師の働き方に関する報告書」によると、助教の15%は全く研究を行っておらず、約50%は週当たりの研究時間が5時間以下に留まっているなど、多くの若手医師が診療と研究の両立に苦慮している現状が示された。
そのような背景のなかで、実際に若手医師がどのようなフィールドで、どのようなテーマで研究に取り組み、そしていかに診療と両立させる工夫をしているのかについて共有し、研究を推進する方策等について議論するシンポジウムを企画した。本シンポジウムでは、病院総合診療における研究活動の意義を再確認し、若手医師の研究活性化に向けた具体的な方策を議論することを目的とする。若手医師中心のシンポジストに、取り組んでいる臨床研究や疫学研究、基礎研究の実践事例を報告してもらい、研究を進める上での成功体験や困難、課題、さらにはその解決策についての知見を共有する。そして、本シンポジウムを通して、研究を行っている若手医師はもちろん、これから行おうとしている医師が今後の研究活動に役立てられるような議論を深めたい。さらに、若手医師の研究環境整備に向けた学会としての支援についても議論することで、病院総合診療領域におけるさらなる研究活性化につなげたい。
パネルディスカッション2
第3会場(広島国際会議場 B2 ダリア2)
2025年2月22日(土)13:00‐14:30
2025年2月22日(土)13:00‐14:30
「領域と施設を超えた“卒前教育”と“リクルート”を考える~瀬戸内エリアの実例から~」
企画者:大塚 勇輝(岡山大学病院総合内科・総合診療科)
詳 細
令和4年度に改訂された医学教育モデル・コア・カリキュラムでは総合診療に関する教育が追加され、卒前教育として座学及び実習で医学科生に総合診療を教育することが全国の医学部に求められている。一方で総合診療が包括する概念は本学会領域の病院総合診療・Hospitalistだけでなく、家庭医療、地域医療、老年医学・高齢者診療、救急・集中治療なども含みかなり幅広く、それぞれの大学・医学部における総合診療部門に対応する講座の設置状況や、診療実態も異なっている。教育内容についても標準化されたものが存在しないのが現状である。
卒後教育と比較した卒前教育の特徴は、当該領域に興味がない層も含めた学生全体に教育できる(教育せねばならない)点にあり、どういった進路をとる学生も習得しておくべき総合診療における基本的事項について、多様な診療セッティングも意識して、満遍なく教育を提供せねばならない。一方で、将来的な総合診療医の増加のためには、これまで興味をもっていなかった層にアプローチを試みる必要があり、卒前教育の場は大切にしたい勧誘チャンスであるとも言える。
大学病院、大学院講座、及び、7つの地域寄付講座を併せて約40名のスタッフを総合診療部門に有し、地域医療人材育成講座や医療教育センターとも連携して卒前教育を提供している岡山大学の総合内科・総合診療科の若手が中心となり企画する本シンポジウムでは、臓器別系統講義における総合診療医学講義や、病棟・外来での参加型臨床実習での具体的な取り組み・工夫内容について紹介する。座学・実習に協力を頂いている関連病院・診療所の非常勤講師の先生方にも登壇をいただき、市中病院や地域における学外臨床実習や、家庭医療学の教育についても紹介する。また学会・論文発表のサポートや総合診療系サークル活動の監督といった大学教員の課外活動支援状況についても紹介する。
本学術総会のテーマである「共に進もう」を意識し、学会・学術領域や施設・プログラムを超えた総合診療医学の卒前教育の在り方の検討から勧誘へのヒントも会場の皆さんを交え議論できればと思う。
パネルディスカッション3 オンデマンド配信 指定講演
第3会場(広島国際会議場 B2 ダリア2)
2025年2月22日(土)14:40‐16:10
2025年2月22日(土)14:40‐16:10
「MBAが病院総合診療医のキャリアを変える:意思決定力とリーダーシップの新境地」
企画者:友田 義崇(板橋中央総合病院総合内科)
詳 細
総合診療医としての日々の業務において、臨床のみならずチームや組織運営に対しても意思決定力やリーダーシップが問われる場面は数多く存在します。近年、MBA(経営学修士)を取得する総合診療医が増えてきている背景には、医療現場における複雑な問題解決や組織運営の課題に対する新たな視点が求められていることがあります。MBA取得によって得られる知識とスキルは、医師の臨床能力だけでなく、医療チームのリーダーシップ、組織運営、戦略的思考力にも大きな影響を与えます。
このセッションでは、MBAを取得した総合診療医がどのようにキャリアを進化させ、日々の診療や意思決定にどのような変化をもたらしたかを具体的な事例を交えて紹介します。
このセッションを通じて、総合診療医としてのキャリアの新たな可能性を切り開くためのヒントを提供します。MBA取得に興味がある医師の皆様にとって、この機会がキャリアの次のステップを考えるきっかけとなることを願っています。ぜひ、多様な視点とスキルを持った医師が集まり、未来の医療を共に創造する場にご参加ください。
パネルディスカッション4
第4会場(広島国際会議場 B2 コスモス1)
2025年2月22日(土)10:20-11:50
2025年2月22日(土)10:20-11:50
「病院総診が老年内科、救急、地域在宅と連携して進める在宅/ACP―老年科、総診、救急 の立場から在宅、病院におけるコラボ体制の理想形―」
企画者:赤津 裕康(国立長寿医療研究センター)
詳 細
第二次ベビーブーマーが後期高齢者となる2040年頃に高齢化率は40%が見込まれ、人口減少の勢いも止まらない。今後、これらの状況をカバーできる医療・介護体制の構築が求められている。
現在、名古屋市においては救急搬送のおよそ45%が後期高齢者となっている。この現状を踏まえ、まずは入院イベントを起さないフレイル予防が重要である。また救急搬送・入院後のフレイル状態の進展を避けることがさらに望まれる。高齢者は往々にして原因疾患の治癒に至っても、入院中にフレイルが進行しADLは低下する。しかし、強力なリハビリ・栄養介入を入院早期より介入しても、効果が乏しく自宅退院ができないケースも多い。
この様な不可逆ケースへの対応は救急医にとって複雑な問題となっている。現時点においてFrailty Indexが用いられることもあるが、この様な状況での対応ガイドラインの策定や速やかなトリアージをすすめるためのアドバンスケアプランニング(ACP)体制の構築が求められている。
現在進行中の高齢化の中において、現役時代からのメタボ予防に続いて、切れ目の無いフレイル予防策をあらゆるフェーズで展開する必要性が求められている点に加え、早期からのACPへの取り組みも急務となっている。
本セッションにおいては、この状況を見据えて健康寿命を延ばすフレイル予防体制と並行したACPの普及をどの様に展開するのが理想的、かつ現実的であるかについて、切れ目なく携わる立場にある総合診療医、ファーストラインである救急医、その前後で高齢者に関わる老年科医、在宅診療医が一同に会し、そのコラボ体制の理想形を追求したい。
パネルディスカッション5
第4会場(広島国際会議場 B2 コスモス1)
2025年2月22日(土)13:00-14:30
2025年2月22日(土)13:00-14:30
「総合診療の未来を支える診療看護師の雇用と育成戦略」
企画者:久保 徳彦(別府医療センター 総合診療科)
詳 細
超高齢社会、医療の高度化、在宅医療の推進などを背景に、2014年に医療介護総合確保推進法が成立し、「特定行為に係る看護師の研修制度」が創設されました。実践的な理解力や思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされる38行為を、厚生労働省が特定行為と指定しました。研修を受けた看護師は手順書下で特定行為を行うことが認められており、特定行為研修を一つでも受けた看護師は特定看護師とされますが、大学院修士課程で病態生理学や薬理学を学び、幅広く複数の特定行為研修を受け、日本NP教育大学院協議会が実施する資格認定試験に合格すると診療看護師となります。
米国の診療看護師は1965年に誕生し50年以上の歴史があり、大学院修士課程で資格を取り、医師と協働して患者を診療し処方を含む医行為を実施しています。日本の診療看護師は米国の診療看護師と同様の活動はできませんが、クリティカル領域とプライマリ領域(老年・小児)の診療看護師がおり、病態生理学や薬理学の知識とフィジカルアセスメント能力を身につけ、特定行為を実施する技術を持っています。今後、医師と連携することで様々な症状や疾患をもつ患者に対して医療を効率的に提供できると考えられます。
私共は、第16回日本病院総合診療医学会学術総会におけるシンポジウムにて診療看護師の活動内容を伝え、第20回以降は診療看護師の導入に向けた戦略を議論し可能性を探ってきました。節目となる第30回の本シンポジウムでは、「総合診療の未来を支える診療看護師の雇用と育成戦略」のテーマで議論し、今後の可能性を探ります。
本シンポジウムにて議論した内容を参考に各施設で診療看護師の導入を検討し、将来的な導入に繋がることを願っています。
パネルディスカッション6
第4会場(広島国際会議場 B2 コスモス1)
2025年2月22日(土)14:40-16:10
2025年2月22日(土)14:40-16:10
「コミュニティホスピタルが挑戦するシームレスな多職種ケア」
企画者:梅沢 義貴(同善病院総合診療科)
詳 細
コミュニティホスピタルは、総合診療を中心に外来・病棟に加えて在宅機能も有しており、多職種協働に重きを置いてその人の人生を診ることのできる中小規模の病院である。中小規模が故に部門を跨いでの多職種協働が行いやすく、リハビリテーションや食支援、認知症ケア、緩和ケアや社会的処方など、患者ニーズの個別性に配慮した医療が得意である。
タイトルの通り、外来・病棟・在宅とセッティングを跨いでの「シームレスなケア」と、多職種協働による「多職種ケア」がコミュニティホスピタルにとって非常に魅力である。
今回は、3つのコミュニティホスピタルでのシームレスなケアと多職種ケアについて提示し、より良い議論を深めていきたい。
長野県上高井郡の新生病院は緩和ケア病棟や地域包括ケア病棟を有しており、さらには訪問診療、訪問看護による在宅緩和ケアにも注力している。緩和というとまだまだ病棟でのイメージが強いが、患者の状態や気持ちの変化にあわせて療養の場を上手に使い分けながら、穏やかな療養を支援している。
茨城県常総市の水海道さくら病院では、病床機能は病棟~在宅におけるシームレスな嚥下機能訓練・食支援に取り組んでいる。言語聴覚士を積極的に採用し、病床や訪問におけるリハビリ提供を拡充、嚥下機能検査の開始や栄養士との協働も積極的に行うことで包括的な食支援に結び付けている。また病棟では認知症デザインを採用するなど、食に留まらない生活を意識した取り組みも行っている。
東京都台東区の同善病院は回復期リハビリテーション病院だが、純粋な機能訓練に留まらず多様なリハビリテーションを提供している。療法士によるリハビリテーションは1日3時間が限度であり、それ以外の病棟生活時間を看護リハを用いて活動量を上げる取り組みを行っている。また「みのるーむ」という地域に開かれたコミュニティルームを設置し、外来・入院患者のみならず地域の人も自由に参加できるイベントを用意して、地域との繋がりを大切にして社会的処方の側面を持ちながらリハビリテーションを行っている。
タイトルの通り、外来・病棟・在宅とセッティングを跨いでの「シームレスなケア」と、多職種協働による「多職種ケア」がコミュニティホスピタルにとって非常に魅力である。
今回は、3つのコミュニティホスピタルでのシームレスなケアと多職種ケアについて提示し、より良い議論を深めていきたい。
長野県上高井郡の新生病院は緩和ケア病棟や地域包括ケア病棟を有しており、さらには訪問診療、訪問看護による在宅緩和ケアにも注力している。緩和というとまだまだ病棟でのイメージが強いが、患者の状態や気持ちの変化にあわせて療養の場を上手に使い分けながら、穏やかな療養を支援している。
茨城県常総市の水海道さくら病院では、病床機能は病棟~在宅におけるシームレスな嚥下機能訓練・食支援に取り組んでいる。言語聴覚士を積極的に採用し、病床や訪問におけるリハビリ提供を拡充、嚥下機能検査の開始や栄養士との協働も積極的に行うことで包括的な食支援に結び付けている。また病棟では認知症デザインを採用するなど、食に留まらない生活を意識した取り組みも行っている。
東京都台東区の同善病院は回復期リハビリテーション病院だが、純粋な機能訓練に留まらず多様なリハビリテーションを提供している。療法士によるリハビリテーションは1日3時間が限度であり、それ以外の病棟生活時間を看護リハを用いて活動量を上げる取り組みを行っている。また「みのるーむ」という地域に開かれたコミュニティルームを設置し、外来・入院患者のみならず地域の人も自由に参加できるイベントを用意して、地域との繋がりを大切にして社会的処方の側面を持ちながらリハビリテーションを行っている。
パネルディスカッション7
第4会場(広島国際会議場 B2 コスモス1)
2025年2月22日(土)16:20-17:50
2025年2月22日(土)16:20-17:50
「コマネジメントの実際:入院から退院までのケアプロセスを徹底解説!」
企画者:友田 義崇(板橋中央総合病院総合内科)
詳 細
コマネジメントとは、内科系ジェネラリストが専門科の診療において内科的な部分を担当し、専門科医と診療の責任および権利を共有するケアモデルです。本モデルは日本国内においても徐々に注目されており、特に整形外科との協働を中心に導入が進んでいます。
コマネジメントの導入は、高齢化が進む患者に対し、より安全な医療提供を可能にするだけでなく、病院総合診療医にとっては周術期管理という新たなスキルの習得の機会となり、外科医にとっても病棟管理の負担軽減や手術に集中できる環境を整えることができます。また、合併症の減少に伴い在院日数の短縮といった多くの利点があります。しかしながら、未だその普及は十分とは言えません。コマネジメントが広がらない主な要因として、周術期管理を担う病院総合診療医の不足や、具体的な周術期管理の経験の欠如が挙げられます。
本セッションでは、大腿骨近位部骨折の具体的な症例を通じて、コマネジメントシステムを導入、またすでにシステムが確立している施設の具体的な取り組みを、入院から退院に至るまでの過程を詳述しながら紹介します。これにより、参加者が自院でのコマネジメント導入に役立つ知識とスキルを身につけることを目指します。実際の臨床現場での取り組みを共有することで、具体的な導入方法や注意点についての理解を深める機会とし、今後のコマネジメント普及に向けた実践的な知見を提供いたします。
ぜひ本セッションを通じて、共に学び、成長していきましょう。
パネルディスカッション8
第2会場(広島国際会議場 B2 ダリア1)
2025年2月23日(日)10:00-11:30
共催:日本専門医機構総合診療専門医 検討委員会 専門医会
2025年2月23日(日)10:00-11:30
共催:日本専門医機構総合診療専門医 検討委員会 専門医会
「日本専門医機構総合診療専門医検討委員会と総合診療専門医を橋渡し!専門医会による総合診療専門医更新のピア・サポート」
企画者:佐藤 瑠璃香(千葉大学医学部附属病院 総合診療科)
詳 細
2018年に新専門医制度が始まり、総合診療専門研修が開始されました。2021年に総合診療専門医第1期生が誕生し、2024年現在658名の総合診療専門医が全国で活躍しています。
5年更新のため総合診療専門医の更新時期が近づいている先生方も多い中、更新に関する情報が行き渡っておらず、不安を感じている先生方も少なくないかと思います。
また、総合診療専門医取得後のサブスペシャリティとして、現在、病院総合診療専門医、新・家庭医療専門医、地域総合診療専門医などが選択可能ですが、これら各専門領域にはどのような特色があるのか、また、各専門医がどのように連携していけば良いのかについては、未だ議論の余地があるように思われます。
本企画では、総合診療専門医取得後のキャリアについてパネルディスカッションを行います。
日本専門医機構総合診療専門医検討委員会内の、総合診療専門医で構成された「専門医会」のメンバーが、My Portfolio、専門医更新に必要とされている要件、必要単位を集めるための様々な方法について、まずご説明します。
総合診療専門医の更新にはInternet Based Testing方式での認定試験に合格する必要がある他、My Portfolioに50単位を登録する必要があります。この単位には、診療実績の証明、専門医共通講習、領域講習、学会参加、学術業績、多様な地域における診療実績などが含まれますが、診療所、市中病院、大学病院など様々な場で働く専門医にとって、それぞれどのような単位の組み合わせ方が最適かについても、幾つかの案をご紹介できたらと考えています。
・My Portfolioの使用方法がわからない
・単位申請の手続きが複雑でわかりにくい
・学会や講習会の参加証明に関して
等の疑問について、皆様と日本専門医機構総合診療専門医検討委員会を、専門医会が橋渡しします。
また、サブスペシャリティを含めたキャリアの選択肢についても聴衆の皆様とともに話し合えたらと思います。総合診療専門医の皆様のみならず、研修医、専攻医、指導医の皆様含めまして、ご参加いただけるのをお待ちしています。
5年更新のため総合診療専門医の更新時期が近づいている先生方も多い中、更新に関する情報が行き渡っておらず、不安を感じている先生方も少なくないかと思います。
また、総合診療専門医取得後のサブスペシャリティとして、現在、病院総合診療専門医、新・家庭医療専門医、地域総合診療専門医などが選択可能ですが、これら各専門領域にはどのような特色があるのか、また、各専門医がどのように連携していけば良いのかについては、未だ議論の余地があるように思われます。
本企画では、総合診療専門医取得後のキャリアについてパネルディスカッションを行います。
日本専門医機構総合診療専門医検討委員会内の、総合診療専門医で構成された「専門医会」のメンバーが、My Portfolio、専門医更新に必要とされている要件、必要単位を集めるための様々な方法について、まずご説明します。
総合診療専門医の更新にはInternet Based Testing方式での認定試験に合格する必要がある他、My Portfolioに50単位を登録する必要があります。この単位には、診療実績の証明、専門医共通講習、領域講習、学会参加、学術業績、多様な地域における診療実績などが含まれますが、診療所、市中病院、大学病院など様々な場で働く専門医にとって、それぞれどのような単位の組み合わせ方が最適かについても、幾つかの案をご紹介できたらと考えています。
・My Portfolioの使用方法がわからない
・単位申請の手続きが複雑でわかりにくい
・学会や講習会の参加証明に関して
等の疑問について、皆様と日本専門医機構総合診療専門医検討委員会を、専門医会が橋渡しします。
また、サブスペシャリティを含めたキャリアの選択肢についても聴衆の皆様とともに話し合えたらと思います。総合診療専門医の皆様のみならず、研修医、専攻医、指導医の皆様含めまして、ご参加いただけるのをお待ちしています。
パネルディスカッション9 オンデマンド配信 指定講演
第2会場(広島国際会議場 B2 ダリア1)
2025年2月23日(日)12:40‐14:10
2025年2月23日(日)12:40‐14:10
「私たちだからこそできる災害医療への関わり方:未来の災害医療への道 part 2」
企画者:冨永 尚樹(新小文字病院内科救急科)
詳 細
2024年の能登半島では、元日の地震災害と9月の豪雨災害により、地域では物理的、精神的そして社会的にも大きな影響を受けています。
私たちは改めて、災害は複数の事象が短期間で複合的に起こる可能性があることを意識するとともに、医療従事者として災害急性期の対応だけではなく、亜急性期から復興期における中長期的な対応の重要性の認識を高めました。
災害亜急性期から復興期における医療提供体制においては、災害時要配慮者への対応や、平時から存在する地域の保健医療福祉体制への一日も早い復旧が重要となります。そのためには、平時から病院総合医や家庭医といった地域の保健医療福祉体制の担い手である私たちが得意としている役割を災害時においても発揮していくことが非常に重要であると考えます。
つまり、従来のフェーズごとで区切られた基本的な対応計画に加えて、臨機応変に地域のニーズに対応できる地域連携が求められます。特に今回の能登半島のように、同一地域内で急性期と慢性期、地震と水害の被害が混在し得る複雑な事態においては、より高度なレジリエンスが求められます。こうした状況下では、平時から病院を軸に様々な機関と連携し、地域資源の過不足に合わせて自身を変化させられる病院総合医や、地域住民と対話しながら寄り添える家庭医は重要な役割を担うと言えるでしょう。 前回の学術大会シンポジウムでは主に災害時の病院総合医の貢献について検討を行いました。今回のシンポジウムにおいては、災害の現場で活躍する多くの医療者と共に、病院総合医及び家庭医の災害への貢献について深く議論し、理解を深めることを目指します。本シンポジウムを通じて、災害医療に関する最新の知見や実践的なアプローチを共有し、参加者が災害医療における課題と解決策について共通の認識を持つことで、未来の災害対応を共に考え、準備する機会となることを期待しています。
パネルディスカッション10 オンデマンド配信 指定講演
第3会場(広島国際会議場 B2 ダリア2)
2025年2月23日(日)14:10-15:40
2025年2月23日(日)14:10-15:40
「実践!効果的な再入院予防・退院支援としてのSDH(健康の社会的決定要因)への取り組みとエビデンス」
企画者:横田 雄也(岡山大学病院総合内科・総合診療科)
詳 細
本セッションは日本プライマリ・ケア連合学会 健康の社会的決定要因(Social Determinants of Health:SDH)検討委員会による企画である。SDHとは、人々の健康に影響を及ぼす、収入や学歴、教育、居住地、性別、国籍/人種といった種々の社会的要因のことであり、健康格差を生み出すとされる。
近年、医療は生物医学モデル視点からの疾患治療や寿命延伸に留まらず、心理・社会的視点もふまえた多様な社会的背景や価値観を考えてケアを提供することが求められている。治療やケアの分断がおこりやすい中で、それらを統合し、複合的な視点で全人的医療を提供する総合診療医の役割は大きい。患者の多様な社会的背景を考慮し、更に医療を社会資源の1つと捉えて関係機関と連携するメタ的な視点として、SDHについての知識は総合診療医の必須能力と言えるだろう。実際に、SDHへの視点を持った上での病院内外での効果的な連携により、退院支援・再入院予防等の医療の質向上に繋がることが研究・実践例ともに示されてきている。
本企画ではまず、SDHと診療の関連性等を研究している大阪医科薬科大学の西岡医師より、入院期間予測や再入院予防にSDHの視点が役立ち、介入することで医療経済的効果が期待できることなどの最新のエビデンスを紹介する。更に、都立広尾病院で総合診療科の再編を進める小坂医師より、病院内でSDHを意識した診療に取り組むことでケア移行の質改善につなげている事例を紹介する。最後に、岡山大学病院の横田医師より、Ambulatory care-sensitive conditions(適切なタイミングで効果的なケアをすることで入院を減らすことができる状態)として重要な位置を占める心不全が関係した、入退院を繰り返す患者の事例を提示し、会場参加者とともにSDH視点で振り返り、アセスメントと介入方法を議論することで、参加者がSDH診療を各医療機関で実践するための手がかりをみつけていきたい。
パネルディスカッション11 オンデマンド配信 指定講演
第3会場(広島国際会議場 B2 ダリア2)
2025年2月23日(日)10:00:11:30
2025年2月23日(日)10:00:11:30
「若手総合診療医が医療の質・安全領域で活躍するための方策と展望」
企画者:安本 有佑(板橋中央総合病院救急総合診療科)
詳 細
医療の質・患者安全は総合診療医にとって重要なコンピテンシーの一つです。病院総合診療医においては、SHM(Society of Hospital Medicine)がHospital medicine のコアコンピテンシーとして、患者安全・質改善を挙げています。家庭医においても、米国AHRQ(Agency for Healthcare Research and Quality)がプライマリケア領域の医療の質・患者安全の重要性について解説し、そのために必要な方策やtoolkitを紹介しています。
一方で、本邦において、若手総合診療医に対する医療の質・安全に関する教育がどの程度行われているかについてはまだ明らかになっていません。また、医療の質・安全領域に関心を示す若手医師が、自施設で活動する環境が整えられていないことも少なくありません。
そのような背景をもとに、医療の質・安全チームでは、前回大会まで若手医師が医療の質・安全について学ぶ機会をワークショップ形式で継続的に開催して参りました。ワークショップでは、医療の質・安全に関するテーマを分析手法を用いて考察してきましたが、そこで得た知識を自施設で実装するためには、まだ多くの課題も存在します。
本シンポジウムでは、家庭医、病院総合診療医を志望する若手医師がそれぞれ、どのような課題に直面しているのか、またそれを打開するための方策をインタラクティブにディスカッションします。
パネルディスカッション12 オンデマンド配信 指定講演
第3会場(広島国際会議場 B2 ダリア2)
2025年2月23日(日)14:10-15:40
2025年2月23日(日)14:10-15:40
「漢方医学の統合は総合診療に役立つ~漢方薬と鍼灸~」
企画者:田村 義博(広島大学病院 漢方診療センター)
詳 細
総合診療科を受診する患者には西洋医学的に診断がつかない、診断がついても標準治療が奏効しにくいなど西洋医学では対処が難しい場面に出会うことが多く、そのような場合に湯液(漢方薬)が選択されることがある。湯液は慢性便秘症、機能性腸疾患、心身症など始めとする複数の診療ガイドラインに掲載されるようになり、西洋医から処方されることも一般的になりつつある。
そもそも、漢方医学は、湯液、鍼灸、あんま、養生からなっている。湯液と鍼灸は相補的な関係であり、両方のアプローチを行うことでより効果的に患者の健康に寄与できる。また、鍼灸治療はプライマリ・ケア連合会基本研修ハンドブックの基本研修の項目として設けられていることからも、その重要性をうかがい知ることができる。しかし、医学教育のコアカリキュラムでは漢方薬は教育の対象となっているが、鍼灸は対象となっておらず、鍼灸を教育で取り扱っている大学は38%程度にとどまっている。
鍼灸治療に関しては、日本では2021年に顔面神経麻痺の診療ガイドラインに追加され、16疾患のガイドラインに掲載されるようになった。鍼灸に関するエビデンスの報告が近年急増しており、世界的に代替医療としての関心が強く持たれるようになっている。
このように湯液、鍼灸のそれぞれの効果が示されつつあるが、双方を合わせることによる効果の検証や症例報告は少ない。一方、実臨床においては双方の治療を併用することで患者の症状が急激に改善する症例や、一方の治療のみではアプローチできなかった症状が改善することは珍しくない。
本シンポジウムでは、湯液と鍼灸を併用することの意義や、漢方医と鍼灸師が連携することの意義について論じたい。
そもそも、漢方医学は、湯液、鍼灸、あんま、養生からなっている。湯液と鍼灸は相補的な関係であり、両方のアプローチを行うことでより効果的に患者の健康に寄与できる。また、鍼灸治療はプライマリ・ケア連合会基本研修ハンドブックの基本研修の項目として設けられていることからも、その重要性をうかがい知ることができる。しかし、医学教育のコアカリキュラムでは漢方薬は教育の対象となっているが、鍼灸は対象となっておらず、鍼灸を教育で取り扱っている大学は38%程度にとどまっている。
鍼灸治療に関しては、日本では2021年に顔面神経麻痺の診療ガイドラインに追加され、16疾患のガイドラインに掲載されるようになった。鍼灸に関するエビデンスの報告が近年急増しており、世界的に代替医療としての関心が強く持たれるようになっている。
このように湯液、鍼灸のそれぞれの効果が示されつつあるが、双方を合わせることによる効果の検証や症例報告は少ない。一方、実臨床においては双方の治療を併用することで患者の症状が急激に改善する症例や、一方の治療のみではアプローチできなかった症状が改善することは珍しくない。
本シンポジウムでは、湯液と鍼灸を併用することの意義や、漢方医と鍼灸師が連携することの意義について論じたい。
ワークショップ2
第5会場(広島国際会議場 B2 コスモス2)
2025年2月22日(土)09:10-10:40
2025年2月22日(土)09:10-10:40
「診断推論スキルを劇的に向上させたいあなたへ!ーーChatGPTを活用したアクティブラーニング型ワークショップ」
企画者:上原 孝紀(千葉大学医学部附属病院総合診療科)
詳 細
「診断推論がなかなか上達しない⋯」「本を読んだり、カンファレンスに参加しても、実際の診療に活かせない⋯」そんな悩みを抱えていませんか?その答えが、ここにあります!
本ワークショップでは、あなたが主役のアクティブラーニングを体験できます。株式会社OPQRSTが開発した特別なプロンプトを用いて、ChatGPTが模擬患者として登場。しかも、ChatGPTは固定された応答ではなく、柔軟に返答を変えるため、まるでリアルな診察さながらのやり取りが体験できます。あなたの診断プロセスに沿って質問を展開することで、自然と自分の診察手順を振り返るリフレクション(省察)ができ、学びが深まります。
そして、このワークショップの目玉はそれだけではありません!ChatGPTが提供するフィードバックに加え、診断推論の本質的なスキルに迫る特別セッションを用意しています。例えば、限られた情報でどのように仮説を立てるか、複数の仮説をどう比較し、対立仮説を考慮するのかなど、より高度な診断推論の技術については、ChatGPTだけではカバーしきれない領域です。そこで、1st(研修医・専攻医)、2nd(中間指導医)、3rd(指導医)の3段階のフィードバック体制で、普段から徹底的にCase Based Discussionを行って、診断のターニングポイントや重要な要素をトレーニングしている千葉大総診のスタッフが、リアルタイムでフィードバックを行います!この方法を通じて、実践に役立つ知識や批判的思考力を養成できることはもちろん、何よりも楽しみながらスキルアップできる場を提供します。
「診断推論スキルを高めたい」「楽しみながら成長したい」と考えている、メディカルスタッフ、学生の皆様、この機会にぜひご参加ください!
また、当日PCをご持参頂ける方はぜひご持参頂けたらと存じます。
ワークショップ3
第5会場(広島国際会議場 B2 コスモス2)
2025年2月22日(土)13:00-14:30
2025年2月22日(土)13:00-14:30
「創造性を磨き、診断推論力を向上させよう!」
企画者:礒田 翔(大阪医科薬科大学病院総合診療科)
詳 細
創造性といえば、芸術分野で求められるものという印象が強いですが、診断推論においても重要な役割を果たします。創造性は、特別な才能を持つ一部の人だけが、特別な努力をせずに突然発揮できるものだと誤解されがちです。しかし、認知心理学では、創造性は人間一般に備わる認知機能の働きに基づくものとされています。
プライマリケアの現場では、疾患の初期段階で受診することも多く症状や所見が出揃わないため非典型的な病像となり、推論で行き詰まることが少なくありません。こうした状況では、「新しい視点で症例を見直す」ことが、更なる診断仮説を生み出す糸口になることがあります。認知心理学では、この「新しい視点で問題を捉え直し、有用な解釈を見出すこと」を創造性と定義しています。また、こうした新たな解釈が伴うときに、突然のひらめきと「ああ、そうか!」という感動(Aha体験)を感じることがあれば、それは洞察と呼ばれます。そのため臨床推論が行き詰まり、更なる診断仮説の生成が求められる状況で、創造性は問題の打開に貢献しうると考えられます。
これまでの認知心理学の研究から、創造性を引き出しやすい思考法や環境・条件について、幾つかの知見が明らかになっています。セッションの冒頭では、これらの知見を参加者にショートレクチャー形式で提供します。ただし、これらはあくまでも認知心理学における一般的な知見です。そのため、診断推論に特有の創造性や洞察を引き出すための思考法や環境・条件が別途存在する可能性があります。もしそれらを見出すことができれば、現場での応用が容易となり、診断の卓越性に貢献するでしょう。
そこでレクチャーの後には、解決に創造性や洞察を要する可能性の高い症例を用いてディスカッションを行います。各参加者が症例に対してどのようにアプローチしたかを振り返り、「創造性を発揮させるためのポイント」や「創造性が必要となる症例の特徴」などについて議論します。これにより、診断推論における創造性の効果的な活用方法を模索していきます。
プライマリケアの現場では、疾患の初期段階で受診することも多く症状や所見が出揃わないため非典型的な病像となり、推論で行き詰まることが少なくありません。こうした状況では、「新しい視点で症例を見直す」ことが、更なる診断仮説を生み出す糸口になることがあります。認知心理学では、この「新しい視点で問題を捉え直し、有用な解釈を見出すこと」を創造性と定義しています。また、こうした新たな解釈が伴うときに、突然のひらめきと「ああ、そうか!」という感動(Aha体験)を感じることがあれば、それは洞察と呼ばれます。そのため臨床推論が行き詰まり、更なる診断仮説の生成が求められる状況で、創造性は問題の打開に貢献しうると考えられます。
これまでの認知心理学の研究から、創造性を引き出しやすい思考法や環境・条件について、幾つかの知見が明らかになっています。セッションの冒頭では、これらの知見を参加者にショートレクチャー形式で提供します。ただし、これらはあくまでも認知心理学における一般的な知見です。そのため、診断推論に特有の創造性や洞察を引き出すための思考法や環境・条件が別途存在する可能性があります。もしそれらを見出すことができれば、現場での応用が容易となり、診断の卓越性に貢献するでしょう。
そこでレクチャーの後には、解決に創造性や洞察を要する可能性の高い症例を用いてディスカッションを行います。各参加者が症例に対してどのようにアプローチしたかを振り返り、「創造性を発揮させるためのポイント」や「創造性が必要となる症例の特徴」などについて議論します。これにより、診断推論における創造性の効果的な活用方法を模索していきます。
ワークショップ4
第6会場(広島国際会議場 B2 ラン1)
2025年2月22日(土)09:10-10:40
2025年2月22日(土)09:10-10:40
「ERドクターが教える初療医に必要な創傷治療の知識とTips」
企画者:入江 康仁(聖隷横浜病院救急科(ER)/キズ・やけど外来)
詳 細
地域医療の現場や一般の当直業務、また入院患者の転倒外傷などで創傷処置対応が必要な場面は多くあるが、総合医を対象とした創傷治療に焦点を当てた勉強の機会は寡聞にして聞かない。実際には書籍などの知識を基に日々不安を抱えながら現場に臨んでいるものと想像する。また、診療体制によっては自分の行った創処置の経過観察ができず、結果から学ぶことが難しいこともある。そこで今回、正しい創傷治療を行う上で必要な知識と手技を、総合診療医兼ER医から座学とハンズオンを通して学ぶことで外傷患者に質の保たれた創傷処置を行えるべくワークショップを企画した。創傷治療を行うためには損傷皮膚の上皮化の過程とそれを実現するための条件、さらに死腔への対処方法などの知識が必要となるが、基本的知識を理解していれば、部位、深さ、大きさによらず、どんな創傷処置もその応用に過ぎないことがご理解頂けると考える。
ワークショップの前半は二部構成の座学形式とし、第一部で湿潤療法を軸に創傷治療における病態生理の基礎知識の確認を、第二部では多くの縫合症例の提示によって救急外来での創傷処理における基本とTipsを学んで頂ける構成とした。以上の座学によって創傷治癒の病態生理から実際のテクニックまでの理解を促したい。
後半はハンズオンとし、①包帯の巻き方の基本、②日常的に高い頻度で遭遇する指先の皮膚欠損創(スライサーや包丁による指先皮膚の切り落とし症例)に対して、如何に止血をしてどの創傷被覆材を選択するのか、指にどうやって包帯を巻くのか、翌日からの創処置をどうするか、といった実際の具体的な処置方法を体験して頂くべく企画した。
以上のワークショップによって、創傷の処理・処置を生きたスキルとして持ち帰って頂き、明日からの創傷処置に自信を持ちながら、実臨床に役立てて頂けること間違いなし!と言って頂けることを祈念する次第である。
ワークショップの前半は二部構成の座学形式とし、第一部で湿潤療法を軸に創傷治療における病態生理の基礎知識の確認を、第二部では多くの縫合症例の提示によって救急外来での創傷処理における基本とTipsを学んで頂ける構成とした。以上の座学によって創傷治癒の病態生理から実際のテクニックまでの理解を促したい。
後半はハンズオンとし、①包帯の巻き方の基本、②日常的に高い頻度で遭遇する指先の皮膚欠損創(スライサーや包丁による指先皮膚の切り落とし症例)に対して、如何に止血をしてどの創傷被覆材を選択するのか、指にどうやって包帯を巻くのか、翌日からの創処置をどうするか、といった実際の具体的な処置方法を体験して頂くべく企画した。
以上のワークショップによって、創傷の処理・処置を生きたスキルとして持ち帰って頂き、明日からの創傷処置に自信を持ちながら、実臨床に役立てて頂けること間違いなし!と言って頂けることを祈念する次第である。
ワークショップ5
第6会場(広島国際会議場 B2 ラン1)
2025年2月22日(土)13:00-14:30
2025年2月22日(土)13:00-14:30
「病棟のゲームチェンジャー!Midlineカテーテルの可能性を探る」
企画者:原田 拓(練馬光が丘病院 総合診療科)
詳 細
Midlineカテーテルの認可により、2024年から新たな静脈デバイスの選択肢が生まれました!!
Midlineカテーテルはざっくりいうと、普通の点滴と末梢留置型中心静脈カテーテル(Peripherally Inserted Central venous Catheter:PICC)の中間ともいえるデバイスですが、さまざまな可能性を秘めており、病棟管理のGame changer として期待されています。
Midlineカテーテルは、PICCよりも挿入が簡単で安全性が高く、さらにカテーテル関連血流感染が少ないという利点もあります。末梢ルート確保困難患者、頻回採血が必要な患者、いずれも対応可能であり、PPNにも有用、カテーテル関連血流感染がPICCと比較して少ないことも大きなメリットになります。
MidlineカテーテルはWHOの2024年のカテーテル関血流連感染予防にも取り上げられ、病棟領域だけでなく緩和領域でも有用性が認可されはじめ、本邦でも世界的にも急速に使用が広がり始めています。
より良い病棟管理、さらには在宅や緩和ケアでも発展性があるMidline カテーテルに触れてみませんか?
PICCはちょっとハードルが高いと感じている方にも、PICCを多く使っている方でも、Midlineは臨床の現場でより手軽に使用でき、末梢静脈デバイスの選択肢が増えることで、病棟でのより良い医療提供が可能になります。
前回の学会のワークショップで開催後に相談いただいたトラブルシューティングや実践的な知識や現場の運用など、実際に活用できるスキルを身につけられるようなワークショップを開催いたします。
病棟管理に興味がある医師、特定看護師、診療看護師(NP)をはじめとした特定行為研修修了者、ふくめ全ての医療者の方々にぜひ来ていただければと思います。
ワークショップ6
第7会場(広島国際会議場 B2 ラン2)
2025年2月22日(土)09:10-10:40
2025年2月22日(土)09:10-10:40
「今日から書きたくなるClinical Pictureのすゝめ」
企画者:松浦 宏樹(岡山市立市民病院 救急科 総合内科)
詳 細
「Clinical Picture」は1枚の写真と200 words程度の解説文から構成される論文です。「Clinical Picture」は臨床能力の涵養、英語論文への苦手意識を払拭するための教材としても有用であり日々の診療に忙殺される臨床医にとって非常に効果的な学習ツールになりえます。過去の総会においても「Clinical Picture」を取り上げたセッションは複数回にわたって開催されており、いずれも好評を博してきました。またNew England Journal of Medicineを代表とした総合診療系英文誌における「Clinical Picture」のコーナーでは日本人著者が年々明らかに増加してきており「Clinical Picture」投稿が本邦の総合診療医の間で徐々に市民権を得てきていることを実感しています。しかし一方で周囲に経験のある指導医や適切なメンターがいないなど様々な事情から「Clinical Picture投稿に興味があっても何から取り組めば良いかわからない」という声をしばしば耳にします。今回のセッションではそのような悩みを持つ参加者のために、各々の演者が実際に英文誌に投稿し掲載に至ったClinical Pictureを提示しながら、投稿時に知るべき基本的事項を順番に解説していきます。特に「適切な症例選択のポイント」を含めた「Clinical Picture投稿時に押さえるべき基本事項」についてを、Clinical Picture投稿に関する書籍の執筆歴もある鹿野 泰寛先生に解説いただきます。またClinical Pictureの執筆者としてだけでなく、指導者としても多数の掲載歴を持つ友田 義崇先生には「指導者の立場から取り組むClinical Picture投稿」と題して解説いただきます。さらにワークショップの後半では演者それぞれが投稿の過程で経験したトラブルについて具体的な実例を交えて提示し、参加者にとって「他山の石」となりうる解決方法や対策を紹介します。そして可能な限り多くのClinical Pictureを提示し、臨床力の涵養という観点からもClinical Pictureの重要性が実感できるようなワークショップにしたいと考えています。皆様多数のご参加をお待ちしております。
ワークショップ7
第7会場(広島国際会議場 B2 ラン2)
2025年2月22日(土)13:00-14:30
2025年2月22日(土)13:00-14:30
「病院総合診療医の『働きやすい』職場を見つけ出す」
企画者:賀來 敦(洛陽病院内科)
詳 細
【企画概要】
幅広い疾患に対応できる知識とスキルを持つ病院総合診療医のキャリアは、やりがいと多様な選択肢に満ちている。しかし病院総合診療医に適した職場情報のデータベースは存在せず、またライフイベントに対応しサスティナブルな働き方を志向する病院を見つけ出すのは容易でない。このWSでは『働きやすい』職場の見つけ方に加え、地域社会のサポートの評価法も提供する。
働く場所・住む場所を考えるときに必須の視点をあなたに。
【目的】
・働きやすい職場の見つけ方:病院総合診療医が自分に合った職場を見つけるための情報収集方法の提供。
・地域社会のサポート評価法:働く場所や住む場所を選ぶ際に重要な、地域社会のサポート体制の評価方法を紹介。
【企画内容】
キャリアプランニングの4ステージアプローチは、個人がキャリアを計画し、発展させるための段階的な方法で、4つのステージに分かれている。自己評価(Self-Assessment)、キャリア探索(Exploration)、選択肢の決定(Decision-Making)、プランの実行(Implementation)。このWSでは、ステージ2のキャリア探索を主に扱う。情報収集やネットワーキング・病院見学を通じて、実際の職場環境や業務内容を理解し、興味のある病院や医局の情報を収集する方法を学ぶ。また職場環境だけでなく地域社会のサポートもライフキャリアに影響を与える。教育環境・交通アクセスの評価視点も提供する。
【期待される成果】
・病院総合診療医が自分に合った職場を見つけやすくなる。
・地域社会のサポート体制を評価する視点が身につく。
・医師のキャリア選択の幅が広がり、働きやすい環境での長期的なキャリア形成が可能になる。
この企画を通じて、病院総合診療医がより良い職場環境を見つけ、充実したキャリアを築くためのサポートを提供できることを目指しています。
病院総合診療医とキャリアコンサルタント(国家資格)とのコラボ企画です。
幅広い疾患に対応できる知識とスキルを持つ病院総合診療医のキャリアは、やりがいと多様な選択肢に満ちている。しかし病院総合診療医に適した職場情報のデータベースは存在せず、またライフイベントに対応しサスティナブルな働き方を志向する病院を見つけ出すのは容易でない。このWSでは『働きやすい』職場の見つけ方に加え、地域社会のサポートの評価法も提供する。
働く場所・住む場所を考えるときに必須の視点をあなたに。
【目的】
・働きやすい職場の見つけ方:病院総合診療医が自分に合った職場を見つけるための情報収集方法の提供。
・地域社会のサポート評価法:働く場所や住む場所を選ぶ際に重要な、地域社会のサポート体制の評価方法を紹介。
【企画内容】
キャリアプランニングの4ステージアプローチは、個人がキャリアを計画し、発展させるための段階的な方法で、4つのステージに分かれている。自己評価(Self-Assessment)、キャリア探索(Exploration)、選択肢の決定(Decision-Making)、プランの実行(Implementation)。このWSでは、ステージ2のキャリア探索を主に扱う。情報収集やネットワーキング・病院見学を通じて、実際の職場環境や業務内容を理解し、興味のある病院や医局の情報を収集する方法を学ぶ。また職場環境だけでなく地域社会のサポートもライフキャリアに影響を与える。教育環境・交通アクセスの評価視点も提供する。
【期待される成果】
・病院総合診療医が自分に合った職場を見つけやすくなる。
・地域社会のサポート体制を評価する視点が身につく。
・医師のキャリア選択の幅が広がり、働きやすい環境での長期的なキャリア形成が可能になる。
この企画を通じて、病院総合診療医がより良い職場環境を見つけ、充実したキャリアを築くためのサポートを提供できることを目指しています。
病院総合診療医とキャリアコンサルタント(国家資格)とのコラボ企画です。
ワークショップ8
第3会場(広島国際会議場 B2 ダリア2)
2025年2月23日(日)12:40-14:10
2025年2月23日(日)12:40-14:10
「ブランチ先生の診察術~リアルエピソードから学ぶ身体診察術Q&A~」
企画者:西口 翔(湘南鎌倉総合病院総合内科)
詳 細
ブランチ先生はベットサイドでの診察を大切にし、長年にわたって日本全国の臨床研修病院の臨床教育を実践してこられました。新型コロナウィルス感染の流行で医学生時代、研修医時代に対面での病歴聴取や身体診察の機会が制限され、リアルな患者からベットサイドで診察技術を十分に学ぶ機会に恵まれなかった方がたくさんおられるかと思います。このワークショップでは医学生、研修医、専攻医の先生と一緒にリアルピソードからクイズ形式で回答しながら 病歴聴取 、身体診察を学ぶワークショップです。ブランチ先生が体験したリアルな診察エピソードを通じて、病歴聴取と身体診察の重要性とその技術を学ぶことを目的としています。参加者は、実際の症例を元に、診察のポイントやコミュニケーションの取り方を深く理解し、臨床に役立てることができるはずです。英語が得意でない方も、そうでない方も理解しやすいシンプルな英語と同時通訳および理解をサポートするスタッフと共に行うため、安心です。医学生、研修医、専攻医の皆さんぜひお会いしましょう!
ワークショップ9
第6会場(広島国際会議場 B2 ラン1)
2025年2月23日(日)15:00‐16:30
2025年2月23日(日)15:00‐16:30
「燃え尽き症候群と医療現場におけるJoy in Medicine—患者・医療者の関係性の再構築」
企画者:畑 拓磨(白十字総合病院総合内科)
詳 細
医療における喜び、あるいは喜びの喪失は、パンデミック以来さらに話題となっている。 日本でも燃え尽き症候群は一般的であり、診療の満足度を低下させ、診療のエラーに影響を与える。 臨床医が直面する課題の1つは、書類業務に追われて、患者と接する時間が少なくなっていることである。 親切であること、感謝の気持ちを表すこと、効果的なコミュニケーションスキルを使うことなどの戦略は、同僚や患者とのつながりを深め、ひいてはより楽しい職場環境をもたらす。 患者や同僚との深いつながりを感じる瞬間を増やす場を設けることで、診療における喜びの感情を再び呼び起こすことができる。 このワークショップでは、医療における喜び(Joy in Medicine)の概念について概説し、患者と医療者の関係を強化するために効果的なコミュニケーションスキルについてグループワークを行う。
ワークショップ10
第6会場(広島国際会議場 B2 ラン1)
2025年2月23日(日)16:40-18:10
2025年2月23日(日)16:40-18:10
「鍼灸治療を体験してみよう!」
企画者:小川 恵子(広島大学病院 漢方診療センター)
詳 細
総合診療科を受診する患者には西洋医学的に診断がつかない、診断がついても標準治療が奏効しにくいなど西洋医学では対処が難しい場面に出会うことが多く、そのような場合に湯液(漢方薬)が選択されることがある。湯液は複数の診療ガイドラインに掲載されるようになり、西洋医から処方されることも一般的になりつつある。
そもそも、漢方医学は、湯液、鍼灸、あんま、養生からなっている。湯液と鍼灸は相補的な関係であり、両方のアプローチを行うことでより効果的に患者の健康に寄与できる。また、鍼灸治療はプライマリ・ケア連合会基本研修ハンドブックの基本研修の項目として設けられていることからも、その重要性をうかがい知ることができる。しかし、医学教育のコアカリキュラムでは湯液は教育の対象となっているが、鍼灸は対象となっておらず、鍼灸を教育で取り扱っている大学は38%程度にとどまっている。
鍼灸治療に関しては、日本では2021年に顔面神経麻痺の診療ガイドラインに追加され、16疾患のガイドラインに掲載されるようになった。鍼灸に関するエビデンスの報告は近年急増しており、世界的に代替医療としての関心が強く持たれるようになっている。
このように鍼灸の価値が見直されつつある現代において、医師が鍼灸治療に詳しくなることで患者に治療法として提案できることの意義は大きく、場合によっては医師自身が患者に鍼灸治療を施術できることで直接患者の健康に貢献することもできる。
本ワークショップでは、参加者に鍼灸に関する基本的な知識を伝えるだけでなく、鍼を刺す練習や治療を受ける体験を通じて、鍼灸治療が安全で効果的な治療であることを理解してもらうことを目的としたい。
そもそも、漢方医学は、湯液、鍼灸、あんま、養生からなっている。湯液と鍼灸は相補的な関係であり、両方のアプローチを行うことでより効果的に患者の健康に寄与できる。また、鍼灸治療はプライマリ・ケア連合会基本研修ハンドブックの基本研修の項目として設けられていることからも、その重要性をうかがい知ることができる。しかし、医学教育のコアカリキュラムでは湯液は教育の対象となっているが、鍼灸は対象となっておらず、鍼灸を教育で取り扱っている大学は38%程度にとどまっている。
鍼灸治療に関しては、日本では2021年に顔面神経麻痺の診療ガイドラインに追加され、16疾患のガイドラインに掲載されるようになった。鍼灸に関するエビデンスの報告は近年急増しており、世界的に代替医療としての関心が強く持たれるようになっている。
このように鍼灸の価値が見直されつつある現代において、医師が鍼灸治療に詳しくなることで患者に治療法として提案できることの意義は大きく、場合によっては医師自身が患者に鍼灸治療を施術できることで直接患者の健康に貢献することもできる。
本ワークショップでは、参加者に鍼灸に関する基本的な知識を伝えるだけでなく、鍼を刺す練習や治療を受ける体験を通じて、鍼灸治療が安全で効果的な治療であることを理解してもらうことを目的としたい。
教育講演1 オンデマンド配信 指定講演
第3会場(広島国際会議場 B2 ダリア2)
2025年2月22日(土)10:50-11:50
2025年2月22日(土)10:50-11:50
「見逃してないだろうか?~3つの代表Killer diseaseと診断困難エビデンス~」
座長:田尻 宏之(葉山ハートセンター放射線科)
演者:西口 翔(湘南鎌倉総合病院総合内科)詳 細
救急で受診した患者で入院が必要だけれども、病気が確定できない。尿路感染症や誤嚥性肺炎疑うけども何か違う。急性期病院で働いていると、そんな経験をきっと皆がしているはずだろう。急性期の内科疾患には早期診断と治療が大切な疾患がある。病状が一見安定しているように見えても、入院後に急に悪化する疾患がある。場合によっては致死的な転帰をたどることや多大な後遺症を残すことがあるため、注意が必要だ。
新型コロナウィルスが流行り始めで亡くなる方が多数いた頃の致死率と比較しても、急性期の内科疾患でそれよりも致死率が高く診断困難な疾患がある。そのような代表3疾患の症状や診断までの過程を具体的に解説していく。そして、どんな時に診断が遅れるのか?エビデンスを交えて説明していく。
急性期の内科疾患で致死率が高い診断困難な疾患があることを理解する。まずは、意識することから適切な診断につながるはずだ。そして、診断を想起することが難しい要因を知り、いかにそのような疾患の診断を支援するセーフティーネットを張り巡らしていくかが今後大切になっていくだろう。今回の教育講演では、見逃し内科代表3疾患の症例と私たちの臨床研究の結果から学び、診療に役立てて頂きたい。
新型コロナウィルスが流行り始めで亡くなる方が多数いた頃の致死率と比較しても、急性期の内科疾患でそれよりも致死率が高く診断困難な疾患がある。そのような代表3疾患の症状や診断までの過程を具体的に解説していく。そして、どんな時に診断が遅れるのか?エビデンスを交えて説明していく。
急性期の内科疾患で致死率が高い診断困難な疾患があることを理解する。まずは、意識することから適切な診断につながるはずだ。そして、診断を想起することが難しい要因を知り、いかにそのような疾患の診断を支援するセーフティーネットを張り巡らしていくかが今後大切になっていくだろう。今回の教育講演では、見逃し内科代表3疾患の症例と私たちの臨床研究の結果から学び、診療に役立てて頂きたい。
教育講演2
第7会場(広島国際会議場 B2 ラン2)
2025年2月23日(日)15:00-16:00
2025年2月23日(日)15:00-16:00
「POCUS(Point-of-care ultrasound)で日々の臨床を快適に!エコーによる頸静脈圧と横隔膜機能の評価方法と臨床への応用」
座長:髙橋 宏瑞(順天堂大学医学部附属順天堂医院総合診療科)
モデレーター:馬渕 卓(東京科学大学総合診療科)
演者:関口 大樹(東京科学大学総合診療科)演者:山田 徹(東京科学大学総合診療科)
詳 細
近年日本でも目的指向型の超音波検査であるPOCUS(Point-of-care ultrasound)が広まりつつある。POCUSは心臓・肺・腹部・下肢血管や穿刺手技などが主ではあるが、それ以外にも活用できる場面は複数ある。今回はそれらの中で頸静脈圧と横隔膜機能の評価方法と臨床応用について取り上げる。
頸静脈圧は右房圧を反映するといわれているが頸静脈の拍動を肉眼で評価する従来の方法は観察がやや難しく、正確性に乏しいことが問題である。近年では肉眼的な評価に代わりエコーによる頸静脈圧の計測方法が確立されてきた。また、ただの頸静脈圧だけでなく、Hepato-Juglar reflexによる頸静脈評価もエコーで行うことができ、左房圧の予測が可能である。また計測方法も簡便であるため、多少エコーの扱いに慣れている医療者であればすぐに習得が可能であり、臨床に直結する有用なスキルである。
横隔膜機能はエコーで簡便に評価することが可能であるが、まだ知名度は低く普及しているとは言いがたい。人工呼吸器離脱の成功率の予測だけでなく、原因不明とされてきた呼吸不全の一因としての横隔膜機能障害についても容易に評価が可能である。手技も簡便であるため、ある程度学べばすぐに臨床で活用することができる。
今回は頸静脈圧と横隔膜について、基本知識の確認、エコー手技のデモンストレーションと臨床応用について解説する。
頸静脈圧は右房圧を反映するといわれているが頸静脈の拍動を肉眼で評価する従来の方法は観察がやや難しく、正確性に乏しいことが問題である。近年では肉眼的な評価に代わりエコーによる頸静脈圧の計測方法が確立されてきた。また、ただの頸静脈圧だけでなく、Hepato-Juglar reflexによる頸静脈評価もエコーで行うことができ、左房圧の予測が可能である。また計測方法も簡便であるため、多少エコーの扱いに慣れている医療者であればすぐに習得が可能であり、臨床に直結する有用なスキルである。
横隔膜機能はエコーで簡便に評価することが可能であるが、まだ知名度は低く普及しているとは言いがたい。人工呼吸器離脱の成功率の予測だけでなく、原因不明とされてきた呼吸不全の一因としての横隔膜機能障害についても容易に評価が可能である。手技も簡便であるため、ある程度学べばすぐに臨床で活用することができる。
今回は頸静脈圧と横隔膜について、基本知識の確認、エコー手技のデモンストレーションと臨床応用について解説する。
教育講演3
第7会場(広島国際会議場 B2 ラン2)
2025年2月23日(日)16:10-17:10
2025年2月23日(日)16:10-17:10
「HIV診療における病院総合診療医の役割」
座長:大塚 勇輝(岡山大学病院総合内科・総合診療科)
演者:塚田 訓久(埼玉医科大学総合医療センター感染症科・感染制御科)詳 細
抗HIV療法の進歩によりHIV感染症は長期生存可能な慢性疾患となったが、エイズ診療拠点病院中心のHIV診療体制は、HIV感染症自体の管理がHIV診療の大部分を占めていた1990年代からさほど変化していない。抗HIV療法の進歩と患者層の高齢化に伴い、安定期のHIV陽性者の合併症は動脈硬化性疾患や悪性腫瘍などHIV感染症と直接関連しない一般的な疾患群が主なものとなっており、拠点病院だけですべての合併症に対応することは既に困難な現状がある。拠点病院でHIV診療を担ってきた専門医の高齢化も考え合わせれば、現状のHIV診療体制は早晩破綻する。治療薬の副作用や相互作用の問題が劇的に解消されたことから、安定期のHIV陽性者の診療においてHIV特異的な専門知識が求められる場面はもはやほとんどなく、病院総合診療医が専門医との協業のもとHIV診療の一翼を担うことは現実解となりうる。実稼働している拠点病院は都市部に偏在しており、地域の病院総合診療医がHIV陽性者に対応できることは、高齢化する陽性者の医療アクセスの観点からも大きなメリットをもたらす。また、特に非都市部における診断時点でのエイズ発症率はいまだ高く、未診断のHIV感染症の診断、および抗HIV療法を導入可能な拠点病院に紹介するまでの間の初期対応を(望むと望まないとに関わらず)地域の病院総合診療医が担わねばならない場面も少なくない。本講演では、病院総合診療医が日本のHIV診療において果たしうる役割と、そのための心構えについて紹介する。
教育講演4
第7会場(広島国際会議場 B2 ラン2)
2025年2月23日(日)17:10-18:10
2025年2月23日(日)17:10-18:10
「マイナスから始める性感染症診療」
座長:石丸 裕康(市立伊勢総合病院内科)
演者:谷崎 隆太郎(市立伊勢総合病院内科・総合診療科)詳 細
21世紀は世界中で性感染症の再興を認める時代であり、先進国では淋菌感染症、性器クラミジア、梅毒が、特に MSM (Men who have sex with men) の間で著明に増加した。
性感染症の報告数には大きく地域差があることが知られており、人と人との接触が多い東京都などの都会の方が多い傾向にある。ただし、人口10万人あたりの感染者数を見た場合には、地方都市でもその割合が東京都と遜色ないという年度もあり、決して都会だけの病気ではないと言える。MSM は性感染症のリスク因子とされるが、人口の約10%を占めるとされる LGBTQs の一つに数えられる。すなわち、性感染症診療においては、性的マイノリティへの理解も求められる。
性感染症は尿道炎や子宮頚管炎といった性器症状だけでなく、口腔・咽頭病変や、皮疹、関節痛など性器外症状を呈することが知られている。性器症状が出現すれば、患者は泌尿器科や婦人科を受診することが多いが、性器外症状が出現した場合には内科を受診することもある。また、性感染症は同時に複数合併しうることや、無症候性感染がありうるため、一つの性感染症を診断した時点でその他の性感染症のスクリーニングも必要である。特に HIV 感染症は、早期発見、早期治療によりHIV非感染者と同等の寿命を全うできる疾患へと変貌したため、エイズを発症する前の段階で見つけることは患者の命を救うことと同等であり、性感染症を診断した全例でスクリーニング検査が推奨される。もちろん、性感染症が自然に発生することはなく、一人の性感染症を診断したら必ずもう1人以上の患者が存在する。すなわち、パートナー治療を勧めることも必須である。
以上のように、性感染症は多面的なアプローチが求められる疾患であり、総合診療医が診療するのに適した疾患と言える。
本講演では、性器症状をきたす代表的な性感染症と、性器外症状をきたす代表的な性感染症について、知識ゼロから、いや、マイナスの状態でも学べる仕様で概説する。
性感染症の報告数には大きく地域差があることが知られており、人と人との接触が多い東京都などの都会の方が多い傾向にある。ただし、人口10万人あたりの感染者数を見た場合には、地方都市でもその割合が東京都と遜色ないという年度もあり、決して都会だけの病気ではないと言える。MSM は性感染症のリスク因子とされるが、人口の約10%を占めるとされる LGBTQs の一つに数えられる。すなわち、性感染症診療においては、性的マイノリティへの理解も求められる。
性感染症は尿道炎や子宮頚管炎といった性器症状だけでなく、口腔・咽頭病変や、皮疹、関節痛など性器外症状を呈することが知られている。性器症状が出現すれば、患者は泌尿器科や婦人科を受診することが多いが、性器外症状が出現した場合には内科を受診することもある。また、性感染症は同時に複数合併しうることや、無症候性感染がありうるため、一つの性感染症を診断した時点でその他の性感染症のスクリーニングも必要である。特に HIV 感染症は、早期発見、早期治療によりHIV非感染者と同等の寿命を全うできる疾患へと変貌したため、エイズを発症する前の段階で見つけることは患者の命を救うことと同等であり、性感染症を診断した全例でスクリーニング検査が推奨される。もちろん、性感染症が自然に発生することはなく、一人の性感染症を診断したら必ずもう1人以上の患者が存在する。すなわち、パートナー治療を勧めることも必須である。
以上のように、性感染症は多面的なアプローチが求められる疾患であり、総合診療医が診療するのに適した疾患と言える。
本講演では、性器症状をきたす代表的な性感染症と、性器外症状をきたす代表的な性感染症について、知識ゼロから、いや、マイナスの状態でも学べる仕様で概説する。
教育講演5 オンデマンド配信
2025年2月22日(土)から配信開始予定
「ホスピタリストのための患者安全教育」
企画:小坂 鎮太郎(東京都立広尾病院病院総合診療科)
教育講演6 オンデマンド配信 専攻医セミナー
2025年2月22日(土)から配信開始予定
「高齢者のケア」
講師:野溝 崇史(湘南厚木病院)
教育講演7 オンデマンド配信 専攻医セミナー
2025年2月22日(土)から配信開始予定
「法令の理解と遵守」
講師:小松 守(帯広厚生病院)
教育講演8 オンデマンド配信 専攻医セミナー
2025年2月22日(土)から配信開始予定
「EBM(臨床疫学とEBM)」
講師:本田 優(浜松医科大学)
教育講演9 オンデマンド配信 専攻医セミナー
2025年2月22日(土)から配信開始予定
「アドバンス・ケア・プランニング」
講師:原田 拓(練馬光が丘病院)
教育講演10 オンデマンド配信 専攻医セミナー
2025年2月22日(土)から配信開始予定
「語学力(英語論文執筆)」
講師:伊東 完(東京医科大学茨城医療センター)
育成賞/指導医賞候補演題
第1会場(広島国際会議場 B2 ヒマワリ)
2025年2月22日(土)
2025年2月22日(土)
一般演題(口演)
第5~7会場
2025年2月22日(土)
2025年2月22日(土)
ポスターセッション
ポスター会場
2025年2月22日(土)・23(日)
2025年2月22日(土)・23(日)
Meet the Expert
第4会場(広島国際会議場 B2 コスモス1)
2025年2月22日(土)09:10-10:10
共催:広島大学病院総合診療医センター
2025年2月22日(土)09:10-10:10
共催:広島大学病院総合診療医センター
講師:東條 環樹(広島大学病院総合診療医センター長)
講師:重信 友宇也(広島大学病院総合内科・総合診療科 )
講師:池田 晃太朗(広島大学病院総合内科・総合診療科 )
ランチョンセミナー1
第2会場(広島国際会議場 B2 ダリア1)
2025年2月22日(土)12:00-12:50
共催:株式会社ツムラ
2025年2月22日(土)12:00-12:50
共催:株式会社ツムラ
座長:小川 恵子(広島大学病院漢方診療センター)
「脳神経外科医の視点から見た、頭痛とめまいの漢方治療」
演者:川村 強(⼋⼾市⽴市⺠病院漢⽅内科)
ランチョンセミナー2
第3会場(広島国際会議場 B2 ダリア2)
2025年2月22日(土)12:00-12:50
共催:CSLベーリング株式会社
2025年2月22日(土)12:00-12:50
共催:CSLベーリング株式会社
座長:多胡 雅毅(佐賀大学医学部附属病院総合診療部)
「遺伝性血管性浮腫(HAE)を知って学んで治療する!HAEのすべてが詰まった1時間」
演者:薬師寺 泰匡(医療法人薬師寺慈恵会薬師寺慈恵病院院長)
ランチョンセミナー3
第3会場(広島国際会議場 B2 ダリア2)
2025年2月23日(日)11:45-12:35
共催:Alnylam Japan株式会社
2025年2月23日(日)11:45-12:35
共催:Alnylam Japan株式会社
「Message from a Leading Country in Work Styles: How does Swedish Society ensure physicians in balancing work and family life?」
Chair:Susumu Tazuma(JR Hiroshima Hospital)
「Keynote lecture: Working Conditions for Swedish Physicians with Reference to My Own Experience in Porphyria Care. 」
Eliane Sardh(Head of Swedish Porphyria Centre, Karolinska University Hospital President, International Porphyria Network)
Discussant:Tomohide Adachi(Tokyo Saiseikai Central Hospital)
Naoko Katsuki(Saga University Hospital)
第470回ICD講習会
第1会場(広島国際会議場 B2 ヒマワリ)
2025年2月24日(月祝)13:00-14:30
2025年2月24日(月祝)13:00-14:30
座長:溝岡 雅文(JA広島総合病院総合診療科)
「予防医学の視点から見た口腔ケア:臨床研究に基づくアプローチ」
演者:西 裕美(広島大学病院口腔総合診療科)
「AID Stewardship modelの要でありたい」
演者:樫山 誠也(広島大学病院診療支援部臨床検査部門)
「薬剤耐性菌の現状と感染対策(仮)」
演者:北川 浩樹(広島大学病院感染症科)