会長挨拶

第30回日本がん免疫学会総会
会長 門脇 則光
香川大学医学部 血液・免疫・呼吸器内科学

第30回日本がん免疫学会総会
会長 門脇 則光
香川大学医学部 血液・免疫・呼吸器内科学
このたび、第30回日本がん免疫学会総会を、2026年7月22日(水)~24日(金)に初めて香川県で開催いたします。
がん免疫療法の発展により、がん治療の枠組みは大きな変貌を遂げました。がんのような巨大な医学領域において、これほどの急速なパラダイムシフトは滅多にないでしょう。そしてさらに、がん免疫研究の進歩はとどまるところを知りません。がん関連の一流専門誌、さらに一般誌でも、がん免疫に関する論文が毎号数多く掲載され、裾野の拡大を続けています。この流れはまさに、immune desert(免疫砂漠)として長い間この分野の研究者を苦しめてきた免疫抑制性のがん微小環境をいかに打破し、がん特異的免疫反応を誘導するかという闘いの歴史であり、その意味を込めて、本総会のテーマを「がん vs 免疫 ― 攻防のダイナミクスを解き明かす」としました。
がん免疫研究は、cancer-immunity cycleに示されるような、がん抗原 – 自然免疫 – 樹状細胞 – リンパ組織 – エフェクター細胞 – がん微小環境というさまざまなフェーズからなり、また実用化に向けた基礎研究 – 臨床研究 – 産官学連携というさまざまなレイヤーからなっています。本総会ではこうしたがん免疫に対するあらゆる方向からのアプローチを包含して、いろいろな立場の参加者が楽しめる構成にします。
そして、欧米、アジアを含む世界各国からの演者をお招きするとともに、例年のように若手をエンカレッジする企画を盛り込んで、刺激的、かつ近未来のがん免疫研究の発展を視野に入れた立体的な構成を目指します。
現地での対面開催を主体にしますが、なかなか時間の取れない方や海外演者の利便性を考慮して、ハイブリッド形式を併用します。
会場はJR高松駅前にあり、高松空港からも直通バスでアクセスできる好立地です。「うどん県。それだけじゃない香川県」と県がアピールしているように、さぬきうどん以外にも、瀬戸内の海の幸や数多くの見どころが小さな県に詰まっていますので、この機会にぜひお楽しみください。多くの皆様のお越しを心よりお待ちしております。