第30回日本精神科救急学会学術総会

ご挨拶

大会長挨拶

第30回日本精神科救急学会学術総会
大会長:松尾 幸治
(埼玉医科大学医学部精神医学 教授)
 この度、第30回日本精神科救急学会総会を、副大会長である埼玉県精神科病院会長、西熊谷病院理事長の林文明先生と共に埼玉で開催させていただくことになり、大変光栄に存じます。

 今回のテーマは、「精神科救急の原点から未来を考える」とさせていただきました。これは、第30回という節目であることから、今一度本学会が立ち上がることになったきっかけや、わが国の精神科救急の歴史および本学会の歴史を振り返り、今後の精神科救急のあり方を探るという意味を込めております。

 COVID-19によりわが国の精神科医療のシステムは大きな変革を求められました。入院治療においては、外泊外出の制限、転入院の受入制限、デイケア縮小など萎縮した精神科医療を強いられ、患者さんは多大な不利益を被っております。また、自治体における精神科救急輪番システムに関してもコロナ疑いの患者対応が求められ、大きな変化をせざるを得なくなりました。こうした混乱した時期だからこそ、原点に立ち戻り、足下を見つめ、そして未来の精神科救急を考えるには良いチャンスと思っております。

 会期は2022年9月30日金曜と10月1日土曜日の2日間、埼玉会館(さいたま市)で開催いたします。埼玉会館は、1926年に渋沢栄一らが中心となって建設され、1966年にモダニズム建築として日本を代表する前川國男氏の設計により建て替えられ、落ち着いた会場です。

 埼玉は私が育った地で、小江戸川越、渋沢栄一記念館、鉄道博物館など楽しいところが多くあります。一方、埼玉に関する自虐的映画が大ヒットしたことに象徴されるように、海以外のたいていのものは揃っているものの、埼玉といえばこれ、という象徴的なものがございません。この埼玉の訪れ、自虐的映画も笑っていられる心のゆとりと懐の深さのある県民性を感じていただき、モノではないコトを多く体験して頂ければと思っております。

 コロナ禍がいつまでも落ち着きませんが、少しでも皆様に楽しんでいただけるよう、趣向を凝らしたプログラムにしたいと思っております。
 多くの方がご参加下さるよう心よりお待ちしております。

副大会長挨拶

第30回日本精神科救急学会学術総会
副大会長:林 文明
(埼玉県精神科病院協会会長/公益財団法人 西熊谷病院 理事長 院長)
 この度、第30回日本精神科救急学会学術総会(埼玉大会)の副大会長を務めさせていただくことになりました。この場をお借りし、御挨拶を述べさせていただきます。

 2021年は、コロナ禍において医療のみならず社会活動に大変な影響を受けました。今年はまさにコロナ禍を乗り切り、飛躍の年となることを望んでおります。その中で行われる日本精神科救急学会は特に大きな意味を持つと考えております。第15回日本精神科救急学会は『精神科救急と自殺』を基本テーマに山内俊雄埼玉医科大学名誉学長が大会長を務められ埼玉県にて盛大に開催されました。そこから15年、記念すべき第30回大会は、『精神科救急の原点から未来を考える』を基本テーマとして埼玉医科大学神経精神科・心療内科診療部長の松尾幸治大会長のもと、さらに飛躍した大会が開催されることとなります。

 コロナ禍の状況で埼玉県におきましても精神科救急医療は大きく変化いたしました。県の精神科救急医療システムにて、定期的な運営会議を持ち、議論を行いました。その結果、コロナ陽性患者への対応や措置診察時の発熱患者への対応、コロナ禍における安定したシステムの構築など行う事が出きました。運営会議では山内俊雄先生、松尾幸治先生を中心に、埼玉県、埼玉県精神科病院協会、埼玉精神神経科診療所協会、県立精神医療センターそして埼玉医科大学、防衛医科大学、順天堂越谷病院など大学病院との連携により強固な運営を図っております。お互いが連携する中で新たな精神科救急医療システムを構築することができたと考えております。

 今大会におきまして、コロナ禍で経験したことを活かし、原点に立ちかえり、患者さんファーストの精神を持ち、未来に向けた精神科救急医療の発展が為されるよう努力してまいります。

 さらに、全国からたくさんの皆様にお越しいただき、充実した大会運営が行われるよう祈念し、ご挨拶とさせていただきます。