第33回日本精神科救急学会学術総会

ご挨拶

第33回日本精神科救急学会学術総会
大会長 赤田 卓志朗
群馬県立精神医療センター 院長

第33回日本精神科救急学会学術総会
大会長 赤田 卓志朗
群馬県立精神医療センター 院長

 当ホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。大会長の群馬県立精神医療センター赤田です。この度、第33回日本精神科救急学会学術総会を「Hot Pref.」で知られる群馬県(高崎市)にて、副大会長の群馬大学大学院医学系研究科 神経精神医学 准教授 武井雄一先生、日本精神科病院協会 群馬県支部 支部長/上毛病院 理事長 服部真弓先生と共に日本精神科救急学会ご協力の下、開催することとなりました。

 大会テーマは「精神医療の新しい景色を精神科救急から拓く」に致しました。令和6年は令和4年12月に公布された精神保健福祉法の一部改正法が全面施行されたり、診療報酬改正がなされたりなど精神医療の環境が大きく変わる年になりました。また、治療技術についても新たな取り組みなどが行われており、精神医療は一歩一歩ではありますが確実に前進しています。一方で法の改正の背景には精神医療の一部に不適切な対応がありました。このように現在の精神医療は、外部から厳しくも大きな期待の目で見られている立場にあると思われます。その中で精神科救急医療は対象者が初めて精神医療と出会う場である可能性が高く、その医療内容がその後の対象者やその周りの関係者と精神医療との関わりに大きく影響する非常に重要な役割も有していると考えられます。その精神科救急では非自発的処遇・非自発的医療が必要な場面が多くみられます。もとより対象者や関係者は非自発的処遇・非自発的医療を望んでいないわけですし、入院期間はできるだけ短期であることを望むでしょう。そういう意味では、精神科救急医療は人権に配慮した、適切かつ外部からも開かれた医療がより求められると感じています。精神科救急医療の発展のため各地で新しい取り組みなどが行われていると思いますし、それでもまだ未解決の課題も多いと思います。この様な取り組みや課題をご紹介したり一緒に考えることで、「精神医療の新しい景色」が生まれて欲しいとの思いから、上記テーマに致しました。是非、多くの方に参加していただき、皆様方にとって実りある会にできればと考えております。

 ちなみに、群馬県は残念ながら全国魅力度ランキングで最下位を争っており、多くの方は一度も足を踏み入れたことがないのではないかと思われます。海はありませんが上毛三山(赤城山、榛名山、妙義山)などの山々、尾瀬、湖、滝など美しい自然の風景、草津温泉、伊香保温泉、四万温泉など数々の名湯もあります。また、良質な小麦が採れることから粉もの文化が盛んで、うどんやラーメンなどおいしいお店がいっぱいあります(特に開催地である高崎市はパスタの町なんですよ)。この学会に参加していただき、群馬をゆっくり堪能していただければ幸甚です。皆様方と現地でお会いできること、楽しみにしております。

令和6年12月吉日

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