ご挨拶
この度、第34回日本精神科救急学会学術総会を、社会医療法人杏和会 阪南病院 院長 黒田 健治先生、医療法人稲門会 いわくら病院 院長 崔 炯仁先生、医療法人長尾会 ねや川サナトリウム 院長/大阪精神科病院協会 会長 長尾 喜一郎先生の3名の先生方を副大会長とし、事務局長として当教室の木下 真也先生と共に、大阪府高槻市で開催させていただくことになり、大変光栄に存じます。
今回のテーマは、「精神科救急医療を守り、育てる」とさせていただきました。
近年、精神保健福祉法の改正や診療報酬改定など、精神科医療を取り巻く制度は大きな変革期を迎えています。精神科救急は、精神医療への入り口として極めて重要な役割を担っていますが、同時に、対応の困難さやマンパワー不足、医療従事者の負担増といった課題にも直面し続けています。
今こそ、患者さんの権利と生命を守ることはもちろんのこと、地域の救急医療体制そのものや、そこで尽力する医療従事者を「守る」視点が必要ではないでしょうか。そして、次世代を担う人材の教育、多職種連携の深化、地域ごとの実情に即した持続可能なシステムを「育てる」ことが、未来の精神科救急には不可欠であると考えます。本大会が、守るべき原点を見つめ直し、新たな発展を育むための活発な議論の場となることを願っております。
会期は2026年9月26日(土)と27日(日)の2日間、会場は「高槻城公園芸術文化劇場」にて行います。この会場は、かつての高槻城跡に位置する公園内に2023年に開館したばかりの新しい施設であり、歴史の記憶と現代芸術が調和した空間で、2025年の日本建築学会作品賞を受賞した木材の使用方法に目を瞠る特徴のある建物です。
開催地である高槻市は、大阪と京都のちょうど中間に位置し、交通の便が非常に良い場所です。古くは城下町として栄え、今城塚古墳などの歴史遺産や、「将棋のまち」としても知られています。また、豊かな自然と都市機能が融合しており、学会の合間には、歴史情緒あふれる街並みや激戦区であるラーメンをはじめとした地元の食文化も楽しんでいただけるものと思います。
多くの皆様に高槻の地に足を運んでいただき、精神科救急の未来について語り合えることを楽しみにしております。実り多き大会となるよう、関係者一同、鋭意準備を進めてまいります。
皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。
第34回日本精神科救急学会学術総会
大会長 金沢 徹文
大阪医科薬科大学 医学部 総合医学講座 神経精神医学教室 教授
