会長挨拶

第7回日本石綿・中皮腫学会学術集会
会 長:栗林 康造
(兵庫医科大学 中皮腫センター)
 この度、第7回日本石綿・中皮腫学会学術集会ならびに市民公開講座を、2026年9月5日(土)、6日(日)の2日間、兵庫医科大学において開催させていただくこととなりました。開催にあたり、多大なるご支援を賜っております関係各位に、心より御礼申し上げます。
 本学会は、「石綿・中皮腫研究会」と「日本中皮腫研究機構」という二つの伝統ある学術団体が統合する形で、2019年2月に発足しました。以来、石綿関連疾患および中皮腫に関わる臨床・研究・社会的課題について、多職種・多分野の専門家が一堂に会し、活発な議論を重ねてまいりました。今回の学術集会は、第7回目の開催となります。
 今回開催させていただく当地・阪神地区は、国内外でも患者数が多い地域として知られており、日常診療の中で患者さんやご家族の切実な声を直接伺う機会も少なくありません。そのような背景のもと、第3回学術集会に続き、再び兵庫医科大学において本学術集会を開催できることは、大きな意義を有するものと考えております。
 日本の戦後復興と高度経済成長を支えた「奇跡の鉱物」とも称された石綿に起因する、中皮腫を含めた石綿関連疾患は、過去の経済成長と深く結びついた疾患であり、長い潜伏期間を経て発症するという特性から、現在においても新規患者の発生が続いています。一方で、疾患の希少性や研究基盤の制約により、治療開発やエビデンス構築は容易ではありませんでした。
 そのような状況の中、本学会は決して大規模な学会ではありませんが、学術的知見の集積と臨床現場からの継続的な発信を通じて、行政や規制当局にも御協力頂き、治療開発の進展に寄与してきました。2018年8月には、免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブが胸膜中皮腫に対してPMDAより世界に先駆けて承認され、さらに2023年には非胸膜中皮腫(腹膜・心膜・精巣漿膜)への適応拡大が実現しました。これらの承認の基盤となったMERIT試験およびVIOLA試験は、本学会に参加している施設が中心となって実施されました。
 今後も、患者さん、そして社会に少しでも貢献できるよう、明確な目的意識をもって活動を継続していくことが、本学会の使命であると考えています。
 年に一度の学術集会は、最新の知見を共有する場であると同時に、次の一年、さらにはその先に向けて「何をなすべきか」を確認する重要な機会です。明日からの診療や研究につながるヒントを得ていただける場となるよう、充実したプログラムを準備してまいります。また、市民公開講座においても、患者さんやご家族、一般市民の方々へ有意義な情報を提供したいと考えております。
 本学術集会が、実り多く、活発で、そして熱意に満ちた場となるよう、運営に尽力してまいります。多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
 どうぞ奮ってご参加賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。