第78回中国四国小児科学会

会長挨拶

第78回中国四国小児科学会
会長 江口 真理子
愛媛大学大学院医学系研究科 小児科学講座

第78回中国四国小児科学会
会長 江口 真理子
愛媛大学大学院医学系研究科 小児科学講座

 このたび、第78回中国四国小児科学会を愛媛大学小児科学講座が主催させていただくことになりました。会期は2026年10月24日(土)、25日(日)で、愛媛県松山市(愛媛県医師会館)にて開催いたします。開催にあたり多くの方々にご協力を頂きましたことに心から感謝いたします。

 本学会のテーマは、「つなぐ医療、つなぐ未来」です。

 小児医療は、子どもと家族を中心に、地域、教育、福祉、行政、医療など多くの分野が連携し、“つながる”ことで支えられています。また、子どもたちの「いま」を守ることは、将来の社会を担う世代へ未来を“つなぐ”営みでもあります。瀬戸内海を隔てた中国四国地域には、これまでも強いつながりがありました。その絆をさらに深め、地域全体で小児医療の未来を築いていきたい―その思いを込めて、このテーマにさせていただきました。

 現在、小児医療を取り巻く環境は急速に変化しています。少子化が進み、地域の小児医療体制の維持・確保は大きな課題となっています。一方で、不登校児童生徒数は過去最多を更新し、家庭環境や学校環境、メンタルヘルスの問題など、背景は複雑化しています。さらに、スマートフォン使用の低年齢化に伴う睡眠・行動・情緒への影響も顕在化し、早期からの包括的支援が求められています。就学後を見据えた「5歳児健診」の充実に向けた議論も進んでおり、発達・行動面への早期介入体制の整備は、今後の小児保健の重要な柱となると考えられます。こうした課題に対し、小児科医一人ひとりの経験と知恵を地域全体で共有することが、いま強く求められています。

 中国四国地域では、日頃から小児科医同士の交流が盛んで、学術的知見と実践を通して地域の子どもたちを支えてきました。本学会が、世代や立場を超えて率直に語り合い、小児医療の未来を「ともにつないでいく」場となることを願っております。

 本学会では、学術的な学びに加え、多彩な企画を準備いたしました。特別講演には、テレビ番組「プレバト!」でも広く知られ、松山ご出身の俳人・夏井いつき先生をお迎えします。俳句という表現文化がもつ観察力や感性、そして「言葉で人を理解する視点」が、小児医療にどのような新たな示唆をもたらすのか─医療と文化を“つなぐ”試みとしても、大いに期待しております。また新たな取り組みとして初日冒頭に「若手優秀演題賞セッション」を設けました。日常診療で悩んだ症例や、患者・家族対応に苦慮した経験を共有し、実臨床に即した議論を深めるセッションも企画しております。

 学会前日の10月23日(金)夕方には、懇親のイベントとしてフィンランド発祥の「モルック大会」を開催予定です。体力に関係なく楽しめる競技であり、大学、病院、クリニックの垣根を越えた交流の場となることを期待しています。懇親会は道後山の手ホテルにて開催し、愛媛ならではのおもてなしも準備しております。

 本学会が、地域をつなぎ、専門領域をつなぎ、そして子どもたちの未来へつなぐ第一歩となることを願っております。秋の松山にて、中国四国の小児科医が世代を超えて学び、語り合い、未来の小児医療をともにつくる二日間となることを祈念し、皆さまのご参加を心よりお待ち申し上げます。

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