会長挨拶
第72回日本結核・非結核性抗酸菌症学会中国四国支部会 会長挨拶
第72回日本結核・非結核性抗酸菌症学会中国四国支部会
会長 礒部 威
島根大学医学部 内科学講座 呼吸器・臨床腫瘍学
この度、第72回日本結核・非結核性抗酸菌症学会中国四国支部会の会長を拝命いたしました、島根大学医学部内科学講座 呼吸器・臨床腫瘍学の礒部 威です。伝統ある本学会を主催させていただきますことを大変光栄に存じます。
呼吸器領域は新型コロナウイルス感染症への対応に追われる毎日です。学会の運営にも大きな影響を与えます。新型コロナウイルス感染症に気を取られて、結核、非結核性抗酸菌症の診断、治療、研究、教育が疎かにならないようにしたいと思います。結核については日本の罹患率が10未満(人口10万対)となる日が近づいてきており、ようやく結核低蔓延国の仲間入りができそうですが、高齢者の結核や外国人結核などの診療上の問題のみならず、医学生、医療者の経験不足にどのように対応するのかも重要な課題です。
増加の一途をたどる非結核性抗酸菌症については、治療の最適化に関するエビデンスが十分とは言えず、今後はリサーチクエッションを明確にした多施設共同研究を行っていく必要があると思います。また、危険因子や病因を明らかにして、早期診断や予防に関する研究を活性化していくことも重要です。
この学会は呼吸器学会、呼吸器内視鏡学会との合同開催です。そこで学会のテーマを「All for better patient care ~英知と技術の結集~」とし、知識のアップデートと研究情報の共有の場にしたいと考えております。優れた演題発表には優秀賞が授与されます。後期研修医までの発表に対しては奨励賞を設けます。行政、メディカルスタッフの皆さまの参加も歓迎いたします。多くの演題の応募を期待しておりますので何卒よろしくお願い申し上げます。