ご挨拶
第36回日本臨床細胞学会中国四国連合会総会・学術集会
会 長:京 哲
(島根大学医学部 産科婦人科学)
第36回日本臨床細胞学会中国四国連合会総会・学術集会を開催するにあたり、学術集会長としてご挨拶申し上げます。昨年の総会・学術集会はコロナ禍により残念ながらWEB開催となりましたが、今回は松江市の松江テルサでの現地開催を予定しております。会 長:京 哲
(島根大学医学部 産科婦人科学)
本会のメインテーマとして「ゲノムから見る細胞診断学」を掲げました。本会は決して細胞診に特化した学会ではなく、細胞学会という名が示すとおり、広く細胞学、細胞生物学を対象とする会です。ゲノム解析技術の飛躍的な進歩と共に、ゲノムを中心とした細胞生物学が学問体系として発展してきましたが、それが日常臨床にも応用されるようになったのは最近のことです。特に数年前に遺伝子パネル検査が保険収載となり、あっという間に日常臨床に入り込んできました。ゲノム医療の進歩に伴い、遺伝性腫瘍の診断,取り扱いも大きく変化し、もはやゲノム医療、ゲノム診断の理解なくして日常臨床をこなすことが難しい時代になっています。
我々細胞診断学に携わる職種においては、遺伝子パネル検査を始めとするゲノム診断やゲノム医療の理解にととどまらず、ゲノム検体の取り扱いやカウンセリング法、ゲノムにまつわる倫理的問題など、周辺知識の深い理解が欠かせない状況となっております。そこで本学術集会は、このような急速な展開の中で、かゆいところに手が届くテーマをシンポジウムや教育講演として取り上げました。参加下さった方々にとって、ゲノム医療の理解が一層深まり、各々の日常業務にしっかりと落とし込んでいただければ幸いです。
コロナ禍ではありますが、何とか島根にお越しいただき、会員の親睦、交流を深める機会にしていただければと思います。中四国の中でも島根は特に交通の便が悪く、お越しいただくのにご苦労をおかけしますが、松江近辺には多数の温泉があり、また出雲大社、足立美術館、日御碕、世界遺産の石見銀山など、名だたる観光名所もありますので、こちらにもぜひお立ち寄りいただきたいと思います。スタッフ一同盛会となるよう鋭意努力致しますので、何卒ご協力を賜りますようお願い申し上げます。