
会長挨拶
第124回日本消化器病学会中国支部例会
会長:大塚 基之
(岡山大学学術研究院医歯薬学域 消化器・肝臓内科学)

会長:大塚 基之
(岡山大学学術研究院医歯薬学域 消化器・肝臓内科学)
第124回日本消化器病学会中国支部例会の会長を担当させて頂くことになりました岡山大学 消化器・肝臓内科学の大塚基之です。このような機会を頂きありがとうございます。
正直申し上げて、学術的な観点からは、私自身はこの種の支部例会の存在意義をあまり分かっていない(いなかった)のですが、自分自身のことを振り返ってみると、研修医1年目に支部例会で症例発表をしたのが学術集会での発表デビューでした。もうすっかり忘れてしまいましたが、たぶんすごく緊張していたんだと思います。その後、10年あまり経過して、今度は支部例会での座長を担当した記憶があります。忘れましたが、これもまあまあ緊張していたと思います。
言いたいことは、「支部例会って、発表内容もさることながら、若手の先生にとっての『丁度いいデビュー戦の場』にできる機会」であり、若手の先生には、この機会を積極的に活用して「緊張感をも楽しみ尽くす」術を身につけて頂ければ、と思うのです。
そのうえで、学術的な内容についても、参加者全員でシェアして「問いを深めて、知を繋ぎ、未来を拓く」機会にできれば最高です。
参加して頂ける先生方は せっかくの週末を費やして参加されるのですから、発表者も座長も討論者も聴講者もその他の方々も、参加者全員がそこから最大限のアウトカムを得られるようにしたいと願っています。そのためには、先生方の積極的なディスカッション参加とそれによる深堀りが必要不可欠です。また、特別講演には、アウトカムの最大化の一助として、国立がんセンター東病院の内視鏡センター長の矢野友規先生にお願いをしています。矢野先生はJCOGの消化器内視鏡グループ代表で若手医師を引っ張るリーダー的な存在であり、消化器内視鏡分野の未来を拓く刺激的な話しをして頂けるものと思います。
11月最後の週末、慌ただしい時期になりますが、いつも参加されている先生方はもちろん、自分のように学術集会に一定の距離を置いている先生でも、「この支部例会だけには」ぜひ参加して討論に加わって頂くことで、未来のある若手の先生方の「記憶に残る会」にしていただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
皆様と岡山でお会いできるのを楽しみにしています。
正直申し上げて、学術的な観点からは、私自身はこの種の支部例会の存在意義をあまり分かっていない(いなかった)のですが、自分自身のことを振り返ってみると、研修医1年目に支部例会で症例発表をしたのが学術集会での発表デビューでした。もうすっかり忘れてしまいましたが、たぶんすごく緊張していたんだと思います。その後、10年あまり経過して、今度は支部例会での座長を担当した記憶があります。忘れましたが、これもまあまあ緊張していたと思います。
言いたいことは、「支部例会って、発表内容もさることながら、若手の先生にとっての『丁度いいデビュー戦の場』にできる機会」であり、若手の先生には、この機会を積極的に活用して「緊張感をも楽しみ尽くす」術を身につけて頂ければ、と思うのです。
そのうえで、学術的な内容についても、参加者全員でシェアして「問いを深めて、知を繋ぎ、未来を拓く」機会にできれば最高です。
参加して頂ける先生方は せっかくの週末を費やして参加されるのですから、発表者も座長も討論者も聴講者もその他の方々も、参加者全員がそこから最大限のアウトカムを得られるようにしたいと願っています。そのためには、先生方の積極的なディスカッション参加とそれによる深堀りが必要不可欠です。また、特別講演には、アウトカムの最大化の一助として、国立がんセンター東病院の内視鏡センター長の矢野友規先生にお願いをしています。矢野先生はJCOGの消化器内視鏡グループ代表で若手医師を引っ張るリーダー的な存在であり、消化器内視鏡分野の未来を拓く刺激的な話しをして頂けるものと思います。
11月最後の週末、慌ただしい時期になりますが、いつも参加されている先生方はもちろん、自分のように学術集会に一定の距離を置いている先生でも、「この支部例会だけには」ぜひ参加して討論に加わって頂くことで、未来のある若手の先生方の「記憶に残る会」にしていただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
皆様と岡山でお会いできるのを楽しみにしています。
第135回日本消化器内視鏡学会中国支部例会
会長:平岡 佐規子
(岡山大学学術研究院医療開発領域 炎症性腸疾患センター)

会長:平岡 佐規子
(岡山大学学術研究院医療開発領域 炎症性腸疾患センター)
はじめに
「観えるものから『みえないもの』を考える」――
少し禅問答のようですが、これこそが私たち内視鏡医の本領発揮の瞬間かもしれません。
内視鏡検査は、消化器疾患の診療において不可欠な手段であり、観察技術の向上とともに “観えるもの” は年々増えてきました。たとえば腫瘍領域では、拡大観察や特殊光観察により、微細な表面構造や血管パターンの違いが視認可能となり、病理組織、すなわち“みえないもの”を推測することができるようになってきました。また、胆膵領域では、EUS(超音波内視鏡)を用いた観察や治療が広く行われ、解剖学的に“観えない”領域にも的確な診断とアプローチが可能となっています。炎症性腸疾患の診療においても、内視鏡を通じて粘膜所見から病勢を読み取ったり、感染症の合併を除外したり、将来的な発がんリスクを考えたりと、多くの“みえないもの”を想像する手がかりが得られます。
内視鏡は手技の習得も重要ですが、単に “観る” だけで終わらず、その先にある “みえないもの” を考える力こそが、診断・治療を深めるカギとなります。画面の中で完結するのではなく、「この所見の背景には何があるのか?」と想像力を働かせることで、時には “消化管以外の何か” ――たとえば全身疾患、社会的背景、あるいは患者さんの生活までもが垣間見えることがあります。
一方で、近年は企業主催の症例検討会が減少し、特徴的な症例を気軽に共有する機会が少なくなってきました。疾患をマスとしてとらえ、病気の本質に迫るような視点も重要です。とはいえ、診療現場でのヒントは、「この前のあの症例、どうだった?」という振り返りの中に潜んでいるものです。支部会は、そうした症例を掘り下げ、知見を共有する貴重な機会です。
中国地方支部会は、 “現場の知恵” を集め、共有し、明日の診療に活かすための場でありたいと考えています。若手の先生には、症例をまとめ、自らの言葉で伝える訓練の場として、中堅・ベテランの先生には、ご自身の診療を振り返る機会として、この場をご活用いただけたらと思います。また、普段はなかなか顔を合わせる機会のない同僚や同期、昔お世話になった先生方、気にかけていた後輩たちと再びつながる、そんな “再会と交流” の場としても支部会を感じていただければ幸いです。
たくさんの演題のご応募と、皆さまのご参加を心よりお待ちしております!
「観えるものから『みえないもの』を考える」――
少し禅問答のようですが、これこそが私たち内視鏡医の本領発揮の瞬間かもしれません。
内視鏡検査は、消化器疾患の診療において不可欠な手段であり、観察技術の向上とともに “観えるもの” は年々増えてきました。たとえば腫瘍領域では、拡大観察や特殊光観察により、微細な表面構造や血管パターンの違いが視認可能となり、病理組織、すなわち“みえないもの”を推測することができるようになってきました。また、胆膵領域では、EUS(超音波内視鏡)を用いた観察や治療が広く行われ、解剖学的に“観えない”領域にも的確な診断とアプローチが可能となっています。炎症性腸疾患の診療においても、内視鏡を通じて粘膜所見から病勢を読み取ったり、感染症の合併を除外したり、将来的な発がんリスクを考えたりと、多くの“みえないもの”を想像する手がかりが得られます。
内視鏡は手技の習得も重要ですが、単に “観る” だけで終わらず、その先にある “みえないもの” を考える力こそが、診断・治療を深めるカギとなります。画面の中で完結するのではなく、「この所見の背景には何があるのか?」と想像力を働かせることで、時には “消化管以外の何か” ――たとえば全身疾患、社会的背景、あるいは患者さんの生活までもが垣間見えることがあります。
一方で、近年は企業主催の症例検討会が減少し、特徴的な症例を気軽に共有する機会が少なくなってきました。疾患をマスとしてとらえ、病気の本質に迫るような視点も重要です。とはいえ、診療現場でのヒントは、「この前のあの症例、どうだった?」という振り返りの中に潜んでいるものです。支部会は、そうした症例を掘り下げ、知見を共有する貴重な機会です。
中国地方支部会は、 “現場の知恵” を集め、共有し、明日の診療に活かすための場でありたいと考えています。若手の先生には、症例をまとめ、自らの言葉で伝える訓練の場として、中堅・ベテランの先生には、ご自身の診療を振り返る機会として、この場をご活用いただけたらと思います。また、普段はなかなか顔を合わせる機会のない同僚や同期、昔お世話になった先生方、気にかけていた後輩たちと再びつながる、そんな “再会と交流” の場としても支部会を感じていただければ幸いです。
たくさんの演題のご応募と、皆さまのご参加を心よりお待ちしております!