会長挨拶
第44回日本肝臓学会西部会 会長 日野 啓輔 川崎医科大学 肝胆膵内科学 教授 |
この度、第44回日本肝臓学会西部会の会長を拝命しました川崎医科大学肝胆膵内科学の日野啓輔です。歴史と伝統ある本会を担当させていただくことを大変光栄に存じます。
私にとって肝臓研究を初めて学会発表したのが1984年12月に鹿児島で開催された第19回日本肝臓学会西部会(会長:橋本修治教授)であり、こうして37年後に会長を務めさせていただくことに不思議な縁を感じるとともに、あらためて感謝の念を抱いています。
2020年にはC型肝炎ウイルス(HCV)発見に対してノーベル生理学・医学賞が授与されましたが、あたかも平成時代を疾風のごとく駆け抜けたHCV研究を象徴するような受賞であったと思います。令和時代に入って肝臓学研究も大きく様変わりし、代謝や臓器連関そして肝癌治療の新たな展開に注目が集まっています。このように新たな時代に突入した肝臓学研究の学術集会のテーマとして「肝臓学を愉しむ」としました。「愉しむ」は「楽しむ」にくらべてより能動的な意味合いが強いとされています。37年前の発表で故服部 信教授(金沢大学)から励ましの言葉をいただき、肝臓学が大好きになったことが思い出されます。今後の日本肝臓学会の発展、そして肝臓学研究の進展には若い医師・研究者の力が不可欠だと思います。この肝臓学会西部会においても若い医師・研究者が積極的に参加し、「肝臓学って本当におもしろい」と思っていただければ会長としてこれほど嬉しいことはありません。
特別講演として、国立がん研究センター理事長の中釜 斉先生とEdwards Lifesciences社vice presidentの王 恵民先生にご講演をお願いしています。中釜先生には今後のがん医療を展望していただけると思います。王先生は麻酔科医でもありますが、グローバル経済からみた革新的医療技術の社会への貢献等についてお話しいただけることになっています。
令和3年10月28日現在、幸いにもコロナ感染は減少傾向を認め社会生活も少しずつコロナ以前に戻りつつあります。開催形態については大変悩みましたが、意を決して現地開催を決定しました。もちろん今後の感染状況によってはハイブリッド開催へ舵を切らざるをえない状況も想定はしています。各ご施設の感染対策対応基準等でご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、何卒ご理解のほどお願い致します。WEBによる学会参加に慣れてこられた会員の皆様も多いかと思いますが、やはりface to faceによる学会本来の議論を行うことで本会のテーマであります「肝臓学を愉しむ」ことを体感していただくことを切に願っています。