公益社団法人 日本口腔インプラント学会 第45回 中国・四国支部学術大会

大会長挨拶

公益社団法人 日本口腔インプラント学会
第45回 中国・四国支部学術大会
大会長 窪木 拓男
岡山大学学術研究院医歯薬学域 インプラント再生補綴学分野

公益社団法人 日本口腔インプラント学会
第45回 中国・四国支部学術大会
大会長 窪木 拓男
岡山大学学術研究院医歯薬学域 インプラント再生補綴学分野

 時下,益々ご清祥のこととお慶び申し上げます.

 さて,このたび当分野では,来る令和7年12月13日(土),14日(日)の2日間にわたり,岡山市の「ルネスホール」にて,公益社団法人 日本口腔インプラント学会 第45回中国・四国支部学術大会を担当させていただくこととなりました.わたくしが現役教授として大会長を仰せつかる学術大会としては,たぶん最後になると思います.思い起こせば,わたくしが教授になった翌年にもこの日本口腔インプラント学会中国四国支部学術大会を担当しており,その時にはあのSongtao Shi先生をお呼びして,間葉系幹細胞の先端研究のお話しを頂いたことを思い出します.あの頃に負けない学術大会をやろうと大野准教授と相談し,この学術大会を引き受けました.

 会場には幾多のすばらしい記憶が残っている「ルネスホール」を選びました.ルネスホールは,1987年に日本銀行岡山支店としての役割を終えた後,歴史的建造物として改修され,文化と交流の場として生まれ変わった趣ある会場です.このホールも丁度昨年,再度全面改修され,この様な思い入れのある学術大会にふさわしく新調されており,絶好のタイミングと考えたのです.

 今回の大会テーマは「基礎から臨床へ:インプラントの未来を支える科学の力」と掲げ,インプラント歯学の基盤となる基礎研究と臨床実践の架け橋となるような,特色ある大会を企画しております.特別講演には,エビデンスに基づいた硬・軟組織造成に関し第一線でご活躍の小田師巳先生(近畿・北陸支部)とSongtao Shi先生に師事していた園山 亘先生(近畿・北陸支部)をお招きし,臨床における組織再建技術の現状と課題についてご講演頂きます.また,水上哲也先生(九州支部)と鈴木秀典先生(近畿・北陸支部)には,インプラント治療が解決すべき重要課題であるインプラント周囲炎の治療に関してアップデートして頂くとともに,岸本裕充先生(兵庫医科大学)と黒嶋伸一郎先生(北海道大学)には,薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)の病態や治療法に関して最新の知見を披露頂く予定です.これらの特別講演やシンポジウムは,臨床現場における課題を基礎・臨床両面から解決するための新しい糸口を得るための良い機会となることと期待されます.

 さらに,本学会としては珍しい企画となりますが,基礎・トランスレーショナル研究に関するシンポジウムを企画しました.医療を支える先端研究をテーマに,塚崎雅之先生 (昭和大学),宝田剛志先生 (岡山大学),Joo-Cheol Park先生(ソウル大学)をお迎えし,基礎研究が歯科治療や医療の未来を変えうる力を持つことを例示して頂けるものと楽しみにしております.また,市民公開講座には,「歯の再生に関する薬物療法の開発」で注目を集める高橋 克先生(医学研究所北野病院)をお迎えし,一般市民の皆様にも「未来の口腔インプラント治療」を感じていただけるよい機会になればと考えております.

 夕刻には起業展示やポスターセッションを囲んで,十分なディスカッションが出来ますよう,リラックスした雰囲気でのイブニングポスターセッションを予定しています.すでに,全国の有力研究者にお声かけをしておりますが,ぜひ最新の基礎・臨床研究の内容をポスターセッションに登録して頂けましたらありがたく存じます. 皆様のご協力を賜り,本大会が充実したものとなりますよう,準備委員会一同,精一杯努力してまいります.何卒ご支援をよろしくお願い申し上げます.

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