第43回日本精神科診断学会

会長挨拶

第43回日本精神科診断学会
会 長:菱本 明豊
(神戸大学大学院医学研究科 精神医学分野)
 2024年9月21日(土)と22日(日)に、第43回日本精神科診断学会を開催することとなりました。3年以上にわたるCOVID-19パンデミックを乗り越え、私たちの世界は落ち着きつつあります。しかし大規模災害ともいえるコロナ禍により、遅れて、メンタルヘルスの悪化を引き起し、自殺者数の増加などが危惧されています。ますますメンタルヘルスケアの重要性が増しています。

 大会のテーマは「精神科診断学の船出」としました。2022年1月WHOが正式にICD -11を発効しました。現在、日本精神神経学会を中心にICD-11第6章「精神,行動,神経発達の疾患」(Mental, Behavioural or Neurodevelopmental Disorders:MBND)の翻訳作業が行われ、厚生労働省と総務省の承認に向けた準備が進められています。

 例えば「精神病」という用語は「精神症」に変更することが検討されています。診断というのは疾患単位である「名称」に当てはめる作業でもあります。一つの病名変更が治療者・患者のみならず家族・社会に有形無形の影響を与えます。今回のICD-10からICD-11への切り替えによって私たちの精神医療がどのように変化していくのかをこの大会を通して考えていけたらと思います。プログラムについては、現在鋭意検討中ですが、これまでの大会に劣らない充実したものを目指しています。

 港町神戸にて多くの皆様にお目にかかれますことを期待いたしますとともに、活発なご発表により学会を盛り上げていただけますことをお願い申し上げます。