第9回日本不育症学会学術集会

第9回日本不育症学会学術集会

会長挨拶

第9回日本不育症学会学術集会
学術集会長 竹下 俊行
竹下レディスクリニック 院長

第9回日本不育症学会学術集会
学術集会長 竹下 俊行
竹下レディスクリニック 院長

 第9回日本不育症学会学術集会を、令和9年6月12日(土)、13日(日)の両日、日本医科大学橘桜ホールにおいて開催させていただくこととなりました。このような機会を賜りましたことを大変光栄に存じますとともに、これまで不育症学会を支えてこられた先生方、そして今回の開催をお認めいただきました関係の皆様に、心より感謝申し上げます。

 私自身、まさか日本医科大学を辞した後に、不育症学会の学術集会を主催することになろうとは、夢にも思っておりませんでした。日本医科大学在任中の30年間、不育症の診療と研究に携わってまいりました。そして大学を離れ、開業して5年が経った現在も、こうして不育症の患者さんの診療に携わることができていることを、大変ありがたく感じております。

 私が産婦人科医となり、不育症の診療・研究に関わり始めた頃には、流産は「治すことのできないもの」、あるいは「医療が介入してもその効果が期待できない領域」と考えられていた時代でした。しかし、その後の研究の進歩は目覚ましく、抗リン脂質抗体症候群に対する抗血栓療法が確立され、さらに近年ではPGT-Aの導入により、流産の重要な原因の一つである胚の染色体異常という遺伝的要因に対しても、医療が介入できる時代となりました。

 振り返ってみますと、かつて「治療できない」と考えられていた領域が、研究の積み重ねによって少しずつ「治療できる領域」へと変わってきたことには、深い感慨を覚えます。そして、不育症という領域は、患者さんとともに原因を探り、その原因に応じた治療を考え、さらに新たな医学的知見を臨床へ還元していくという意味において、産婦人科領域の中でも、とりわけ大きなやりがいを感じることのできる分野であると考えています。

 今回の学術集会では、特に一般演題を大切にしたいと考えています。不育症は一つの検査結果や一つの治療法だけでは解決できない症例も多く、日々の診療の中には、まだ多くの疑問や課題が残されています。そこで、完成された研究成果を発表するだけではなく、一つ一つの演題を巡って、あたかも病院のカンファレンスのように、参加者の皆様がそれぞれの経験や考えを率直に述べ合い、議論を深めることのできる学術集会にしたいと考えております。

 活発な議論の中から新たな発想が生まれ、それが明日の不育症診療につながっていく――そのような学会にすることができれば、学術集会長としてこれほど嬉しいことはありません。

 多くの先生方にご参加いただき、日頃の診療や研究について大いに語り合っていただけますことを、心より願っております。

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