会長挨拶

第35回日本シェーグレン病学会学術集会
会長 西山 進
倉敷成人病センター リウマチ科 主任部長
第35回日本シェーグレン病学会学術集会
会長 西山 進
倉敷成人病センター リウマチ科 主任部長
この度、伝統ある日本シェーグレン病学会の学会長を拝命いたしました倉敷成人病センターの西山 進です。思い起こせば、師匠の宮脇昌二先生が第4回の本学会を開催してから33年が経ちました。その年は岡山では稀にみる渇水の年にあたり、全国からお越しいただいた皆様にはご不便をおかけしましたにもかかわらず、乾きを潤すような心温まるお言葉やお心遣いをたくさん頂戴したことなどが懐かしく脳裏によみがえります。その思い出に満ちた同じ倉敷国際ホテルにおいて、令和9年9月17日から18日の2日間、新たな学びと熱い討論に和やかな懇親会を交えた学会を開催するにあたり、テーマを「細き流れも大河となる」としました。
最初は謎解きに挑んだ研究者が集まった小さな細き流れの会でしたが、世界の研究者や患者さんとともに知見や情報を交換して病態解明が進み、また同一疾患とされたミクリッツ病がシェーグレンとは異なるIgG4関連疾患であるという発見に本学会も貢献しました。そしてシェーグレン病は症候群ではなく独立疾患であるという国際的なコンセンサスが得られたことで、さらなる大きな流れとして本学会も発展していくことが期待されます。
この病気は、主に目や口の乾燥症状が主体ですが、全身にさまざまな症状を出すことがあります。早い段階で見つけて病気が進行しないようにすることが大切ですが、病気は患者さんが乾燥を感じる以前から始まっており、早期発見は難しい現状があります。最初のわずかな細き流れの異変が数年後にはっきりとした大きな流れの乾燥症状として現われた時には対処法が限られて、治療薬の効果を感じられない患者さんが増えてしまいます。
病状を改善させる薬剤開発が長く切望されてきましたが、先人たちの努力によって半世紀前には想像できなかった分子標的薬が開発され、種々の膠原病疾患の治療に光明が差すようになりました。シェーグレン病においても、臨床試験に参加された患者さん、製薬会社や各分野の研究者、臨床医など多くの方々の尽力により新薬の開発が加速度的に進み、現在は細き流れが大河となって、患者さんのもとに新薬が届けられるようになります。
倉敷は江戸時代に幕府直轄の天領として栄えたところで、すぐ近くに白壁で有名な歴史的な美観地区があります。エル・グレコの受胎告知などの名画や美術品を多数所蔵する大原美術館など見所がたくさんあり、学会の討論で熱くなった頭を冷やすには良い場所です。
本学術集会が、実りある学会になりますように、関係者一同、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
