第47回日本神経心理学会学術集会

会長挨拶

第47回日本神経心理学会学術集会
会 長:數井 裕光
(高知大学医学部 神経精神科学講座 教授)
 この度、第47回日本神経心理学会学術集会を高知県で開催させていただきますことを、関係者一同大変光栄に存じます。
 私が医師になって初めて入会した学会が神経心理学会です。そして当時、私を指導し本学会への入会を勧めていただいた田邉敬貴先生は高知県高知市のご出身です。田邉先生は、「研究は道楽やから、楽しなかったらいかん。やめたくなったら、いつやめてもええ」といつも言われていました。そこで、本学会のテーマには「楽しむ」という言葉を是非とも入れたいと思っていました。また神経心理学の知識は、私達の日常診療にとても役立ちます。以前から、私は、多くの人達の「神経心理学の活かし方」を披露し合う場があったら良いなと思っていました。それを本学術集会で実現したいと思っています。そして私達、臨床家は、目の前の患者さんに、よりよい医療を提供できるように、学び続けなければなりません。この3つの言葉を本学会のテーマとしました。
 さて、現在の所、本学会は現地開催とその内容を録画して後にオンデマンド配信するハイブリッド開催を考えています。すなわち、多くの皆様に高知県に来ていただきたいと思っています。やはり、リアルに会って、ディスカッションするのが学術集会の醍醐味です。その中で、新しいアイデアが生まれ、次なる活動への意欲が形成され、協同活動が推進されると思います。少し悪い交通の便が気にならないような魅力的な企画を考えたいと思っています。
 2023年度前期のNHKの朝の連続ドラマ小説は「らんまん(主演・神木隆之介さん)」が予定されていますが、これは高知県が生んだ日本の植物学の父・牧野富太郎博士の物語です。牧野植物園には、牧野博士が一つ一つとても丁寧に描いたスケッチが多数保存されています。一例一例丁寧に所見をとっていく神経心理学的診察にとても似ていると感じています。本学会が開催される時には、クライマックスを迎えているのではないかと思います。また9月上旬は、高知らしさを満喫できる時期で、美味しい海の幸・川の幸、野菜、果物、お酒も愉しんでいただけると思います。皆様の、本学術集会へのご参加をお待ちしております。