第37回日本肺および心肺移植研究会

会長挨拶

第37回日本肺および心肺移植研究会
会長:豊岡 伸一
(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 呼吸器・乳腺内分泌外科学 教授)
 この度、第37回日本肺および心肺移植研究会を2021(令和3)年1月30日(土)から2週間、web形式で開催する運びとなりました。本研究会は肺移植に携わる多くの職種の方が、様々な経験を共有する貴重な研究会です。この重要な研究会の会長を拝命し大変光栄に存じます。
 今年度はコロナ禍の折、研究会自体はオンラインでの開催となります。2010年に臓器移植法が改正され10年が経過し、脳死肺移植・心肺移植の症例数は毎年増加してはおりますが、移植登録数の増加とともにドナー不足は継続した課題になっています。今回は、スポンサードセミナーとして、こうした登録数の増加に伴う肺移植の適応判定について、中央肺移植適応検討委員会委員長である石塚 全先生よりご講演いただきます。各施設からの登録の際に是非ご参考にしていただければと思います。
 また、個々の症例においても移植手術はもちろんのこと、適応評価から、周術期管理、ドナーへの対応、術後フォローなど多くの重要な要素からなる移植医療においては各施設で様々な工夫や新しい試みが症例に応じてなされていることと思います。本会はこのような各施設の経験をご発表いただき、知識を共有し、次の移植医療につなげる格好の場と考えています。このため、ライブ配信セッションとして、各施設で経験した困難な症例に対する対応と、臓器移植法の改正後に増加した脳死肺移植における各施設の工夫について、ディスカッションする場を設けました。従来通り、一般演題もオンデマンド配信でご発表いただきますので、是非、奮ってご参加いただけますと幸いです。
 また、言及せざるを得ない話題として新型コロナウイルスの移植医療における影響があります。コロナウイルスが呼吸器感染症であること以外に、上述の如く多くの要素からなる移植医療において、コロナウイルス感染症により私たちは移動制限、PCR検査など多くの新しい課題を突き付けられています。そのため、移植医療も今までの体制から今後のニューノーマルに対応していく必要があると考えます。なお、2021年の世界経済フォーラム年次総会では新型コロナウイルス感染が広がるなか、既存の体制を一度リセットし、今後の新しい秩序について話し合うため、アジェンダが「グレート・リセット」に決定しており、今後の社会経済の在り方が注目されています。
 本ホームページの写真は、「日本の朝日百選」に認定された岡山県瀬戸内市の「虫明迫門の曙(むしあげせとのあけぼの)」の初日の出の写真です。今回の研究会での知識・経験の共有が、肺および心肺移植の新しい時代の幕開けにつながることを願っています。