第65回中国・四国精神神経学会/第48回中国・四国精神保健学会

会長挨拶

 この度、第48回中国・四国精神保健学会会長の稲野 秀先生とともに中国・四国精神神経学会を山口県で開催させていただくことになりました。よろしくお願いします。

 今回のテーマは「リカバリーを支える包括的な地域医療の在り方を探る」とさせていただきました。全国学会では取り扱えない地域、特に中国地方や四国地方で独自に発展させてきた医療と日本全体で進められ、さらにこれから考えられている医療などを比較検討すること、さらに以前は福祉分野として切り離されていたところもあるリカバリーという領域に注目していきたいとの思いからです。当事者にとっては入院治療や休職・休学を余儀なくされる状態は最も医療の必要度が高い状態です。このため、どちらかというと急性期治療に焦点が当たってきたように感じます。一方、大きな苦痛感までも取り上げる昨今の精神科医療はより幅広く、深淵になってきており、パーソナルリカバリーまでをも治療目標としてきています。種々の精神疾患における「リカバリー」のあり方も異なり、横断的に考える機会ともしたいと思います。

 会期は2025年11月27日(木)、28日(金)の平日2日間、KDDI維新ホール(山口市)で開催いたします。会場は新幹線の新山口駅に直結、山口宇部空港からは直行バスで30分ほどのところにあり、2021年7月にできた比較的新しい施設です。皆様が気持ちよくお過ごしいただけるのではないかと思います。

 ご存知の方も多いかと思いますが、山口市はニューヨーク・タイムズ紙「2024年に行くべき52カ所」に選ばれております(とはいえ、オーバーツーリズムは問題になっておりません)。国宝 瑠璃光寺五重塔は2026年3月までは令和の大改修が行われるようですが、普段は五重塔に安置されている「阿弥陀如来坐像」や「大内義弘公入道坐像」が御堂に遷座されております。その他、日本のクリスマス発祥の地としての山口サビエル記念聖堂、湯田温泉などが近隣にございます。週末などに足を伸ばせば秋吉台・秋芳洞、松下村塾のある松陰神社など観光地もたくさんあり、こころの「リカバリー」もしていただければと願っております。多くの皆様方の参加を楽しみにしています。

 私どもは令和7(2025)年11月27日(木)〜28日(金)の2日間、山口市のKDDI維新ホールにて第48回中国・四国精神保健学会を、開催いたします。例年と同様、(第65回)中国・四国精神神経学会(会長:中川伸山口大学教授)との同時開催です。慣れない運営に苦心しながら準備に励んでまいりました。不行き届きの点はお許しください。

 さて、精神科医療は病床利用率の低下や人員充足の困難さ、患者様の高齢化と身体合併症への対応、地域包括医療構想への参加などの大きな変化の渦中にあります。いまほどに各々が職業人としての技量の向上や意識変革を迫られている時代はありません。

 本大会は医師のみならず、看護師・心理士・精神保健福祉士・作業療法士など、精神科医療および福祉介護分野で活動されるすべての関係者に広く開かれた学会です。他職種の仕事を垣間見ることでご自分の仕事のヒントを得てお帰りいただけると幸いです。

 日常の業務の中での発見、続けてきた仕事のまとめ、治療技法の紹介など、若手にも比較的取り付きやすい演題で発表することができることと思います。ぜひ思い切って発表に挑戦してみてくださいますよう、お願いいたします。もちろん、聴衆としておいでいただくのも大歓迎です。知識をアップデートしましょう。考えましょう。質問しましょう。友達を作りましょう。そして、しっかり勉強したら遊びましょう。少し足を伸ばしていただければ、アルカリ性単純温泉で美肌の湯として名高い湯田温泉もございます。ご都合が許せば土日も使って県内の海山を巡りながらおいしい食べ物を探してみるのもおもしろいかと思います。

 今回の会場は、新山口駅に隣接し、インターチェンジからも近く、大変アクセス良好な立地です。前回の当県開催地の下関に比べ、早朝からの参加も容易ですし長時間滞在していただきやすくもあります。多くの方々のご参加をこころからお待ちしております。

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