第21回大阪病院学会

ご挨拶

第21回大阪病院学会開催にあたって

第21回大阪病院学会
学会長 佐々木 洋
一般社団法人 大阪府病院協会 会長
八尾市立病院 特命総長

 1981年(昭和56年)以来、2年ごとに開催してまいりました大阪病院学会(一般社団法人大阪府病院協会と一般社団法人大阪府私立病院協会の共催)の開催を11月7日(日)に大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪)にて開催予定にしておりました。現在、当会場は、自衛隊大規模ワクチン接種会場として使用されておりますが、11月以降も接種会場として継続使用されることになりました。その結果、当日会場の使用が困難になりましたので、やむなく、原則ウェブ開催とし、一般演題は収録後オンデマンド配信、シンポジウム、スポンサードセミナーと特別講演は、当日ライブ配信すると共に動画を収録し、後日オンデマンド配信とすることに変更致しました。われわれ人類が「令和の新興感染症・コロナ」に打ち克ち、以前のような多くの人々が一堂に会する学会の開催を目指しておりましたが、このような開催形態になり大変残念です。

 さて、これからの日本が抱える大きな問題である少子化と高齢化は、医療提供体制の大規模な改革を要求されていますが、このことは、大阪の多くの病院の存続にかかわる重大な問題にもなっています。差し当たって、戦後の第一次ベビーブーマー「団塊の世代」がすべて75歳以上となり、後期高齢者が爆発的(800万人以上)に増える結果、高齢者の医療と介護の需要が急増する2025年が目の前に迫っています。地域医療構想の実現による病床の機能分化と連携の強化、地域間/診療科間の医師偏在の解消、医療従事者の働き方改革を通じた健康確保、など現在議論されている課題は、新型コロナ感染症を契機として、その方向性の修正と解決に向けた議論を加速化させる必要性に迫られています。

 今回の学会開催に際し、「21世紀に人類に与えられた試練であるコロナ」は外すことができないと考え、学会テーマは、「コロナを越えて羽ばたこう!大阪の医療」とし、シンポジウムのテーマも「コロナに学ぶ地域医療構想とこれからの病院の在り方」とさせていただき、演者には、幅広い分野からその道の第一人者をお呼びしております。また、特別講演として、人工知能(AI)技術の医療応用に取り組むベンチャー企業アイリス(株)代表取締役沖山翔先生に「医療AIの未来を展望する」という演題で、近い将来に来たるAI医療について、学会参加者に夢を与えるご講演をいただきます。大阪中の病院関係者が結集して大阪の医療の現在と将来を議論し合う、そんな学会をめざしています。できるだけ多くの医療従事者にご参加いただきたくお願いします。

 最後に、本学会開催にあたり、多くの公民を問わない病院の多職種の方々から、過去最高の350題に及ぶ演題をいただきましたこと、また、スポンサードセミナー、展示、広告協賛等、多くの企業様に協賛いただき、助けていただきましたこと、大変ありがたく、うれしく思っています。さらに、学会の準備に多大なご尽力を賜りました両協会の役員及び関係者の皆様方に心からお礼と感謝を申し上げます。