ハンズオンセミナー
第7回日本リンパ浮腫治療学会学術総会では、知識と技術の共有の場として、いくつかのハンズオンセミナーを企画しました。
セミナーはテーマ毎に予約制にて開催を予定しております。
ハンズオンセミナーは参加者が講演を聴くだけではなく、実際に手を動かして頂く体験型のワークショップです。
日々の診療に役立つ検査や治療方法の知識、技術を皆様と共有して、診療の一助となればと思っております。皆様のご参加を期待しております。
※ハンズオンセミナーはオンデマンド配信はございません。ぜひ、現地でご参加ください。
※ハンズオンセミナーのみの参加申込は出来ません。学術総会への参加登録を済ませた後にお申し込みください。
ハンズオンセミナー申し込みは終了しました。
追加で参加・見学可能なセミナーにつきましては、当日ご案内させていただきます。
ハンズオンセミナー1
2023年9月2日(土)9:00~10:00
タイトル | 水分貯留状況によって変化させる圧迫療法〜その考え方と実践〜 |
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講師 | 大塚俊介(一般社団法人日本浮腫緩和療法協会) |
募集定員 | 30名(見学可30名) |
参加条件 | リンパ浮腫の専門的な教育が終了し実践している方 |
協賛 | ソルブ株式会社 |
参加者へのご注意 | *包帯が巻ける服装の準備(Tシャツ・短パン) |
セミナー内容
対象者
リンパ浮腫の専門的な教育を修了され、基本的な多層包帯法は理解している/実践しているコメディカル。もしくは経験した症例が少数で更に圧迫療法について学びたい、疑問点を解消したいと思っているコメディカルの方々。或いはリンパ浮腫について今後関与していきたいとお考えの医師の先生方。
内容
エコー像より、水分貯留(浮腫)状態を以下の4つの組み合わせから分類した。
①大きな敷石状 箇所
②小さな敷石(砂利状)箇所
③SAT層(superficial adipose tissue)浅脂肪組織での貯留
④DAT層(deep adipose tissue)深脂肪組織での貯留
今までセラピストの勘や経験でのみ行っていた圧迫療法をエコーによる視覚並びにPitting(押圧)テストによって利用箇所を特定し、モビダーム大・小の使い分けを科学的に行っていく。更に、度重なる炎症などによって起こる間質内での過剰繊維化によるリンパ管への通液障害に対し、部分圧をかけることによる間質内での間質液移動を解説する。間質液を移動する外圧については2020年にzaleskaがLymphtic Research Biologyで発表した圧を採用し、モビダームがなぜ効果出るかを平坦なスポンジと比較しながら物理的解釈を行う。
今回のハンズオンでは、圧力計を利用しモビダームを利用した圧迫圧を立位、臥位と静水圧の違いによる適圧を目で見て触って実際に体験していただきより安全で、より効果の出る圧迫療法を知っていただきたいと思います。また、より理解度を高めるためにディスカッションの場も設けたいと思います。
ハンズオンセミナー2
2023年9月2日(土)10:30~11:30
タイトル | 実践!巻き爪矯正治療〜矯正器具「ネイル・エイド」を体験〜 |
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講師 | 簗由一郎(埼玉医科大学 形成外科・美容外科) |
募集定員 | 30名(見学可15名) 参加希望多数の場合は、11:40~12:40で第2部を開催します。定員20名 |
参加条件 | なし |
協賛 | 第7回日本リンパ浮腫治療学会学術総会 |
参加者へのご注意 |
*当日はプラスチック製の簡易爪モデルを使った体験を予定しています。 *実際に自分の爪で体験したい場合は、足の爪を伸ばしておいてください。また、爪切りなどのご持参をお願いします。 *足先から足首まで出せる服装にご配慮ください。 *詳細は抄録をご参照ください。 |
セミナー内容
近年、巻き爪に対して、ワイヤーなどの形状記憶合金を用いた矯正治療も一般的となり各種の器具が治療に用いられています。
一方、矯正治療にはいくつかのデメリットも存在します。代表的なものとして、自費診療の費用負担、施術に時間がかかる、方法によっては資格や資格取得のための費用が必要となる、体への侵襲や痛み、などが指摘されます。これらのデメリットを克服するために、爪への加工が不要で、「短時間(数分)で装着可能」「繰り返し使える」ことを特徴とした、形状記憶合金NiTi素材のクリップ型巻き爪治療器具「ネイル・エイド®」を開発しました。
このセミナーでは、動画や画像を豊富に用いた巻き爪矯正治療全般に関する講義と、ネイル・エイドを使った巻き爪矯正の体験をしてもらいます。
ハンズオンセッションでは、プラスチック製の簡易モデルを使い、ネイル・エイドの付け外しを体験できます。どなたでも参加頂けますが、巻き爪矯正に関するセミナーですので、爪ケアに関する基本事項について今回は対象としていません。その点はご了承ください。
ご自身の爪への装着を試すことも可能ですが、ネイル・エイドの装着には爪先端に装着するための余裕(1~2mm程度)が必要です。また装着する範囲の爪が同じ長さにカット(端から端までのスクエアカット)されている必要があります。また爪切りなどの準備もないので、必要に応じてご自身でご用意をお願いします。
ハンズオンセミナー3
2023年9月2日(土)14:10~15:10
タイトル | チャチャッと実践的DVTエコー |
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講師 | 松原進(広島はくしま病院放射線科) 吉武美香(広島赤十字原爆病院) 清水健太(広島赤十字原爆病院) 溝渕亜矢(広島大学病院未来医療センター) |
ファシリテーター | 原尚子(JR東京総合病院) |
募集定員 | 16名(見学可15名) |
参加条件 | 基本エコー検査に携わる医療従事者・エコー検査に関心のある方 |
協賛 | キヤノンメディカルシステムズ株式会社 |
参加者へのご注意 | *短時間ですが、実際にプローブを持っていただき体験できます。基本、エコー検査に携わる医療従事者の方を優先とさせていただきます。 *詳細は抄録をご参照ください。 |
セミナー内容
下肢深部静脈血栓症に対するエコー検査は、鼠径部より末梢側においては、最も優れた画像検査です。そして、下腿腫脹の除外目的を含め、その有用性は広く認知され、ニーズもますます増加しています。
そのため、検査数も増加することになるのですが、検査室では多くの悩みがあるようです。たとえば、検査に時間がかかってしまう、長期臥床患者にはどう走査すればよいか?、下肢静脈の解剖が分かりにくいなど…
このハンズオンセミナーでは、
1. 下肢静脈の特徴 2. 静脈血栓の評価方法 3. 大腿静脈の走査方法 4. 膝窩静脈の走査方法 5. 下腿深部静脈の走査方法
といった内容で行います。
鼠径部から下腿までの範囲で、不要な時間をかけない効率的な走査の進め方、効率的な血栓有無の評価方法、見落としのないプローブの当て方やコツなどについて実際にプローブを持っていただき体感していただきます。
残念ながら限られた時間ですので、多くの方に体感していただくことは困難ですので、この機会にお早めの申し込みをただけますようお願いいたします。
ハンズオンセミナー4
2023年9月2日(土)15:30~16:30
タイトル | AI手指衛生評価システム「Hand we!」を用いた体験コーナー |
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講師 | 杉山貴之(株式会社モレーンコーポレーション) |
ファシリテーター | 山本崇(株式会社モレーンコーポレーション) |
募集定員 | 30名(見学可30名) |
参加条件 | なし |
協賛 | 株式会社モレーンコーポレーション |
参加者へのご注意 | *実際に手指消毒をしていただきます。袖の無い洋服でご参加ください。タオル、ハンカチ等のご準備をお願いします。 |
セミナー内容
2019年12月中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、国内の感染対策を一変させました。我々モレーンは創業以来、急性期の医療機関を中心に感染対策製品とサービスを提供して参りましたが、この感染症のパンデミックによって医療関連感染対策は新しいフェーズを迎えており、進化を求められていると実感しております。
本ハンズセミナーでは大会のテーマである「Beyond COVID-19 手と手を携えるリンパ浮腫治療」に沿い、医療者が手と手を携えるために必要不可欠な「手指衛生」に着目、参加者の皆様に最新の手指衛生評価ツールのご紹介をさせていただきます。
世界初、AI技術を利用した手指衛生評価システム「Hand we!」は、被験者の手指衛生(手洗い、手指消毒)後の画像をクラウド上で認識し、両手裏表72セクションの洗い残し、塗り残しを評価、自動的に点数化します。これにより被験者の手指衛生のスキルを向上させ、結果的に感染のリスクを減少させることを目的としており、本セミナーにご参加される皆様に実際に体験していただきます。また当日は「Hand we!」だけでなく、ドイツから輸入した植物から抽出した天然着色料を利用した簡易的手指消毒トレーニングツールや、手指衛生を継続的に行うための肌にやさしいハンドローションを提供予定です。
感染対策を進化させること、これが我々の使命です。ぜひ、会場でご体感ください。
ハンズオンセミナー5
2023年9月2日(土)16:50~17:50
タイトル | Edema bandaging step by step ~浮腫のための包帯法 ステップバイステップ~ |
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講師 | Peter Staudinger(メディカルコンサルタント) |
募集定員 | 30名(見学可30名) |
参加条件 | なし |
協賛 | ナック商会株式会社 |
参加者へのご注意 | *肩、大腿部まで出せる服装、または短パンなどをご準備ください。 |
セミナー内容
創造的な組み合わせによる圧迫
<目的>
圧迫に使用する製品は1点とは限らず、また技術だけで決まるものでもないことを学びます。つま先から足首への特別な包帯法に加え、さらにラップ型弾性着衣を組み合わせた治療方法を紹介します。
<ワークショップの内容>
ぴったりとフィットする足部の包帯法をデモンストレーション
包帯法の特徴や利点を解説
ラップ型着衣の仕組みとその作用について解説
<ハンズオン>
講師指導の下で実践練習
<最後に>
リクエストに応じたデモンストレーション
ハンズオンセミナー6
2023年9月3日(日)9:00~11:30
タイトル | むくんだ足が喜ぶフットケア〜基本のきからはじめよう〜 |
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講師 | 渡辺直子(佐賀大学医学部附属病院 助産師・リンパ浮腫技師) 石原美紀(下関市保健部保健医療政策課) 浅原佳代(成田記念病院フットケア外来) 阿座上操(下関医療センター看護部) 姥ゆかり(下関医療センター看護部) 岡崎千賀子(山口赤十字病院) 三宅よしえ(岡山博愛会病院) |
募集定員 | 24名(見学可15名) |
参加条件 | なし |
協賛 | 第7回日本リンパ浮腫治療学会学術総会 |
参加者へのご注意 | *足ふきタオル、短パンなど足を出せる服装をご準備ください。 *実際に自分の爪で体験したい場合は、足の爪を伸ばしておいてください。 |
セミナー内容
リンパ浮腫の保存的治療である複合的治療におけるスキンケアは、一般的には保湿のみが協調されています。
しかし、むくんだ脚は、ケアの問題が多く、指の隙間が狭く洗浄が困難であったり、爪の隙間がなく、爪切りがしにくいことや、爪が皮膚にめり込むなどの問題が山積みです。だからこそ、浮腫ケアにおいてフットケアは切り離せない技術ですが、どの教育機関においてもフットケアの詳しい教育が行われているところはありません。そのため、現場での指導に難渋することも多く、セラピストは爪切りや洗浄方法・靴の指導などを、どこに相談したらよいのか困るケースも少なくありませんでした。
そこで、今回、日本フットケア足病医学会認定フットケア指導士の皆さまの協力を得て、リンパ浮腫系の学会「初」のむくみ脚に必要なフットケア技術習得と日頃の悩みを相談できる場を作ろうと思います。
ぜひこの機会に、リンパ浮腫患者さんの脚に必要なケアを知って、新たな職種であるフットケア指導士の皆さまと「手と手を繋いで」複合的治療の新たな時代を迎えましょう!!