第9回成人発達障害支援学会

ご挨拶

第9回成人発達障害支援学会
大会長 来住 由樹
(地方独立行政法人岡山県精神科医療センター 院長)

 第9回成人発達障害支援学会を、2022年12月3日(土)、4日(日)の2日間にわたり、岡山市内、岡山駅近くの「岡山国際交流センター」を会場として開催いたします。

 大会テーマは、「共感する、つなぐ、伴走する」です。これは英国自閉症協会が掲げる支援の原則であるSPELL(Structure:構造化、Positive:肯定的かかわり、Empathy:共感、Low Arousal低刺激、Links:連携)をヒントに、現在の日本での成人発達障害支援者が共有したい原則として掲げることといたしました。
 「共感する」、発達障害を抱える人の生きづらさにしっかりと共感し、発達障害を持つ人の家族を気遣い支えることは、支援の基本であると思われます。「伴走する」、発達障害を抱える人の生きづらさに寄り添い、要所要所の困難を一緒に乗り越えることは支援の肝要ではないでしょうか。「つなぐ」、発達障害の支援には、医学的対応はもとより、教育、福祉からの合理的配慮と具体的な支援が不可欠です。支援者が領域を超えた包括的ネットワークを構築し、タイムリーに適切な支援者につなぐことができれば救われる人も多いはずです。診断を受けることが、本人と家族を支え、生きづらさを緩和させ、本人らしく生きることにつながる支援を如何に実現するか。岡山大会会場で、皆様とともに深く考え、一つ一つ行動したいと思います。
 発達障害を有する人は、乳幼児期、学童期、思春期、成人期と発達段階、ライフステージごとに新たな課題に出会い、継続的かつ包括的支援を必要としています。英知の結集と喧々諤々の議論を、切にお願いいたします。
 本学会は感染対策を行いながら現地開催をいたします。特別講演、シンポジウム、成人発達障害ショートケアプログラムワークショップ、ポスターセッションを実施いたします。奮って各地の取り組みについて発表をお願い致します。また岡山市と共催で市民公開講座を行い、発達障害者の就労について深く学ぶ予定です。

 会場は、岡山駅から徒歩3分の昔ながらの下町の一角にあります。学会開催中に「晴れの国」「吉備の国」岡山の街を散策し、全国の仲間と交流を深めていただけることができれば望外の喜びです。
 全国から多くの皆さまのご参加を、心からお待ちしております。