第35回ハンセン病コ・メディカル学術集会

次回会長あいさつ

第36回ハンセン病コ・メディカル学術集会
会長 鵜飼 克明
国立療養所多磨全生園 園長

 このたび、第36回ハンセン病コ・メディカル学術集会を担当させて頂くことになりました。会期は2024年11月8日(金)から9日(土)の2日間、場所は東京都東村山市(当園ならびに国立ハンセン病資料館)の予定で準備を進めています。

 ご周知のように全国13施設の入所者数は年々減少し、2023年8月末時点では789名となりました。一方、高齢化も年々進み、平均年齢は88.0歳となりました。2003年には3,733名、76.0歳でしたので、その変化の大きさを窺い知ることができます。このような変化の中で私たちが直面している課題は、いかにして「生きていることの充実感」を満たせるように医療や看護を提供するかであり、生活環境を充実させるかであります。さらには、ライフサポートなどを通して、いかにして「心の安らぎ」を得る療養環境を提供するかであります。こういった課題を考える上で重要になるのが、様々な背景を持った入所者お一人おひとりに寄り添った視点だと考えます。

 そこで今回の学術集会のテーマは「入所者一人ひとりに寄り添って考える~生きていることの充実感そして心のやすらぎ~」としました。各施設において、入所者の「生きていることの充実感や心の安らぎ」を目指し、医療・看護・介護、ライフサポートなど様々な視点で、様々な取り組みをしているかと思います。本学術集会では、その成果のみならず、悩んだり苦労していること、さらには心に残った事例なども発表して頂きたいと考えます。また、更なる入所者数の減少が予想される将来を見据え、私たちは入所者一人ひとりの「生きている充実感そして心の安らぎ」のために何をすべきか、各園の将来構想も踏まえて議論できればと考えています。

 同じ思いを持った13施設の仲間が、face-to-faceで思いを語りあい、そして高め合う、そのような学術集会にしたいと考えます。全国の皆様方のご発表、ご参加を心よりお待ち申し上げます。

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