第16回日本禁煙科学会学術総会 in 倉敷

歓迎メッセージ・内閣官房長官



内閣官房長官 衆議院議員
加藤 勝信

 「第16回日本禁煙科学会学術総会in倉敷」の開催に当たり、一言、御挨拶いたします。
 まず、新型コロナウイルス感染症については、「国民の命と暮らしを守る」ことを最優先に取り組んでいます。自らへの感染リスクもある中、昼夜を分かたず全力で取り組んでおられるすべての方々に、心から感謝申し上げます。緊急事態宣言等の度重なる延長で、事業者や国民の皆様には多くの御不便をおかけしていますが、皆様の御理解をいただきながら、ワクチン接種の推進をはじめ、効果的・持続的な感染対策を講じてまいりますので、引き続きの御協力をお願い申し上げます。
 日本禁煙科学会は、禁煙研究の推進、禁煙対策の支援、子どもたちの喫煙防止への貢献、禁煙の担い手の研鑽の場を提供すること等を目的とした活動を継続され、本学術総会の開催も16回目を迎えられました。本日の御盛会を心からお慶び申し上げるとともに、これまでの皆様のたゆまぬ熱意と御努力に深く敬意を表します。
 我が国の平均寿命、健康寿命は世界でも最高の水準にあるものの、生活習慣病による死亡者数は増加しています。中でも喫煙は、がんをはじめとした生活習慣病の最大の危険因子とされ、また、受動喫煙は虚血性心疾患等のリスクを高めるものであり、さらに、喫煙は新型コロナウイルス感染症の重症化リスクを高めるとされています。
 政府としては、2022年度までに成人喫煙率を12%とする等の目標を立てて取組を進めています。2019年には16.7%まで減少してきているものの、目標達成のためには、皆様方の更なる御協力が必要です。引き続き、お力添えをお願いいたします。
 また、昨年4月から改正健康増進法が全面施行され、飲食店、オフィス、事業所など様々な施設が「原則屋内禁煙」となっています。本法は、私が厚生労働大臣のときに取りまとめ、成立を図ることができたものです。様々な御意見がありましたが、「望まない受動喫煙をなくす」という基本理念の下に、コンセンサスを作り上げました。既存の飲食店のうち経営規模が小さい事業者には一定の経過措置を設ける一方で、新たに開設する店舗については「原則屋内禁煙」とするなど、受動喫煙対策が段階的に進んでいく実効性のある内容となっています。
本法の着実な施行のためには、国民の皆様に受動喫煙に対する認識をさらに深めていただくことが重要です。本日の総会を通じて、科学的エビデンスに基づいた受動喫煙対策等について、活発な御議論が行われることを期待しています。
 最後に、日本禁煙科学会の今後ますますの御発展と皆さまの御健勝・御多幸を祈念して、私の御挨拶といたします。