第4回日本フットケア・足病医学会 中国四国地方会学術集会

会長挨拶

柚木 靖弘
(川崎医科大学 心臓血管外科 講師)
この度,第4回日本フットケア・足病医学会中国四国地方会学術集会を開催するにあたり一言ご挨拶申し上げます.
今回の学術集会のテーマを「守破離」といたしました.皆様もどこかでこの言葉をお聞きになったことがあるかと思いますが,子供の時より剣道を学んできた私にとりまして大切な言葉の一つです.修業の過程を示したものであり,まずは師匠から教わった型を徹底的に守り,そして研究模索をして既存の型を破り,さらなる鍛錬の末に型から離れる.千利休の訓をまとめた利休道歌(利休百首)の最後の歌である「規矩作法 守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」を引用されたものとされています.「本を忘るな」,ここが大切であり,基本(型)があるから型破りであっても形無しにはなりません.
医学でも全く同じことが言えるかと思います.基本を大切にして,創意工夫をしていく...しかし最近,基本を疎かにした流れがあるように感じてなりません.例えば下肢閉塞性動脈硬化症の重症虚血肢(包括的高度慢性下肢虚血CLTI)に対するフットケア・足病治療は外科的バイパス手術が第一選択肢です.しかし,現実にはこの基本を無視して”低侵襲“治療が行われています.私は外科医者としてこの流れに抗いたく,学術集会テーマを「守破離」といたしました.そして,この点に取り組んでこられた江戸川病院 小久保 拓 先生に教育講演として「足部救済治療の実際と問題点 ー血管外科医の立場からー」を御講演いただきます.本学術集会にご参集いただく皆様には,何が基本なのかを是非をお持ちかえりいただければと考えております.
学術集会ポスターを作成するにあたり,「守破離」を剣道範士八段 湯村 正仁 先生にお書きいただきました.湯村 正仁 先生は,私が卒業した鳥取大学医学部剣道部の大先輩であり,私の剣道の師です.また,私が研修医の時に一からご指導賜った恩師です.このいただいた書に恥じないように精進を重ねていきたいと思います.
今回の学術集会は諸般の事情でWebでの開催といたします.学術集会とともに,私が大好きな倉敷の街を御散策いただきたいと思っておりましたが,残念です.ただ,Web開催とすると,遠方からでも,また,少しの時間でもご参加をいただくことができます.ぜひ多くの皆様にご参集いただければ幸いです.