第75回中国四国小児科学会

会長挨拶

第75回中国四国小児科学会
会長 漆原 真樹
徳島大学大学院医歯薬学研究部 小児科学分野 教授

 2023年10月28日から29日までの2日間、第75回中国四国小児科学会をあわぎんホールで開催いたします。徳島での前回開催は2012年ですから11年ぶりになります。Covid-19の流行により、中国四国小児科学会もオンライン、ハイブリッド開催が続いてきましたが、本年度は対面形式で予定しております。

 Covid-19は世界を一変しました。行動制限・自粛、リモートワーク、オンライン学習、経済の停滞など我々の普段の生活から社会全体にまで大きな影響を与えました。医療面ではフルPPE対応、ゾーニング、専用陰圧病床の運用、オンライン診療、ワクチンなど大きな変革にも直面しました。歴史を振り返ると人類は同じようなパンデミックに何度も遭遇し、それらを乗り越えてきています。Covid-19も今年から次のステージへと進むことでしょう。

 これからは今回のパンデミックから得た教訓を生かし、医療から社会全体まで新しい体制を創っていきます。この災禍で気づかせてくれた新しい価値観やニーズに対応していく時です。今後は疾病予防や健康維持のためビッグデータ解析、バイオマーカーやゲノム情報を利用したプレシジョン・メディシンが加速度的に進んでいくと予想されます。また社会は集中型から分散型に変化し、ITやAIの進歩によりあらゆる場面で業務は効率化され新しい生活様式に変化します。

 今回の学会テーマは「創造する新しい世界と未来―地域社会を支える小児医療―」です。中国四国の小児医療からイノベーションを生み出して地域社会を支えることができたらと期待します。

 多くの方々が徳島に来られて学会を楽しんでいただくことを願います。

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