第100回日本細菌学会総会

ご挨拶

第100回日本細菌学会総会
総会長:阿部 章夫
(北里大学 大村智記念研究所・教授)
このたび、第100回日本細菌学会総会を担当させていただくこととなりました北里大学の阿部章夫でございます。

日本細菌学会総会は、1927年、北里柴三郎先生の指揮のもと産声を上げて以来、感染症・免疫・創薬・環境微生物学をはじめとする多様な領域において、我が国の生命科学を牽引する研究者が一堂に会し、知の交流と研鑽を重ねてきた歴史を有しております。その歩みは決して平坦なものではなく、時代の変遷とともに学問の裾野を広げながら、連綿と受け継がれてまいりました。かかる伝統ある総会を、学祖を同じくする北里大学が担わせていただくことに、深い縁とともに、重い責務を感じております。

現代の細菌学が直面する課題は、かつてとは質的に異なる様相を呈しております。薬剤耐性菌(AMR)の地球規模での拡大、新興・再興感染症の脅威、さらには腸内細菌叢研究やゲノム微生物学の飛躍的進展により、細菌学はもはや一領域にとどまらず、医療・環境・社会を横断する学問へと深化しております。

百年にわたる歩みを経た今日においても、細菌学にはなお解き明かされるべき課題が数多く残されており、学問としてはいまなお発展の途上にあります。こうした状況を踏まえると、細菌学は決して完成された体系ではなく、未来へと開かれた学問であると言えるでしょう。

本総会では、この認識を出発点とし、過去の到達点に安住することなく、新たな展開へと踏み出す契機としたいと考えております。分野を越えた知の交差と対話を通じて、細菌学という学問の広がりと可能性を改めて見つめ直し、その先に広がる未来を展望する場となることを目指してまいります。

本総会は、2027年3月4日(木)から6日(土)の3日間、東京・有明セントラルタワーホール&カンファレンスにて開催いたします。また、本大会に向け、「北里大学 細菌学100年委員会」を設置し、学術の継承と社会への発信を全学的に推進してまいります。

本総会のテーマは、「細菌学100年 ― その歩みと展望」といたしました。百年の歴史を礎としつつ、次世代を担う研究者とともに、これからの細菌学のあるべき姿を展望する三日間としたいと考えております。

産学の英知を結集し、持続可能な社会の実現に資する知の共創の場となるよう、万全の準備を整えて皆様をお迎えいたします。
本総会が、細菌学の歩みを未来へとつなぐ新たな起点となることを願っております。
皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

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