一般社団法人 日本災害看護学会 第24回年次大会

大会長挨拶

 この度、日本災害看護学会第24回年次大会を高知で開催させていただく運びとなりました。第24回では「今、改めて準備期の災害看護を考える―住み続けられるしくみづくりのために―」をテーマとしました。
 最近頻発している気象災害や地震に代表される大型自然災害には、「災害サイクル」があると云われてきました。しかし、今回の新型コロナウイルス感染症のパンデミックは1918年から1920年にかけ全世界で大流行したH1N1亜型インフルエンザ(通称、スペイン風邪)を想起させ、感染症にも「100年に一度」というサイクルがあることに驚愕させられました。これまで何度もおしよせる波の中、心折れそうな日々をしのぎ、その中で常に新たな工夫や知見を創出し、対応にあたられていたことと存じます。医療保健福祉現場の皆様はじめ、奮闘されているすべての方々にこの場をお借りして心からの感謝と敬意を表します。
 このような状況にあっても、皆様の体験一つひとつが必ず次への備えにつながると考えます。治療にあたられた医療関係者をはじめ、疫学調査や自宅療養者を支援された公衆衛生部門の方々、訪問看護の方々、介護・福祉サービスや教育の分野でコロナ禍中も難しい業務継続をせまられた方々、どうか皆様の経験をお聞かせください。今大会を通して、人々が何を経験し学んだのか、ご参加の皆様と共に今後につながる検証の場にして戴けたらと考えております。
 また同時に、高知県は来るべき南海トラフ巨大地震に備えて県民上げてとりくんで参りました。今はまさに「次の南海地震」の準備期に相当します。今大会では高知県のとりくみを始め、様々な災害準備期の災害看護のとりくみについてもさらに知見を深めて戴ければと願っております。たとえ災害が起こっても、人々が「住み続けられるしくみづくりのために」、看護にできることを皆様と共に考えます。
 高知での対面開催を検討しておりましたが、残念ながら新型コロナウイルス感染症の状況を鑑み、完全オンライン開催に切り替えることとしました。多くの方々に安心して参加いただけるようオンデマンド配信期間を設けるとともに、Live配信では参加者の皆様がディスカッションできる時間を設ける予定です。皆様に直接お会いできないことは大変残念ではありますが、多くの方々のオンラインでのご参加を、心よりお願い申し上げます。

一般社団法人 日本災害看護学会 第24回年次大会
大会長:竹崎 久美子
(高知県立大学看護学部)