第115回日本消化器病学会中国支部例会

会長挨拶

 石原 俊治
 (島根大学医学部内科学講座(内科学第二))
この度、第115回日本消化器病学会中国支部例会(2021年6月12日)、第33回日本消化器病学会中国支部教育講演会を(2021年6月13日)の会長を拝命し、大変光栄に存じますとともに、支部会員の皆様に心より感謝を申し上げます。
新型コロナウイルスの拡大という未曾有の事態によりまして、様々な分野において自粛や制限が行われております。学会開催もその1つでありますが、この1年間は、多くの学会がWebやハイブリッド形式で開催され、これまでになかった新たな学会の在り方が試みられています。本学会におきましても、現状では全てを現地開催することは困難と考えており、Webを駆使しながらの開催を目指しております。
本学会では、消化器病学の広い領域から、炎症性腸疾患と肝胆膵領域の悪性腫瘍に焦点をあて、「炎症性腸疾患診療の新たな展開」、「肝胆膵領域の悪性腫瘍に対する化学療法の現状」という2つのワークショップを企画いたしました。本邦における炎症性腸疾患の患者は増加傾向にあり、難治症例に使用できる分子標的薬も増え、疾患活動性のモニタリング方法も含めた診療が必須となっています。一方、肝胆膵領域の悪性腫瘍においても、様々な分子標的薬が開発され、さらに免疫チェックポイント阻害剤の使用も可能となってきました。いずれの主題も現在の消化器病学において最も注目すべき分野であり、中国支部の先生方からは、診断・治療の経験、研究成果などをご発表いただき、学会員の皆様の日常診療に役立つワークショップにしたいと考えております。この他、特別講演、教育講演、専門医セミナー、一般演題(研修医奨励賞、専修医奨励賞)、スポンサードミーティングなども企画し、消化器領域全般に渡って新しい知見が提供できるように努めます。
「コロナ禍」での開催となることから、今後の感染状況の変化、ワクチンの接種状況などを十分に踏まえて、最もいい形での支部例会開催を目指す所存です。支部会員の皆様方より、できる限り多くの演題の応募をお待ちしております。そして、現地で、あるいはWebで活発な議論ができることを心より期待しております。何卒宜しくお願い申し上げます。