第62回日本血液学会中国四国地方会

会長挨拶

第62回日本血液学会中国四国地方会
会長 竹中 克斗
愛媛大学大学院医学系研究科 血液・免疫・感染症内科学

 日本血液学会中国四国地方会は、今回が第62回となります。本学会は、多くの先輩方から長きに渡って引き継がれてきた伝統のある学会であり、このたび、本学会を愛媛県で開催させて頂くことを大変光栄に思います。

 今回の学会テーマは「架け橋」とさせて頂きました。最近の血液疾患における治療の進歩は著しく、造血器腫瘍に対する抗体薬、低分子化合物などの分子標的薬や、CAR-T療法を代表とする細胞治療など、これまでの「total cell kill」から「target cell kill」へ大きくパラダイムシフトしつつあります。一方、非腫瘍性疾患においても、血友病に対する治療に抗体医薬が導入され、この領域にも分子標的薬が拡大しつつあります。現在は、これら次世代の治療へ移行する過渡期であり、今回の学会でも、次世代治療への「架け橋」として、新規治療薬に焦点を当てた内容で招請講演を予定させて頂きました。また、歴代会長のテーマを拝見させて頂きますと、それぞれの会長のフレーズは異なっても、これから血液専門医を目指す若手医師、血液専門医となったばかりの新進気鋭の医師へ、これまで私たちが学んできた臨床や研究の知識や経験を引き継いで行きたいという熱い思いが伝わって参ります。私も、歴代会長の思いを繋ぎ、次世代をささえる若手医師への「架け橋」となる学会にしたいと考えています。また、2020年1月にはじまった新型コロナウイルス禍も、2年が経過し、学会の形態も大きく変化しました。当初はオンラインの学会運営は思いもつきませんでしたが、最近では、現地開催とオンライン参加を併用するハイブリッド開催も、多くの学会で採用されつつあります。本学会も、新型コロナウイルス感染状況が見通せないこともあり、ハイブリッド開催を予定して準備を進めさせて頂いております。このような学会の開催形態が、ポストコロナ時代にどのようになるのかは見通せませんが、本学会も、多くの方が参加できる開催形態を模索する、その「架け橋」の1つでありたいと考えています。

 本学会の会場は、交通の便のよい松山市中心部にある松山市駅近くの松山市総合コミュニティセンターを選びました。学会時期の新型コロナウイルス感染状況によりますが、皆様と松山市でお会いできることを楽しみにしております。現地参加にせよ、オンライン参加にせよ、本学会が、中国四国地区の血液内科医の連携を強める交流の場となるような学会にして参りたいと思います。愛媛大学第一内科教室員一同でしっかりと準備して参りますので、皆様の温かいご支援とご協力をよろしくお願い致します。

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