第66回日本医真菌学会総会・学術集会

会長挨拶

第66回日本医真菌学会総会・学術集会開催にあたって

 『第66回日本医真菌学会総会・学術集会』を2022年10月1日(土)~10月2日(日)の2日間にわたり、岐阜長良川国際会議場において開催する予定です。開催形態はCOVID-19の感染状況を眺めながら決定していくことになりますが、現時点では、現地開催とリモートのハイブリッド形式を考えています。岐阜県で日本医真菌学会総会・学術集会が開催されるのは、私の記憶の限りでは、伊藤友喜先生(第17回)、野澤義則先生(第41回)、北島康雄先生(第51回)に次いで4回目になります。

 日本医真菌学会総会・学術集会は、従来から、医学領域における基礎および臨床真菌学が主題ではありますが、病原真菌や真菌症に関する唯一の専門学会として、臨床・研究の成果を情報交換することを目的としており、医学の他に理学、薬学、農学、水産学、獣医学、食品微生物学など極めて多岐にわたる専門領域の研究者にご参加頂いています。医学領域では、臨床医学分野に加え、病理学、薬理学、臨床検査医学、微生物学、免疫学など幅広い視点で、真菌症の臨床研究や基礎研究が行われてきました。近年では、生物学的製剤や免疫制御薬等の使用症例が増加し真菌症は増加傾向にあるだけではなく、Candida aurisCryptococcus gattiiなどの新興真菌症も出現し、診断法・治療法を含めて、我々が取り組むべき課題は多く残されています。さらに、真菌症の中にも医療関連感染対策が必要なものも少なくありません。COVID-19時代においてはCOVID-19 associated pulmonary aspergillosis (CAPA)も臨床上、大きな問題になってきています。イサブコナゾール、oteseconazole、T-2307などをはじめとする新規の抗真菌薬も開発が進み、上市が近い薬剤もいくつか存在しています。

 本学会のテーマは、平凡ではありますが、『真菌感染症を多角的に考える』とさせていただきました。共同プログラム委員長として、表在性真菌症部門・望月 隆先生(金沢医科大学 皮膚科学)、深在性真菌症部門・宮崎泰可先生(宮崎大学医学部内科学講座 呼吸器・膠原病・感染症・脳神経内科学分野)、基礎部門・槇村浩一先生(帝京大学医真菌研究センター)、臨床検査部門・山岸由佳先生(高知大学医学部附属病院 感染症科/感染管理部)、薬剤師部門・浜田幸宏先生(東京女子医科大学病院 薬剤部)にお願いしています。

 COVID-19時代を迎えてますます真菌症への対応を真摯に考える必要性も高まっていると認識しております。本学会が、有意義な情報収集、研究者の交流の場となるよう一層の覚悟をもって準備をしております。岐阜長良川河畔で、face to faceの学会が開催できることを祈りつつ、斎藤道三、織田信長、明智光秀ゆかりの岐阜の地で多くの先生方にお会いできることを楽しみにしております。

謹 白

2021年12月吉日

第66回日本医真菌学会総会・学術集会
会長 三鴨 廣繁
愛知医科大学大学院医学研究科 臨床感染症学 教授